日本のデベロッパーの方へ Google Play や Android に関する最新情報をお届け
2018 年の悪質なアプリや悪意のあるデベロッパーとの戦いについて
2019年3月7日木曜日
この記事は
Andrew Ahn
による Android Developers Blog の記事 "
How we fought bad apps and malicious developers in 2018
" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Google Play は、何十億という Android ユーザーにお気に入りのアプリを見つけて楽しんでいただけるよう、安全かつ安心なプラットフォームを提供することに力を注いでいます。その責任を果たすため、昨年は不正使用の検知を行うテクノロジーやシステムの改善を行うとともに、悪者たちと戦うチームのプロダクト マネージャー、エンジニア、ポリシー エキスパート、オペレーション リーダーを大幅に増員しています。
2018 年は、新たな傾向の不正行為からユーザーを守るための新しいポリシーを導入したり、悪意のあるデベロッパーをすばやく検知して削除したり、Google Play ストアに入り込もうとする悪意のあるアプリを今まで以上に防いだりしてきました。アプリの提出を拒否した数は 55% 以上、公開を停止したアプリは 66% 以上増加しました。ここまで数が増えたのは、ポリシーを厳格にして Play ストアで有害なアプリの数を減らしたり、悪質なアプリを特定して取り締まるうえで重要になる自動保護や人間によるレビュー プロセスに力を入れたりしてきたためでしょう。
悪質なアプリを特定して Play ストアに入り込まないようにしているだけではありません。ユーザーの端末で毎日 500 億以上のアプリをスキャンしている
Google Play プロテクト
システムは、端末にインストールされたアプリによる有害な動作を防いでいます。このような保護のおかげで、Google Play のアプリがユーザーの端末で有害な動作をする可能性は、その他のソースの Android アプリに比べて 8 分の 1 に留まっています。
以下では、昨年から力を入れ、2019 年にも優先的に対応する予定となっているいくつかの領域について説明します。
ユーザーのプライバシー保護
ユーザーのデータとプライバシーを守ることは、ユーザーの信頼を得る上で非常に重要です。私たちは従来より、アプリの機能に必要なものに限って端末のパーミッション リクエストを行うよう、デベロッパーに求めています。また、データがどのように使われるかをユーザーに理解してもらうため、プライベートなユーザーデータの収集や利用についてはっきりと開示することも求めています。昨年は、ユーザーデータやプライバシーに関する Play のポリシーに準拠していない数万個のアプリを拒否または削除しています。
2018 年 10 月には、SMS と通話履歴のパーミッションの利用を一部の場合(通話やテキスト メッセージ送信のデフォルト アプリとして選択されている場合など)に限るという新しいポリシーを
発表しました
。先日より、このポリシーに違反しているアプリを Google Play から削除する作業を始めています。2019 年には、端末のパフォーマンスやユーザーデータに関する別のポリシーも導入したいと考えています。
デベロッパーの健全性
重大なポリシー違反の 80% 以上は、常習犯や悪質なデベロッパー ネットワークによるものであることがわかっています。悪意のあるデベロッパーを追放しても、多くの場合、新しいアカウントを作ったり、ブラック マーケットでデベロッパー アカウントを購入したりして、Google Play に戻ってきます。そこで、クラスタリングやアカウント マッチングのテクノロジーをさらに強化しつつ、こういったテクノロジーと人間のレビューアーの専門知識を組み合わせることにより、悪質なデベロッパー ネットワークのアプリをブロックし、そもそもそういったアプリが公開されないようにしています。そのため、悪質なアプリはさらにインストールされにくくなっています。
有害なアプリのコンテンツと動作
昨年の
ブログ投稿
でも触れたように、私たちはたくさんの偽装アプリや不適切なコンテンツを持つアプリ、
有害な可能性があるアプリ
(PHA)と戦っています。こういった種類のアプリとの戦いはこれからも続きますが、高度な機械学習モデルを適用して疑わしいアプリを見つけるだけでなく、静的解析や動的解析を行ったり、ユーザー エンゲージメントやフィードバックのデータをうまく活用したり、熟練した人間によるレビューを利用したりもしています。これらはいずれも、たくさんの悪質なアプリを高い精度で効率よく見つけることに貢献しています。
私たちは、悪質なアプリに対抗するために保護レイヤーの強化や追加を行っています。しかし、悪者たちが戦略を変え、悪質な動作を隠すことでこのシステムの目を欺こうとしていることも把握しています。このような悪意のある行動に対抗するために、これからも機能の強化を続けます。そして、安全で安心できるアプリストアをユーザーに提供できるように、懸命に努力を重ねてまいります。
Reviewed by
Yuichi Araki - Developer Relations Team
Google Play の新しい機能を使った定期購入の拡大と最適化
2018年8月1日水曜日
この記事は Google Play プロダクト マネージャー、Larry Yang、Angela Ying による Android Developers Blog の記事 "
Grow and optimize your subscriptions with new Google Play features
" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Google Play の定期購入は引き続き
大幅に拡大
しており、定期購入者は前年比で 80% 以上増加しています。
I/O 2018
では、定期購入の障壁を下げるためのいくつかのユーザー エクスペリエンスの改善や、自在なビジネス運営を実現できるツール群について発表しました。
定期購入者にとってさらに管理しやすく
定期購入によってたくさんの価値がもたらされます。しかし、私たちが行った調査から、キャンセルできずに定期購入から「抜け出せなくなる」ことに対する恐怖や、どのくらいの額を使っているかわからなくなるという不安が、ユーザーにとってアプリの定期購入を躊躇させる要因になっていることがわかりました。この恐怖に対処するため、ユーザーが Google Play の定期購入を一元的に管理できる新しい
定期購入センター
を先日リリースしました。
ユーザーは、この定期購入センターから以下のことができます。
すべての定期購入の詳細やステータスを見る
バックアップとなる支払い方法の設定を含む、支払い方法を管理および更新する
定期購入を更新する
キャンセルした定期購入を再開する
定期購入をキャンセルする
さらに、キャンセル理由をデベロッパーにフィードバックするため、ユーザーが定期購入をキャンセルした際に、
キャンセル時アンケート
が表示されるようになりました。今のところ、キャンセル時アンケートのデータは、
サーバーサイド API に対してクエリを実行する
ことで確認できます。
新しいサブスクリプション センターには、空の状態で [Get Started] リンクが表示されるので、ユーザーはローカライズされた選りすぐりの定期購入アプリを見つけることができます。
定期購入センターのリリースに合わせて、新しい
ディープリンク
もリリースしています。これを使うと、ユーザーはアプリ、メール、ウェブから直接定期購入の管理画面を開くことができます。これを実装するには、パッケージ名と SKU を使ってディープリンクを作成し、ボタンやリンクとしてアプリの好きな場所に追加します。詳細については、
Android のデベロッパー向けウェブサイト
をご覧ください。
デベロッパーのできることが増加
ユーザーのエクスペリエンス向上に加えて、デベロッパーの皆さんの
ビジネス運営の柔軟性向上
に役立つ新しいツール群もリリースしています。特に多くのリクエストが寄せられている機能に、価格の変更があります。近日中に、Google Play Console で簡単な操作をするだけで、価格の変更を受け入れるかどうかをユーザーに尋ねることができるようになります。まったく新しい SKU を設定する必要はありません。ユーザーには、Google Play からメール、プッシュ通知、アプリ内メッセージングで変更が通知されます。ユーザーが更新日までに同意しない場合、定期購入がキャンセルされます。この機能の早期アクセス プログラムへの参加を希望する方は、
こちらからお申し込みください
。
その他にも、定期購入関連のビジネス運営に役立つ次の機能が I/O でリリースされました。
ユーザーの有効期限を変えずに定期購入をアップグレードする
Play Console から一部払い戻しを行う
最新のものだけでなく、特定の定期購入の更新の払い戻しを行う
サーバーサイド API で注文 ID を使用する
Google Play Developer API と合わせて
Refund API
を使用する
これは、今年既に発表された、
テスト用の更新間隔の短縮
と
柔軟なお試し価格の設定
に続く改善です。
これらすべての機能を簡単に実装するには、I/Oで
バージョン 1.1
がリリースされた
Google Play Billing Library
を使います。この課金ライブラリは、AIDL ファイルの上位にあたる抽象化レイヤーです。ビルド依存関係ファイルをアップデートして次にアプリをコンパイルするタイミングで、API のアップデートが自動的に取得されます。価格の変更と、有効期限を変えないアップグレードおよびダウングレードは、この課金ライブラリでのみ利用できます。この点は、今後のリリースでも変わらない予定です。
すべての人にメリットを
すばらしいユーザー エクスペリエンスを構築することが、高品質の定期購入者ベースを作ることにつながると、私たちは強く信じています。この目的のため、ビジネスの運営を改善するツールやインサイトを提供いたします。それを活用すれば、ビジネスやお客様にとって最適なことを実現する柔軟性を手にすることができるでしょう。
Reviewed by
Hak Matsuda - Developer Relations Team
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