この記事は Maru Ahues Bouza による Android Developers Blog の記事 " Beta 1 Update for 12L feature drop! " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
昨年 10 月の Android Dev Summit では、タブレット、折りたたみ式、Chromebook などの大画面デバイスが成長を続けていることをお知らせしました。こういったデバイスで、新しい Jetpack API やツール、ガイドを通して優れたアプリ エクスペリエンスを構築しやすくする取り組みについてもお話ししました。さらに、大画面向けに構築された Android 12 のフィーチャー ドロップである 12L のデベロッパー プレビューについても紹介しました。
12L では、大画面向けのシステム UI を最適化して磨きをかけ、マルチタスクをさらに強力で直感的なものにし、何もしなくても見栄えのよいアプリになるように互換性サポートを改善しています。12L には、いくつかのデベロッパー向け新 API が含まれています。たとえば、空間オーディオやドラッグ&ドロップ関連のユーザー補助の改善などです。
12L の最初のベータ版は昨年 12 月にリリースしました。このフィーチャー ドロップは、今年初めに公開する予定です。皆さんのアプリを対応させるうえで、テストやフィードバックにご利用ください。Android Studio で Android エミュレータを設定すると、新しい大画面機能を試すことができます。12L はスマートフォンにも対応しています。こちらから登録すると、サポート対象の Pixel デバイスに 12L のベータ版 1 をインストールできます。Android 12 ベータ プログラムに引き続き登録している方は、自動的に 12L のアップデートを取得します。Lenovo との連携により、12L は Lenovo Tab P12 Pro タブレットでも試すことができます。利用可能なビルドやサポートに関する詳細は、Lenovo のサイト(英語) をご覧ください。
ベータ版 1 ビルドには、機能やユーザー エクスペリエンスの改善に加え、最新のバグの修正、最適化、2021 年 12 月のセキュリティ パッチが含まれています。デベロッパー向けの機能としては、すでに API は確定しているので、ベータ版 1 には正式版の 12L API(API レベル 32)、アップデートされたビルドツール、テスト用のシステム イメージが含まれています。つまり、アプリで 12L の機能をテストするために必要なものがすべてそろいます。
12L では、通知、クイック設定、ロック画面、概要、ホーム画面など、大画面デバイスの UI を洗練させることに集中的に取り組んでいます。たとえば、600dp 以上の画面では、スペースを有効活用するため、通知シェードやロック画面などのシステム領域で新しい 2 列レイアウトを利用します。
2 列レイアウトでは表示内容が多くなり使いやすさが向上
マルチタスクもさらに強力で直感的なものに進化しています。12L には、大画面用の新しいタスクバーが含まれており、ユーザーは即座にお気に入りのアプリに切り替えたり、ドラッグ&ドロップして分割画面モードに切り替えたりすることができます。なお、Android 12 以降では、アプリがサイズ変更可能かどうかに関係なく、どんなアプリでも分割画面モードで起動できます。分割画面モードでアプリをテストすることを忘れないようにしましょう。
アプリをドラッグ&ドロップして分割画面モードに
さらに、互換性モードの外観と安定性を改善し、レターボックス表示の際のユーザー エクスペリエンスを向上させるとともに、デフォルトでアプリの見栄えがよくなるようにしています。アプリで大画面向けの最適化が済んでいない場合でも、新しいレターボックス表示のテストは行うようにしてください。
大画面向けにアプリを最適化する際に、優れたユーザー エクスペリエンスを簡単に実現できる最新の API やツールをいくつか用意します。
以上の機能の詳しい内容や、その他の API やツールについては、大画面デベロッパー リソースをご覧ください。
12L フィーチャー ドロップは今年始めにデバイスに配信される予定なので、今がアプリを大画面向けに最適化する絶好の機会です。デベロッパーの皆さんには、さまざまなサイズのウィンドウの分割画面モードで、アプリの動作を確認しておくことを強くおすすめします。まだアプリを最適化していない方は、さまざまな画面の向きでどのように表示されるかを確認し、必要に応じて新しい互換性モード関連の変更点を試してみてください。
大画面機能を試してみる一番簡単な方法は、折りたたみ式またはタブレットの設定で Android Emulator を使うことです。こちらにすべての設定手順が記載されているので、ご覧ください。
大画面デバイスに 12L を書き込むこともできるようになっています。Lenovo との連携により、Lenovo Tab P12 Pro でも 12L のプレビュー ビルドを試すことができます。現時点で、Lenovo はデベロッパー プレビュー 1 ビルドを提供しています。今後数週間のうちにアップデートが公開される予定です。利用可能なビルドやサポートなど、完全な情報は Lenovo の 12L プレビュー サイト (英語) をご覧ください。
12L はスマートフォンにも適用されます。小さな画面では大画面機能を確認できませんが、ぜひこのフィーチャー ドロップによる最新の改善点をお試しいただければと思います。サポート対象の Pixel デバイスをこちらから登録すると、最新の 12L ベータ版アップデートを OTA (無線)で受け取ることができます。Android 12 ベータ プログラムに引き続き登録している方は、自動的に 12L アップデートを受け取ります。
12L の詳細やリリース スケジュールは、12L デベロッパー サイトをご覧ください。問題点やリクエストはこちらから報告できます。いつものように、皆さんのフィードバックをお待ちしています!
Reviewed by Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play
この記事は Marcel Pintó Biescas による Android Developers Blog の記事 " Announcing Jetpack Glance Alpha for app widgets " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Android 12 では、多くの Android ユーザーにとって重要な機能であるアプリ ウィジェットを刷新し、より便利で美しく、そして見つけやすくしています(84% のユーザーが少なくとも 1 つのウィジェットを使っています)。先日、アプリ ウィジェットの構築をさらに容易にするために、Jetpack Glance の最初のアルファ版をリリースしました。Jetpack Glance は、Jetpack Compose のランタイムをベースに作られた新たなフレームワークで、ホーム画面などで利用できるアプリ ウィジェットをすばやく簡単に構築できるように設計されています。
ぜひ試してみて、フィードバックをお寄せください。
Glance は、Jetpack Compose と同じように最新の宣言型 Kotlin API を提供し、美しくレスポンシブなアプリ ウィジェットを少ないコードで実現します。
Glance の “Hello World” ウィジェット サンプル
class GreetingsWidget(private val name: String): GlanceAppWidget() { @Composable override fun Content() { Text(text = "Hello $name") }} class GreetingsWidgetReceiver : GlanceAppWidgetReceiver() { override val glanceAppWidget = GreetingsWidget("Glance")}
class GreetingsWidget(private val name: String): GlanceAppWidget() {
@Composable
override fun Content() {
Text(text = "Hello $name")
}
class GreetingsWidgetReceiver : GlanceAppWidgetReceiver() {
override val glanceAppWidget = GreetingsWidget("Glance")
Glance は、“Glanceables” (一目で把握できる)な操作を作成する Composable の基本セットを提供します。今回はまず、アプリ ウィジェットのコンポーネントを提供しますが、今後さらに追加する予定です。Glance は、Jetpack Compose ランタイムを使って Composable (英語) を実際の RemoteView (英語) に変換し、それをアプリ ウィジェットに表示します。
図: Glance の構造
つまり、Glance を使うには Compose を有効にする必要があります。ランタイム、グラフィック、ユニット UI の各 Compose レイヤーを使用しますが、Jetpack Compose の他の既存の UI 要素を直接使うことはできません。ただし、アプリの状態などのロジックは、Glanceables UI を作成する際に共有できます。
今回の初回リリースでは、アプリ ウィジェットを構築するためのメイン API を導入します。また、既存の RemoteView との相互運用性が提供されます。
以下に、このライブラリが提供する内容の概要をまとめます。
GlanceAppWidget
GlanceAppWidgetReceiver
Box
Row
Column
Text
Button
LazyColumn
Image
Spacer
GlanceModifier
Action
actionStartActivity
actionRunCallback
actionStartService
actionStartBroadcastReceiver
ActionParameters
SizeMode.Single
SizeMode.Exact
SizeMode.Responsive
GlanceStateDefinition
GlanceAppWidget state
LocalContext
LocalState
LocalGlanceId
LocalSize
RemoteViews
AndroidRemoteViews
現在は、デフォルト テーマや Android Studio サポートの強化など、さらなる機能の追加作業を進めています。今後の新規リリースにご期待ください。
注: minSDK は 21 ですが、現在は SDK v23 までの互換性しかサポートしていません。
クイックスタートとして、GitHub のサンプルをご覧ください。Glance は最新の安定版 Android Studio (英語) で動作しますが、Compose のランタイムを使っているので、まず Jetpack Compose ドキュメントの手順に従ってセットアップを行ってください。
また、さらに詳しい説明を見たい方は、AndroidX リポジトリのデモをご覧ください。
ResponsiveAppWidget.kt デモ
アルファ版は API に皆さんの要望を反映させるチャンスなので、フィードバックを通して感想をお寄せください。
ぜひ Glance と Compose を使ってみてください!