12 月 16 日に、DevFest Tokyo と Google の共催で「DevFest & Android Dev Summit Japan 2022」を開催します。
本イベントでは、10 月 25 日 (日本時間) に米国にて開始した Android Dev Summit (ADS) 2022 から「最先端の Android 開発 (MAD) 」「フォームファクター」「プラットフォーム」の 3 つの重要テーマに沿って、日本のデベロッパー向けに最新情報コンテンツをお届けします。
ADS の発表内容について、より理解を深めていただきやすいように Google 社員による振り返りや Q&A セッションをご用意しました。また国内のコンテンツや事例も多くご用意しており、 Google Developer Expert (GDE) によるビギナー向け Jetpack Compose の導入に関するセッションや Jetpack Compose を導入された株式会社メルカリ様や株式会社おいしい健康様、利用が拡大している大画面デバイス向けの UI 構築を実施された株式会社 U-NEXT 様にご登壇いただき、導入の背景や製品開発の経緯、導入後の率直な感想についてお話しいただきます。
一部のセッションをオンラインでも配信するのと同時に、ご希望に合わせて Google 東京オフィスの会場にご招待できるよう準備しています。会場では、タブレット、ウェアラブル、Chromebook、TV などのハードウェア端末を触って、アプリを体験できるデモブースや Google の技術担当社員と交流する機会を設けております。
また今回は DevFest イベントと共済になっており、 Android 以外にもウェブ、 Flutter や Firebase などのマルチプラットフォーム技術、機械学習などデベロッパー向けの幅広いコンテンツをご用意しておりますので、ご自身の興味・関心に合ったセッションにご参加ください。
オフライン (東京会場) 登録はこちら
*オフライン (東京会場) のご登録はイベントへの参加を確定するものではございません。参加が確定された方には、12 月初めまでに参加確定のご案内をお送りいたします。
オンライン視聴登録はこちら
皆さまのご参加をお待ちしております。
Posted by Mari Kawanishi - Developer Marketing Manager, Google Play
この記事は Matthew McCullough による Android Developers Blog の記事 " What’s new from Android, at Android Dev Summit ‘22 " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
アメリカのベイエリアで Android Dev Summit (英語) が始まりました。そこでは、皆さんが最新の Android 開発を活用して、ユーザー向けのすばらしい体験を構築するたくさんの方法を紹介しました。最新の Android 開発は、リストサイズからタブレットや折りたたみ式の大画面まで、Android が提供するさまざまな画面サイズのデバイスでアプリの拡張を支援しています。
ここでは、内容をまとめて紹介します。基調講演全編 (動画/英語) も忘れずにご覧ください!
Android Dev Summit ‘22 基調講演
* 日本語字幕は、YouTube の字幕機能から日本語を選択してください
最新の Android 開発、略して MAD (Modern Android Development) と呼んでいる一連のライブラリ、ツール、サービス、ガイドを導入したのは数年前のことでした。Android Studio、Kotlin、Jetpack ライブラリ、そして強力な Google & Play 開発者サービスで私たちが目指しているのは、あらゆる Android デバイスに対応した高品質なアプリを速く簡単に開発できるようにすることです。
何年か前には、美しく高度な UI を作れるように Jetpack Compose を導入しました。これは、新しい Android アプリの推奨 UI フレームワークになっています。
また、安定版の Compose ライブラリを指定した Gradle 部品構成表 (BOM) を導入しています。最初の BOM リリースとなる 22 年 10 月版 Compose (英語) には、マテリアル デザイン 3 コンポーネント、Lazy スタッガード グリッド、可変フォント、プルリフレッシュ、遅延リストのスナップ、キャンバスでのテキスト描画、テキストの URL アノテーション、ハイフネーション、LookAheadLayout が含まれています。Lyft のチームは、Compose を使うことで大きなメリットを実現し、「今では、すべての新機能のコードの 90% 以上を Compose で開発しています」 (英語) と話しています。
私たちは、Android のデバイス エコシステム全体を活用してもらうために Compose を役立てたいと考えています。Compose for Wear OS は、数週間前に 1.0 の安定版リリースに到達し、Wear OS での推奨の UI 開発方法になりました。2022 年 10 月 24 日は、さらにこの流れを拡大するため、Compose for Android TV の最初のアルファ版をリリースしました。フィーチャー カルーセルやイマーシブ リストなどのコンポーネントはすでに利用でき、近日中にさらに多くのコンポーネントが追加される予定です。Android を学習している方や新しいアプリを作ろうとしている方には、Jetpack Compose がお勧めです!
最新の Android 開発を実現しているのが、Android Studio (英語) です。公式 IDE である Android Studio には、あらゆる種類の Android デバイスに対応したアプリを開発するための強力なツールが搭載されています。22年 10 月版 Compose では、皆さんが試すことができるたくさんの新機能をリリースしています。デフォルトが Compose でマテリアル 3 を採用している更新版テンプレート、デフォルトでの Compose ライブ編集の有効化、コンポジションのトレース、Android SDK アップグレード アシスタント、App Quality Insights の改善などです。すべての機能は、Android Studio Flamingo の最新プレビュー版をダウンロード (英語) して試すことができます。ぜひ、フィードバックをお送りください。
今、ユーザーが注目しているのは、最も小さく身近なデバイス、つまりスマートウォッチです。昨年には、Samsung との合同プラットフォーム Wear OS を発表しました。そして今年は、Samsung Galaxy Watch 5 や Google Pixel Watch といったすばらしい新デバイスが登場したことで、デバイスのアクティベーション数が 3 倍になっています。Wear OS アプリの開発を速く簡単にする Compose for Wear OS は、この夏に 1.0 になり (英語)、Wear OS アプリで推奨の UI 開発方法になっています。20 を超えるウェアラブル専用 UI コンポーネントがデザインされており、マテリアル テーマやユーザー補助機能も組み込まれています。
2022 年 10 月 24 日に、Android Studio の Wear OS 向けテンプレートと、Wear OS の安定版 Android R エミュレータ システム イメージが更新されたことをお知らせします。
ウェアラブルからはパーソナライズされたデータが得られるので、データを公開せず、完全に安全な状態に保つことが重要です。そこで、それを簡単に実現するソリューションとして、ヘルスコネクトに取り組んできました。健康データを格納して共有する API は、Samsung と密接に連携して開発しました。ユーザーはこの 1 か所のみで、簡単にパーミッションを管理できます。
Wear OS に注力しているデベロッパーは、大きな成果を挙げています。Todoist は、アプリを Wear 3 向けに再構築して、インストールの増加率が 50% 上昇しました。また、Outdooractive は Compose for Wear OS を使って開発時間を 30% 短縮しました。他にはない魅力的な体験を Wear OS ユーザーに届けるなら、今が狙い目です!
* 日本語字幕は、YouTube の自動字幕機能から日本語を選択してください
以前もお知らせしたように、Google は全力を挙げてタブレット、折りたたみ式、ChromeOS に注力しています。Samsung Galaxy Z Fold4、Lenovo P12 Tab Pro、今後発売予定の Google の Pixel Tablet など、すばらしい新ハードウェアが登場する今こそ、アプリを見直して大画面に対応する絶好のチャンスです。私たちは、Android のアップデート、Google アプリの改善や Google Play ストアの変更といった作業に懸命に取り組んでおり、タブレットに最適なアプリを見つけやすくしています。
Android Studio Electric Eel では、サイズ変更可能なエミュレータとデスクトップ エミュレータ、どんなサイズの画面でもベスト プラクティスに従えるようにするためのビジュアル lint チェックなどを通して、これまでになく簡単にアプリを大画面でテストできるようにしています。
さらに、こういったデバイス向けのデザインやレイアウトのガイドを増やしてほしいという声も寄せられていることから、2022 年 10月 24日、developer.android.com を縦断した (英語) 新しいアプリ レイアウト ガイドと、正規レイアウト (英語) 向けのデベロッパー ガイドとサンプルを追加しました。
大画面機能に対応すると、アプリのエンゲージメントが向上します。たとえば Concepts (英語) の場合、描画機能や図形ガイドなどの優れたタッチペン操作を ChromeOS とタッチペン デバイスで実現したことで、タブレットでの使用がスマートフォンに比べて 70% 高くなりました。
Android Studio や Window Manager Jetpack などの改善に関する最新情報は、11 月 9 日にライブ中継されるフォーム ファクタ トラック (英語) をご覧ください。
成功につながるプラットフォームの中心となるのはオペレーティング システムです。そして、8 月にリリースされた Android 13 では、パーソナライズ、プライバシー、セキュリティ、接続性、メディアなど、プラットフォームの実にさまざまな面で機能強化が行われています。
たとえば、アプリ別の言語設定では、多言語ユーザーの操作が改善され、状況に応じてデバイスの言語を使い分けられるようになります。
パーミッションが不要な新しい写真選択ツールでは、ユーザーが写真や動画を閲覧して選択できますが、ユーザーが明示的にアプリと共有することを選んだものだけが対象になります。これは、Android がプライバシーを重視していることを示す好例です。
また、新しい API レベルをターゲットにしやすくするため、最新の Android Studio Flamingo のプレビュー版に Android SDK アップグレード アシスタント ツールを導入しています。特に重要な変更点について、手順が細かく記載されたドキュメントが提供されるので、アプリのターゲット SDK をアップデートする際に参考にできます。
ここで紹介したのは、ほんの一例に過ぎません。私たちは、Android が提供する最新機能 (英語) を活用できるようにしつつ、プラットフォームの変更にアプリを対応する作業をこれまで以上に簡単にしています。
プラットフォームについて知っておきたい 3 つのこと
Android Dev Summit の初日に基調講演を行い、最新の Android 開発に関する最初のトラック (英語) が始まりましたが、今後もまだまだ続きます。11 月 9 日には、次のトラック:フォーム ファクタ (英語) がライブストリームされるので、お楽しみに。最後のテクニカル トラックはプラットフォーム (英語) についてで、11 月 14 日にライブストリームされます。
どうしても聞いてみたい質問がある方は、#AskAndroid を使ってツイートしてください。毎回のトラックのライブストリームの最後には、ライブ Q&A でチームが皆さんの質問に回答しますので、ぜひご覧ください。
大変うれしいことに、今年は世界中のデベロッパーの皆さんと直接お会いできる機会があります。本日のベイエリアはその初回です。11 月 9 日には、Android Dev Summit をロンドンからお届けします。お楽しみは 12 月のアジアまで、各地で続きます。12 月 16 日には DevFest & Android Dev Summit Japan 2022 が東京で(詳細は後日)、12 月中旬にはバンガロールで行われます(参加希望はこちら (英語) から登録できます)。
Android をより良いプラットフォームにするためには、オンラインで参加する方も世界各地の会場に直接お越しになる方も含め、デベロッパーの皆さんのフィードバックが必要です。皆さんと一緒に優れたアプリを開発し、Android が提供するさまざまなデバイスでユーザーを喜ばせる機会をいただけたことに感謝します。どうぞ 2022 Android Dev Summit をお楽しみください!
この記事は Dave Burke による Android Developers Blog の記事 " 12L and new Android APIs and tools for large screens " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
タブレット、折りたたみ式デバイス、ChromeOS デバイスを合わせると、2 億 5000 万台を超える大画面デバイスが Android を実行しています。ここ 12 か月だけでも、1 億台近くの新しい Android タブレットがアクティベートされました。これは前年比 20% の増加です。現在最も成長が著しいデスクトップ プラットフォームである ChromeOS は、92% の増加率となっていますが、さらに、折りたたみ式デバイスも急増中で、前年比 265% 以上の成長を遂げています。すべて合わせれば、Android が動作しているアクティブな大画面デバイスは 2 億 5000 万台を超えます。その勢いを受けて、このようなデバイスで動作している Android を、ユーザーにとってもデベロッパーにとってもよりよい OS にするために、私たちは努力を続けています。
そこで 2021 年 10 月 27 日 (日本時間:10 月 28 日) の Android Dev Summit (英語、動画は日本語字幕あり) では、大画面に特化した Android 12 のフィーチャー ドロップについてお知らせしました。私たちはこれを 12L と呼んでいます。併せて、大画面向けの開発を容易にするための新 API や新ツール、ガイダンスも準備しています。さらに、Google Play で行っている変更についてもお話ししました。これにより、ユーザーは大画面に最適化されたアプリをこれまで以上に簡単に見つけられるようになります。ここでは、Android の大画面向け新機能について紹介しますので、ぜひお読みください。
先月、12L のデベロッパー プレビュー を提供しました。これは今後公開する予定のフィーチャー ドロップで、Android 12 を大画面でさらに快適に使えるようにするものです。このプレビューを使って、大画面関連の新機能を試したり、自分のアプリを最適化したり、フィードバックの送信が可能です。
12L では、通知、クイック設定、ロック画面、概要、ホーム画面など、大画面向けの UI 全般を改善しました。たとえば、画面領域を有効活用するため、600dp を超える画面では、通知シェードやロック画面、その他のシステム表示を新しい 2 列レイアウトで表示します。システムアプリも最適化されます。
2 列レイアウトによって表示できる内容が増加し、さらに使いやすいものに
また、マルチタスクをこれまで以上に強力で直感的なものにしました。12L では大画面で新しいタスクバーが搭載されるので、ユーザーはすぐにお気に入りのアプリに切り替えることができます。このタスクバーのおかげで、分割画面モードもこれまで以上にわかりやすくなり、タスクバーからドラッグ&ドロップするだけで、アプリを分割画面モードで実行できるようになります。また、Android 12 以降で分割画面モードの操作性を向上させるため、アプリがサイズ変更可能かどうかにかかわらず、すべてのアプリを自動的に分割画面モードに対応させます。
アプリをドラッグ&ドロップして分割画面モードで実行
さらに、互換性モードを改善して見た目と安定性を向上させ、レターボックス表示の快適さを向上させたほか、アプリのデフォルトでの外観も改善しました。レターボックス表示は、デバイス メーカーが簡単にカスタマイズできるようになっているので、カスタムの色や処理を設定したり、はめ込むウィンドウの位置を調整したり、カスタムの角丸を適用したりできるようになっています。
Android 12 のタブレットや折りたたみ式デバイスが次にまとまって登場するタイミングに間に合うように、12L のフィーチャー ドロップは来年の早い時期にリリースする計画です。以上のような機能を大画面デバイスに導入するため、私たちは既に OEM パートナーと協力して作業を進めています。近日中に 12L のデベロッパー プレビューが Lenovo P12 Pro (日本未発表) に搭載される予定なので、ご期待ください。数か月後には、この機能がデバイスに配信されます。今から大画面向けに最適化したアプリの準備を入念にしておきましょう。
デベロッパーの皆さんには、さまざまなサイズのウィンドウの分割画面モードでアプリがどのように動作するかを確かめておくことを強くお勧めします。まだアプリを最適化していない方は、画面の向きを変えたときにどう見えるかを確認し、新しい互換性モードの変更が適用される場合はそれを試してみましょう。12L には、大画面向け機能のほかにも、いくつかのデベロッパー向けの新 API や、新しい API レベルが含まれています。アプリに互換性を破る変更が起こらないように注意しているので、アプリのターゲットを 12L にしなくても Google Play 要件を満たすことができます。
12L を使ってみたい方は、Android Studio の最新プレビュー リリースから、12L Android Emulator のシステム イメージやツールをダウンロードしてください。機能と変更点を確認してアプリをテストする領域を判断し、プレビューの概要でスケジュールやリリースの詳細をご確認ください。問題やリクエストはこちらから報告できます。そしていつものように、フィードバックは大歓迎です。
12L はスマートフォンでも利用できますが、ほとんどの新機能は小さな画面では確認できません。現在、私たちはタブレット、折りたたみ式デバイス、ChromeOS デバイスに重点的に対応しています。今後のプレビューでは、Pixel デバイス向けに Android ベータ版への登録をオープンする予定です。詳しくは、developer.android.com/12L をご覧ください。
どんな画面にも適応する完全にアダプティブなアプリを作り始める時です。そして、それを今まで以上に簡単に実現できるようにしています。OS や Play でアプリの変更に対応できるように、デベロッパー プレビューと併せて API やツール、ガイダンスのアップデートを公開します。
アダプティブ UI をサポートするための第一歩は、小さな画面と大きな画面の両方でうまく動作するアプリを設計することです。私たちは、アプリの UI をあらゆる画面サイズに対応させる際に役立ててもらうため、新しいマテリアル デザインのガイダンス (英語) の作成を進めてきました。このガイダンスは、エコシステムでよく使われている一般的なレイアウト パターンをカバーしているので、さまざまなアイデアが得られるだけでなく、作業を加速することにもつながるはずです。
マテリアル デザインのガイドライン、アダプティブ UI パターン
最高のナビゲーション エクスペリエンスをユーザーに提供するには、ユーザーが使うデバイスのウィンドウ サイズ クラスに合わせたナビゲーション UI を提供する必要があります。私たちが推奨するナビゲーション パターンには、コンパクトな画面(compact)ではナビゲーション バー (英語) を使う、中程度(medium)以上の画面幅(600dp 以上)のデバイスクラスではナビゲーション レール (英語) を使う、などがあります。新たに公開したマテリアル デザインのガイダンス (英語) には、広い画面幅(expanded)のデバイス向けに、いくつかの大画面レイアウトのアイデアが掲載されています。たとえば、SlidingPaneLayout を使って実装できるリスト / 詳細構造などです。ガイダンスを参照して、ビューと Compose でアダプティブ UI 向けのナビゲーションを実装する方法をご確認ください。
フラグメントを使っている既存アプリに大画面に最適なレイアウトを適用する場合、ナビゲーション パターンを更新して SlidingPaneLayout を使うのはすばらしい方法です。しかし、多くの皆さんが複数のアクティビティに基づいたアプリを作っていることは承知しています。そういったアプリでは、Jetpack WindowManager 1.0 ベータ版 03 で新しくリリースしたアクティビティ埋め込み API を使うと、TwoPane ビューなどの新しい UI パラダイムに簡単に対応できます。現在、SlidingPaneLayout をアップデートしてこの API をサポートする作業を進めています。今後数か月間のアップデートに注目してください。
Jetpack Compose を使うと、大画面や多様なレイアウトを対象にした開発が楽になります。Compose の採用を始めているなら、大画面向けの最適化を行う絶好のチャンスです。
Compose は宣言型 UI ツールキットです。すべての UI をコードで記述するので、UI が利用できるサイズにどう適応すべきかを実行時に判断するのは簡単です。Compose がアダプティブ UI の開発に特に向いているのはそのためで、画面サイズやコンポーネントの違いによる UI の変更にとても簡単に対処できます。Compose でアダプティブ レイアウトを構築するためのガイドでは、知っておくべき基本的な事項について説明しています。
Jetpack WindowManager ライブラリを使うと、下位互換性のある形でアプリのウィンドウを操作し、すべてのデバイスを対象としたレスポンシブな UI を開発できます。新機能は以下のとおりです。
アクティビティを埋め込むと、たとえばリスト / 詳細パターンなど、複数のアクティビティを一度に表示することで、大画面で利用できるようになる広い表示領域を有効活用できます。その際、アプリのリファクタリングはほとんど、あるいはまったく必要ありません。並べるか重ねるかなど、アプリにどのようにアクティビティを表示するかは、皆さんが決定します。具体的には、XML 構成ファイルを作成するか、Jetpack WindowManager API を呼び出します。あとはシステムが対応して、作成した構成に基づいて表示方法を決めてくれます。
アクティビティの埋め込みは、折りたたみ式デバイスでもシームレスに動作します。デバイスを折りたたんだり広げたりすると、それに応じてアクティビティが重なったり並んだりします。アプリで複数のアクティビティを使っている方は、アクティビティの埋め込みを使って大画面デバイスでのユーザー エクスペリエンスを向上させることができます。アクティビティ埋め込み API は、Jetpack WindowManager 1.0 ベータ版 03 以降のリリースで試すことができます。詳しくはこちらをご覧ください。
Jetpack WindowManager でアクティビティを埋め込む
ウィンドウ サイズ クラスは、綿密に検討されたビューポートの一連のブレークポイントで、サイズ変更可能なアプリでのレイアウトの設計、開発、テストに利用できます。ウィンドウ サイズ クラスのブレークポイントは、compact(コンパクト)、medium(中程度)、expanded(広い)の 3 つのカテゴリに分かれています。これらは、エコシステムのデバイスの大部分を表しつつ、レイアウトのシンプルさと特異なユースケースにアプリを最適化できる柔軟性との間でバランスをとるように設計されています。WindowSizeClass API は、近日中に Jetpack WindowManager 1.1 で公開される予定です。これにより、レスポンシブ UI の構築がさらに簡単になります。詳しくはこちらをご覧ください。
Jetpack WindowManager のウィンドウ サイズ クラス
WindowManager では、折り目やヒンジなど、さまざまなウィンドウ形状に対応した一般的な API サーフェスも提供されます。折りたたみ対応のアプリでは、折り目やヒンジの部分を避けてウィンドウのコンテンツを表示したり、折り目やヒンジの部分を自然なセパレータとしてうまく活用したりできます。アプリを折りたたみ対応にする方法は、こちらのガイドをご覧ください。
Android アプリは、あらゆるデバイス、そしてあらゆるカテゴリに適応できるように構築すべきです。そこで、Android Studio 全体を対象として、UI やレイアウトの設計、開発、テストを行うたくさんのツールに、リファレンス デバイスを導入します。リファレンス デバイスは 4 つあり、それぞれスマートフォン、大型折りたたみ式デバイスの内側ディスプレイ、タブレット、デスクトップを表します。マーケットのデータを分析して設計したもので、人気のデバイスや急成長中のセグメントを表しています。また、リファレンス デバイスを規定したことで、新しい WindowSizeClass のブレークポイントを使ってアプリがさまざまなよくあるブレークポイントの組み合わせに対応して動作することを確認できるようになります。そのため、アプリができる限り多くのユースケースをカバーすることを保証できます。
リファレンス デバイスの定義
大画面向け UI の対応を始める際に、どこから手を付けてよいかわからない方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、まず新しいツールを使って、大画面デバイスで起こりうる問題を確認しましょう。Android Studio Chipmunk では、レイアウト検証によって先回りで UI について警告や提案を行ってくれる新しいビジュアル lint チェックツールを開発しています。どのリファレンス デバイスが影響を受けるかもわかるようになっています。
リファレンス デバイスの各クラスが表示されたレイアウト検証ツール
ランタイムでアプリをテストする場合、Android Studio Chipmunk (英語) に搭載されているサイズ変更可能な新しいエミュレータ構成を使うことができます。サイズ変更可能なエミュレータを使うと、4 つのリファレンス デバイス(スマートフォン、折りたたみ式、タブレット、デスクトップ)をすばやく切り替えることができます。これにより、設計時にレイアウトを検証したり、ランタイムで動作をテストしたりする操作が簡単になります。どちらの作業にも、同じリファレンス デバイスを使うことができます。サイズ変更可能なエミュレータを新規作成するには、Android Studio の Device Manager を使って新しい仮想デバイスを作成し、Resizable デバイス定義と Android 12L(Sv2)システム イメージを選択します。
サイズ変更可能な Android Emulator
タブレット、折りたたみ式、ChromeOS の各デバイスに最適なアプリを簡単に探せるようにするため、ユーザーのデバイスに最も適したアプリを目立たせるように Play を変更します。
現在、それぞれのアプリの品質を大画面アプリ品質ガイドライン (英語) に照らして評価する新たなチェックを追加する作業を行っています。これにより、デバイスに最適なアプリが目立つようになります。Play ストアで大画面のユーザーが大画面に最適化されていないアプリを表示した場合、そのアプリのストア掲載情報ページに通知を表示する予定です。
加えて、既にお知らせしたように、アプリの評価にも大画面専用の評価を導入し、大画面デバイスでアプリがどう動作するかをユーザーが評価できるようにします。以上の変更は来年に実施する予定です。皆さんがアプリの準備を始められるように、あらかじめお知らせいたしました。
また、Google Play で Google のビジネスモデルを進化させてデベロッパーのニーズに応えるための取り組みを紹介した記事も忘れずに確認しておきましょう。
大画面や折りたたみ式デバイス向けの開発を始めるうえで役立てていただけるように、私たちはビューにも Compose にも対応します。新規アプリや既存アプリで異なる画面サイズをサポートする方法、ビューと Compose の両方でナビゲーションを実装する方法、折りたたみ式デバイスのメリットを活用する方法などを紹介したガイダンスの追加や改訂も行っています。ビューのサポートの大画面ガイドのセクション、または Compose ガイドのセクションをご覧ください。
コードほど雄弁なものはありません。以下のサンプルは、レスポンシブ UI に対応するように更新しています。
実践的な演習を行いたい方は、Codelab で、アップデートされた Jetpack WindowManager による折りたたみ式デバイスとデュアル スクリーン デバイスのサポートをご覧ください。
Reviewed by Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play
この記事は Jeremy Walker による Android Developers Blog の記事 " Watch out for Wear OS at Android Dev Summit 2021 " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
今年の Android Dev Summit (英語) では、Wear OS プラットフォームのいくつかの主要なアップデートなど、Android デベロッパー期待のお知らせがたくさんありました。Google I/O では、新しい Wear OS のリリースを発表しました。その後、Galaxy Watch4 シリーズに Wear OS Powered by Samsung が搭載されました。Strava、Spotify、Calm などの多くのデベロッパーが、既に最新バージョンの Wear OS 向けに便利なエクスペリエンスを作成しています。今後、デベロッパーの皆さんがスマートウォッチにどんな新しいエクスペリエンスをもたらしてくれるのか、とても楽しみです。詳細な情報を入手してスマートウォッチ向けの優れたアプリを作成したい方は、このままお読みください。API やデザインツール、Google Play ストアのアップデートについて説明します。
Jetpack Compose ライブラリを使うと、短時間で簡単に UI を開発できます。(英語) そして今回 Wear OS に Compose のサポートを追加します。皆さんは、スマートウォッチ向けになったおなじみの UI コンポーネントを使ってアプリをデザインできます。こういったコンポーネントには Material You が含まれているので、少ないコードで美しいアプリを作成できます。
Compose for Wear OS は、現在デベロッパー プレビュー段階です。詳しく知りたい方や試してみたい方は、以下を参考にしてください。
お試しいただき、こちらでフィードバックを共有、もしくは、Jetbrains Slack の #compose-wear チャンネルに参加して感想をお聞かせください。ベータ版で API が確定する前にお願いします!
ウォッチフェイスは、ユーザーがスマートウォッチで自分を表現する方法の中でも、特に特徴的なものものの 1 つです。ウォッチフェイスを作成すると、Wear OS のユーザーに皆さんのブランドをアピールできます。私たちは Samsung と連携し、ウォッチフェイス作成のツールを改善して、Wear OS エコシステムでのウォッチフェイスのデザインを簡単にしました。
Samsung が作成したデザインツール Watch Face Studio (英語) を使うと、コーディングなしで独自のウォッチフェイスを作成、配布できます。直感的なグラフィックス ツールが搭載されているので、簡単にウォッチフェイスをデザインできます。個人で使うためのウォッチフェイスを作ることも、Google Play Console にアップロードして API レベル 28 以上をサポートする Wear OS デバイスのユーザーと共有することもできます。
先日、たくさんの Android Jetpack Wear OS ライブラリ (英語) をリリースしました。これらは、ベスト プラクティスに従い、ボイラープレートを減らし、ユーザーが一目でわかる高パフォーマンスなアプリを作るうえで役立ちます。
現在、タイルはマーケットのほとんどのデバイスで有効で、予測どおりに動作し、一目で情報にアクセスしたりクイック アクションに使用したりできます。API は現在ベータ版です。ぜひお試しください!(英語)
ウォッチフェイスを(Watch Face Studio 以外の方法で)もっと細かく調整したいデベロッパーの皆さんのために、ゼロから Kotlin で開発した新しい Jetpack Watch Face API のベータ版をリリースしました。
新しい API では、たくさんの新機能が提供されます。
今こそ古い Watch Face Support Library から今回の新バージョンに移行を始める絶好のチャンスです。
Google Play ストアで、皆さんの Wear OS アプリを見つけやすくする取り組みも進めています。今年は既にウォッチフェイスを検索できるようにしたほか、ユーザーが Wear カテゴリのアプリを簡単に探せるようにもしました。さらに、スマートフォンの Google Play ストアから直接アプリをスマートウォッチにダウンロードする機能もリリースしました。この変更点の詳細は、こちら (英語) からご確認いただけます。
また、皆さんがユーザーの期待に応えることができるように、Wear OS 品質ガイドラインの更新版 (英語) も公開しました。合わせて、ユーザーがアプリの外見を深く理解できるように、新しいスクリーンショット ガイドライン (英語) も公開しています。2022 年には、フォーム ファクタと国に固有の評価を導入し、アプリがどのようなデバイスや国で利用され、どのように動作しているかを深く理解できるようにする予定です。
Wear OS の開発に関する詳しい情報は、デベロッパー ウェブサイト (英語)をご覧ください。
この記事は Android Team による Android Developers Blog の記事 " Android Dev Summit returns on October 27-28, 2021! " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Android Dev Summit が帰ってきます!数週間後となる10 月 27-28 日(日本時間 10 月 28 日 - 29 日)のイベントでは Android 開発の最新情報をご紹介します。今年のテーマは、Excellent apps, across devices(優れたアプリを、複数のデバイス間で)です。開発ツールや API、タブレットやウェアラブルを含む数十億台のデバイス間で使用できる優れたアプリの開発や、生産性向上を支援する技術についてお話しする予定です。
Android Dev Summit は、「The Android Show」からキックオフします。イベントは、10 月 27 日午前 10 時(太平洋標準時)、日本時間の 28 日午前 2 時に開始します。技術関連の基調講演では、Android 開発者向けの最新ニュースやアップデートをご紹介します。また、Android 開発の技術的な トピックに関しての 30 以上のセッションをご用意しました。さらに、Android 開発チームが結集し、皆さんからの熱意ある質問にライブで答える #AskAndroid も開催します。今年の Android Dev Summit は、世界中の Android デベロッパーとデジタルでつながる機会ですので、ぜひご参加ください。さらに詳しく知りたい方は、こちらのニュースレターに登録して最新情報をお受け取りください。