この記事は VP of Engineering、Dave Burkeによる Android Developers Blog の記事 "A New Foundation for AI on Android" を元に翻訳 / 加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
基盤モデルは、幅広いデータソースから学習し、単一の狭いユースケースではなく、広範なタスクに適用できる AI システムを生み出します。2023 年 12 月 6 日 (米国時間) 、Google は、これまでで最も高性能なモデルである Gemini を発表しました。Gemini は柔軟性が高く、データセンターからモバイル端末まで、あらゆる環境で動作するように設計されています。また、Ultra、Pro、Nano の 3 つのサイズに最適化されています。
モバイル向けに最適化された Gemini Nano
モバイル端末上のタスクのために構築された最も効率的なモデルである Gemini Nano は、モバイル シリコン上で直接動作し、幅広い重要なユースケースをサポートします。デバイス上で実行することで、エンドツーエンドで暗号化されたメッセージング アプリでメッセージへの返信を提案するなど、データが端末から離れないようにする機能が可能になります。また、決定論的なレイテンシーによる一貫した体験も可能になるため、ネットワークがない場合でも常に機能を利用できます。
Gemini Nano は、より大規模な Gemini モデルから抽出され、モバイルシリコン アクセラレータ上で動作するように最適化されています。Gemini Nano は、高品質のテキスト要約、コンテキストに応じたスマート リプライ、高度な校正 / 文法修正などの強力な機能を備えています。例えば、Gemini Nano の強化された言語理解により、Pixel 8 Pro は、電話のネットワーク接続がオフラインの場合でも、レコーダー アプリ内のコンテンツを簡潔に要約することができます。1
Pixel 8 Pro で Gemini Nano を使用した WhatsApp 内の Gboard のスマート リプライ
Gemini Nano は、Pixel 8 Pro の Gboard でスマートリプライ機能を搭載し始めており、デベロッパー向けプレビューとして設定で有効にすることができます。現在、WhatsApp で試すことができ、来年にはさらに多くのアプリに対応する予定の、このオンデバイス AI モデルは、会話のコンテキストを考慮した高品質のレスポンスを提案することで、時間節約に役立ちます。
Android AICore は、Android 14 で導入される新しいシステム サービスで、Gemini Nano への簡単なアクセスを提供します。AICore は、モデル管理、ランタイム、安全性機能などを処理し、アプリ開発者が AI をアプリに組み込む作業を簡素化します。
AICore は、Android のプライベートコンピューティング コア(英語)の例に倣い、オープンソース API を介してネットワークから隔離された設計を採用しており、透明性と監査可能性を確保しています。また、責任ある AI の構築と展開の一環として、誰もが安全に平等に利用できるように専用の安全性機能も搭載しました。
米国英語キーボード言語のみ、世界中で利用可能です。詳細はこちらを参照してください。
Posted by Tamao Imura - Google Developer Marketing Manager, Japan
Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team
この記事はプロダクト マーケティング マネージャー、Isabella Fiterman とプロダクト マネージャー、Sandhya Mohan による Android Developers Blog の記事 " Studio Bot expands to 170+ international markets!" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Google I/O 2023 で Android デベロッパーにとって最もエキサイティングな発表の 1 つとなったのが、Android Studio から直接アクセスできる AI 搭載コーディング アシスタント、Studio Bot(英語)の導入です。Studio Bot は、アプリのコードの生成、質問への回答、関連リソースの検索などを支援することで、高品質な Android アプリをより早く書くことができ、すべての操作が Android Studio で完結します。発表後にこの AI 搭載コーディング コンパニオンに対する期待の声が数多く寄せられ、米国以外のデベロッパーの皆さんから、Studio Bot を試したいという沢山のご要望がありました。皆さんからのフィードバックを元に、Android Studio(英語) のカナリア リリース チャンネルで、Studio Bot を 日本を含む 170 以上の国と地域(英語)に展開しました。
アプリにカメラサポートを追加するにはどうすればよいですか?
Room データベースを作成したいです。
javadocs の形式を教えてください。
Android で位置情報を取得するおすすめの方法を教えてください。
Studio Bot はそれまでの会話の内容を記憶しているため、「このコードを Kotlin のコードにしてもらえますか?」、「Compose ではどうすればいいですか?」といったフォローアップの質問をすることもできます。
Studio Bot は、プライバシーを考慮した設計になっています。Studio Bot の機能を利用するためにソースコードを送信する必要はありません。デフォルトでは、Studio Bot は会話の履歴だけを使って応答します。カスタムの回答を得るために追加の情報やコードを共有するかどうかは、皆さんが制御できます。他の AI プロジェクトでの取り組みと同様、Google は責任を果たすための AI 原則(英語)を遵守しています。
品質を重視する
Studio Bot はまだ初期段階なので、本番稼働しているアプリで使用する前に、応答を検証することをおすすめします。Google は、今後の開発のニーズに適格にお応えできるように、Android 開発のナレッジベースと回答の質を改善する作業を続けています。Studio Bot を試して、いいねボタンを通して応答に関するフィードバックを共有することができます。Studio Bot の改善へのご協力を、お願いします。
Reviewed by Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play