この記事は Sara Hamilton による Android Developers Blog の記事 " Leading Health and Fitness Apps Roll Out Health Connect Integrations " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
アプリ デベロッパーの皆さんは、昨年導入されたヘルスコネクト (英語) を使って、健康とフィットネスのデータを共有するプラットフォームに早期アクセスできます。このプラットフォームは、ユーザーの同意のもと、Android デバイスをまたいでデータを安全に共有するもので、Samsung と連携して開発しています。この仕組みにより、アプリ間の接続がシンプルになり、ユーザーは一元的にプライバシーを管理できるようになります。今回、プライバシー設定を集中的に管理する場所として、ヘルスコネクト(ベータ版)アプリを Google Play でダウンロードできるようにしています。細かい制御によってどのアプリがどの時点でデータにアクセスするかを確認できます。
2022 年 11 月 14 日以降、10 以上の健康、フィットネス、ウェルネス関係のアプリで、このプラットフォームとの連携機能が公開されています。これらのアプリには、ヘルスコネクトの先行ユーザーである MyFitnessPal、Oura、Peloton も含まれています。
この連携機能の第 1 弾を通して、ヘルスコネクトがデベロッパーに多くの重要なメリットをもたらしていることがわかっています。
健康とフィットネスのアプリ同士が相互に連携できるようになることで、それぞれのアプリが質の良い総合的な健康情報をユーザーに提供できるようになります。
これまでは、複数の API 接続を駆使しなければ別のアプリとデータを共有できなかったため、連携機能の開発やメンテナンスには費用がかかっていました。それがデベロッパーのデータ共有能力の足かせになっていたため、ユーザーが別のアプリでデータを活用するのは困難でした。
ヘルスコネクトを使うと、新しいアプリとの連携機能はヘルスコネクトから新しいデータを読み取るだけで簡単に開発できます。新たな連携機能を開発する必要はありません。
たとえば、Android ユーザーは、Oura、MyFitnessPal、WeightWatchers、Lifesum といったアプリで Peloton ワークアウトを同期したりその実績を反映したりできるようになります。ヘルスコネクトとの連携機能が 1 つあるだけで、Peloton メンバーはワークアウトの統計情報を健康サポートアプリのエコシステム全体に共有できるようになります。
ヘルスコネクトには標準データスキーマがあり、6 つのカテゴリで 40 種類以上のデータがサポートされています。スキーマは直感的に利用でき、エクササイズ、睡眠管理、バイタルサインなどのさまざまなユースケースに対応しています。ヘルスコネクトに格納されているものであれば、どんな種類のデータでも数行のコードだけで読み書きできます。さらに、ヘルスコネクトは複雑な集計もサポートするので、アプリのユースケースに合わせて自由自在にクエリをカスタマイズできます。
「当社のエンジニアは、既存のアーキテクチャを簡単にヘルスコネクトの API に対応させ、栄養、水分補給、運動、歩数といったユーザーの健康データを読み書きすることができました。この連携機能があれば、ヘルスコネクトに書き込みを行うすべてのサードパーティ製アプリのデータも利用できるので、ユーザーの選択肢が広がります。同時に、細かな権限設定でどのデータを共有するかを選べるので、ユーザーの柔軟性も向上します」
– MyFitnessPal の最高技術責任者、Jason Peterson 氏
これまで、ユーザーは複数のアプリを開いてデータの権限を管理しなければなりませんでした。また、権限管理の UI はデベロッパーが自前で準備する必要がありました。
ヘルスコネクトを使うと、ユーザーは 1 か所で簡単に権限を管理でき、細かい制御によってどのアプリがどの時点でデータにアクセスしているかを確認できます。
デベロッパーにとって、ヘルスコネクトは権限管理ハブであり、すぐに設定して使える詳細な権限 UI です。
さまざまな種類のデータが示された詳細権限画面
たとえば、Signos はヘルスコネクトを使った権限チェックを簡単に設定できました。「うれしい驚きの 1 つは、ユーザーのオンボーディング UX でした」と Signos のデベロッパーである Jake Smith 氏は話します。「簡単に挿入できるコードで権限を設定できるので、ユーザーにもメリットがあります」
多くのデベロッパーがすでにヘルスコネクトとの連携をしています。ユーザーに高度な情報を提供できるチャンスを見逃さないように、ぜひヘルスコネクトを導入してください。ドキュメント、便利な動画チュートリアル (動画/日本語字幕あり) 、コードサンプルを確認し、さっそく今日から開発を始めましょう!