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Google Play で定期購入者を獲得して維持するための新機能と Play Billing Library バージョン 3
2020年6月30日火曜日
この記事は Angela Ying による Android Developer Blog の記事 "
New features to acquire and retain subscribers
" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
定期購入は、Google Play アプリのビジネスモデルの中でも、特に成長著しいモデルであり続けています。定期購入ビジネスが進化し、洗練されていく中、私たちのプラットフォームも皆さんのニーズに応えるために進化を続けています。本日は、新しい定期購入者を獲得する際に役立つプロモーション コード、ユーザーに価値を伝えて離脱したユーザーに復帰してもらうための新たなチャンスなど、
Android 11 Beta リリース
で発表した新しい定期購入機能について詳しくお伝えします。これらの機能の多くが、
Play Billing Library バージョン 3
を使って構築されています。
新機能に加えて、既存のプラットフォームへの改善も行っています。ここ数年間で、アカウントの一時停止とアカウントの復元などの
多くの機能をリリースしてきました
。これらの機能は、意図的な離脱や意図的でない離脱の削減に大きな効果を発揮しています。そのため、誰もがこれらの機能のメリットを活用できるように、2020 年 11 月 1 日から、デフォルトの設定を省略可能ではなく必須またはデフォルトでオンに変更することを計画しています。機能の詳細と実装要件は、この投稿の最後に記載しています。
次の表に、定期購入プラットフォームに関するすべての変更点をまとめました。
対象を絞ったプロモーション
プロモーションと取引は、ビジネスを拡大して新しい顧客を獲得する重要な方法です。昨年を通して定期購入向けの新しいプロモーション コード機能を準備してきたのはそのためです。この機能を使うと、対象を絞った一部のユーザーだけにプロモーションをすることができます。
昨年の
Googl I/O 2019
では、定期購入のワンタイム プロモーション コードをリリースしました。一意な英数字のコードを個々のユーザーに配布して、精算に使ってもらうことができます。今回は、スムーズな精算フローを新しくリリースします。これにより、ユーザーは簡単にコードを使って定期購入を行い、わずか数ステップで Google Play ストアのアプリをインストールできるようになります。ユーザーがコードを使う際の手間が削減されるので、ユーザー エクスペリエンスが大幅に簡素化されます。定期購入フローがアプリの外部で開始するので、この機能は
Billing Library 2.0 以降
を使っているデベロッパーのみが利用できます。
ワンタイムのコードに加えて、カスタムコード(バニティコード)も正式にリリースしました。複数のユーザーが利用できるカスタムコードは、定期購入ユーザー獲得を促進するマーケティング キャンペーンに活用できます。たとえば、覚えやすいカスタムコードを広告やソーシャル プロモーションに掲載し、積極的に潜在顧客にアピールすることができます。ユーザーがアプリでカスタムコードを使うには、定期購入を行う際に支払い方法にコードを入力します。
ユーザーに定期購入の価値を伝える
定期購入の維持は、長期にわたって定期購入ビジネスの健全性を保つために欠かせません。ユーザーが定期購入を続けるのは、その定期購入サービスに継続的な価値を感じているからです。この価値を伝わりやすくするため、先日、ユーザーが定期購入をキャンセルしようとする際に、定期購入の利点を思い出してもらうためのモジュールをリリースしました。このモジュールを活用するには、定期購入のメリットを最大 4 項目に短くまとめ、そのリストを Google Play Console に追加します。
離脱した定期購入者を取り戻す
私たちは、ユーザーが定期購入から離脱した場合でも、希望すればいつでも簡単に再開できるようにしたいと考えています。これを実現するため、最近期限が切れた定期購入を Google Play の定期購入センターから直接再開できるようにする機能をリリースしました。定期購入再開の SKU は、Google Play Console から有効化できます。この定期購入はアプリの外部で開始されるので、この機能は Billing Library バージョン 2 以降を使っているデベロッパーのみが利用できます。
価格値下げ時のオプトインを省略
ユーザーが定期購入の値下げ価格をオプトインしなければならないのは煩雑すぎるというフィードバックが寄せられています。今後は、定期購入の価格を下げる場合、定期購入を継続するためにユーザーがオプトインする操作は必要なくなります。ユーザーは、価格の値下げ予定についての通知を受け取り、変更予定を Google Play の定期購入センターで確認できるようになります。
プラットフォームの維持設定の更新
ここ数年間にわたり、このプラットフォームは、自発的な離脱と自発的でない離脱(支払いの失敗による離脱)の両方を減らすための機能を通して、定期購入者の維持に大きく貢献しています。たとえば、アカウントの一時停止は、一時停止を行わない場合と比べて、自発的でない離脱を 8% 減少させ、支払いの失敗からの復帰率を 35% 上昇させて、デベロッパーの皆さんに貢献しています。こういった機能は効果的ですが、最初から実装しておくべきものだったのかもしれません。
そのため、今まで省略可能だったいくつかの定期購入機能のデフォルトを更新します。これは、
2020 年 11 月 1 日
から有効になります。
すべてのデベロッパーで、アカウントの一時停止とアカウントの復元はどちらも必須になります。
アカウントの一時停止は、支払いの問題によって更新に失敗したユーザーに設定される状態です。アカウントが一時停止されている間は、ユーザーは定期購入にアクセスできなくなりますが、Google はユーザーに通知して支払いを再試行します。
アカウントの一時停止を組み込む方法はこちらをご覧ください
。
アカウントの復元は、定期購入をキャンセルしたユーザーが失効期限前であれば自動更新を再開できる機能です。
アカウントの復元を組み込む方法はこちらをご覧ください
。
定期購入を有効化しているすべてのデベロッパーで、定期購入の一時停止と定期購入の再開がデフォルトでオンになります。11 月までに変更を実装できない場合は、どちらの機能も任意のタイミングで Google Play Console からオプトアウトできます。
定期購入の一時停止を行うと、ユーザーは最大 3 か月間定期購入を一時停止できます。一時停止期間が終了すると、定期購入は自動的に再開されます。定期購入の一時停止を行うには、アカウントの一時停止を有効化する必要があります。本機能は 11 月 1 日以前に無効にできます。その場合は、Google Play Console の [定期購入の設定] で [無効] をオフにします。
定期購入の一時停止を組み込む方法はこちらをご覧ください
。
定期購入の再開機能を有効にすると、定期購入期間の終了から 12 か月以内に離脱したユーザーが、再度定期購入することが可能になります。この機能は、
Billing Library バージョン 2.0
以降をサポートするアプリでのみ利用できます。
本機能は 11 月 1 日以前に無効にできます。その場合は、Google Play Console の各定期購入商品で、[再度定期購入] の設定を [無効] に変更します。
定期購入の再開を組み込む方法はこちらをご覧ください
。
これらの新機能に対応するために、アプリやサーバーの変更が必要になる場合もあります。具体的には、アプリで以下の対応を行う必要があります。
ユーザーが定期購入へのアクセスを失ったタイミングと、後ほどユーザーが復帰したタイミングを認識する
アプリで Billing Library を使っており、Google Play Developer API の
Purchases.subscriptions
を使って定期購入者の最新ステータスを管理していない場合は、アプリが自動的にこれを処理できる必要があります。
ただし、Google Play Developer API を使っている場合(ウェブなどの複数のプラットフォームからアクセスできる定期購入のデベロッパーは、これを使うのが一般的です)は、サーバーで常に定期購入者の最新ステータスを保持していることが重要です。
常に定期購入者の最新ステータスを保持できるように、リアルタイム デベロッパー通知を実装することを強くおすすめします。
詳細はこちらをご覧ください
。
アプリ外購入にうまく対処する(Billing Library 2.0 以降のみ)
ユーザーが定期購入の再開後にアプリを開いたときに、
購入を承諾
し、新規購入を認識したことを伝えるアプリ内メッセージを表示するようにします。アプリ外購入を扱う
ベスト プラクティス
をご覧ください。
すべての機能で変更が必要になるわけではありませんが、11 月 1 日までに各機能をテストしておくことを強くおすすめします。簡単に移行できるように、Google はすべてのライセンス テスト アカウントでアカウントの一時停止、アカウントの復元、定期購入の一時停止、定期購入の再開を有効化しています。詳しくは、
定期購入固有の機能をテストする
をご覧ください。
Reviewed by Hidenori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC
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