この記事は Google Play プロダクト マネージャー、Allison Changによる Android Developers Blog の記事 " Introducing a new Play Store for large screens" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
2022 年の Google I/O では、大画面デバイスに向けて Google Play ストアを大きく変更することをお伝えしました。その後も、たくさんの Android デバイスで、仕事や趣味のために大画面を使う人が増え続けています。アプリやゲームは、オンデバイス体験の形成にとって重要な役割を果たしています。そこで Google Play は、ユーザーがタブレットや Chromebook、折りたたみ式を最大限に活用できるように、Google Play ストアを再設計しました。
2023 年 7 月 25 日、Google Play で高品質な大画面アプリを見つけるために役立つ 4 つの主要なアップデートについて紹介します。具体的には、アプリの掲載情報ページの刷新、ランキングと品質の改善、Google Play ストアのナビゲーションの効率化、分割画面による検索操作です。
1. 高品質アプリ向けに掲載情報ページを刷新
Google Play ストアの掲載情報ページは、アプリの機能や価値をアピールする最善の方法です。そこで、皆さんのコンテンツが中心になるように、機能の改善をしました。高品質な動画を活用するゲームでは、アプリの掲載情報ページのトップに動画バナーが表示され、ユーザーが迫力のあるゲームプレイを垣間見れるようになります。さらに、アプリやゲームの詳細ページを再編成して複数列レイアウトにすることで、ページの上部に表示されるコンテンツを増やします。
2. ランキングと品質の改善
大画面ならではの高品質アプリをおすすめするため、ランキングにいくつかの変更を加え、Google Play 全体の品質を高めます。大画面アプリの品質に関するガイドラインに準拠するアプリやゲームは、検索やアプリとゲームのホームで、より上位にランキングされるようになります。そのため、適切にサイズ変更されるアプリ、レターボックス表示を避けるアプリ、縦向きと横向きの両方に対応したアプリを見つけやすくなります。今後、このような基準はエディターのおすすめやその他の厳選されたコンテンツや記事でも考慮されるので、最適化されたアプリは、注目を集める新たなチャンスを得ることになります。
2022 年には、Googel Play のデバイスごとの技術品質基準を満たさないアプリやゲームに対し、アプリの掲載情報での警告表示や表示機会の削減することもお知らせしました。これは、スマートフォン向けの技術品質要件を大画面に拡張するもので、デバイスでユーザーが認識するクラッシュ発生率が 8%、またはユーザーが認識する ANR 発生率が 8% に達しているアプリとゲームが影響を受けます。
この警告はアプリの詳細ページに表示されます。警告の目的は、アプリの表示や動作がユーザーのデバイスでどのようになるかを想定できるようにすることにあります。以上の変更は、8 月下旬にロールアウトを始める予定です。そのため、Google Play Console の Android Vitals や Reporting API でアプリの安定性指標を確認して改善する時間はまだあります。
さらに、ユーザーが前もってアプリ内体験を細かく把握できるように、アプリとゲームのホームで皆さんの Google Play ストアの掲載情報アセットを直接紹介する機会を増やします。
新しいコンテンツ表示形式では、アプリをインストールするかどうかの判断に役立ててもらうため、フォーム ファクタ固有のスクリーン ショット、動画、説明を通じてアプリ体験のプレビューが表示されます。この変更の一環として、コンテンツの品質に関するガイドラインに準拠した大画面向けアセットを含むアプリが、この高度な形式を活用して Google Play ホームページで多くの画面スペースを利用できるようにします。大画面アセットを検査する方のために、アプリを目立たせるために役立つベスト プラクティスをいくつか紹介します。
フォーム ファクタごとに異なるスクリーン ショットをアップロードします。アプリやゲームの体験がどのようなものかを想定できるように、コア機能やコンテンツに注目した実際のアプリ内体験やゲーム内体験を紹介します。
高品質イメージを適切なアスペクト比で利用します。
テキストを含むスクリーン ショットや、有効期限があって頻繁に更新しなければならない内容は多用しないようにします。
デバイスの画像を含めることはおすすめしません。すぐに古くなったり、一部のユーザーが身近に感じることができない可能性があるからです。
こちらの quality hub (英語) には、高品質なアプリを開発するために役立つその他のヒントやガイドラインが掲載されています。
3. Google Play ストアのナビゲーションの効率化
さらにシームレスなブラウジングを実現するため、大画面の Google Play ストアのナビゲーションを簡素化し、左側のナビゲーション レールに移動しました。これにより、メニュー項目がユーザーの親指に近くなり、押しやすくなります。デバイスを横向きに持つ場合は特にそうです。
また、ユーザーが便利な人気アプリを見つける際に役立つように、Google Play ストアの具体的な領域を探しやすくしています。たとえば、ランキングとカテゴリのセクションをアプリとゲームのホームに移動しました。子どもと共有されることが多いタブレットと Chromebook では、子ども向けを主要タブに含めています。
4. 分割画面による検索
最後に、新しい検索操作についてお知らせします。これにより、検索結果ページの中で、アプリを簡単に見つけたり比較したりできるようになります。
分割画面よる検索操作を大画面に導入し、検索結果とアプリの詳細ページを左右に並べて表示します。新しいアプリを探す際に画面を行ったり来たりすることがなくなるので、検索プロセスが効率化されます。
以上の変更点は、今後数週間のうちにロールアウトが始まる予定です。これは、大画面にぴったりの Google Play ストア体験を構築する旅の始まりです。アプリデザイン ギャラリーには、高品質な大画面アプリのためのインスピレーションやサンプルが掲載されています。また、Google I/O でのアプリの品質に関する最新セッション (動画/英語 - 日本語の自動字幕あり) もご確認ください。
Reviewed by Mari Kawanishi - Developer Marketing Manager, Google Play
この記事は Jacob Lehrbaum による Android Developers Blog の記事 " Working Towards Android App Excellence " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
すばらしいアプリ体験は、ビジネスにもすばらしい成果をもたらします。実際、Google Play に5 つ星の評価を残した Android アプリユーザーの約 3 分の 1 が、アプリ体験の質*1つまり、スピードやデザイン、ユーザビリティに触れています。Google では、すべてのデベロッパーが優れたアプリの開発を実現し、ユーザーの獲得、維持、収益化を果たせるようなサポートを提供したいと考えています。
では、「優れたアプリ」とは何でしょうか。これは遠い目標のように聞こえるかもしれませんが、多くのアプリでも手が届くところにあります。その第一歩となるのは、ユーザーにフォーカスし続けることです。具体的には、直感的なユーザー エクスペリエンスでアプリの主要機能にできる限り早く到達できるようにすることです。しかし、これはまだ始まりに過ぎません。優れたアプリにはすべての画面や操作に一貫性があり、使うデバイスによらず快適に動作します。アプリ開発に携わっているあらゆるメンバーがアプリ体験に集中すれば、優れたアプリの開発が実現できます。
優れたアプリの開発を阻むものの 1 つが、曖昧で不明確な責任分担です。クラッシュや読み込み時間など、アプリの質を測る主な指標の中には、エンジニアリング チームなどの社内の 1 グループの責任であると見なされるものがあります。しかし、業界のトップクラスの組織の方々にどのようにして優れたアプリの開発を実現しているか聞いたところ、*2エンジニアリング、デザイン、プロダクト、ビジネスの各チームが共通の目的に向かって連携する、部門間の協力的なアプローチが重要であることが明確になりました。
では、優れたアプリ開発のための裏側にある内部的なベスト プラクティスはどのようなものでしょうか。
ビジネス側の立場に立って「競合他社のアプリは私たちのアプリよりも速いので、読み込み時間を 5 秒から 4 秒に短縮する必要がある」と私から言えるので会話がよりスムーズです。クロス プラットフォーム アプリのソフトウェア エンジニア
ビジネス側の立場に立って「競合他社のアプリは私たちのアプリよりも速いので、読み込み時間を 5 秒から 4 秒に短縮する必要がある」と私から言えるので会話がよりスムーズです。
クロス プラットフォーム アプリのソフトウェア エンジニア
優れたアプリは、ビジネスの成果につながります。新機能の追加はすばらしいことですが、それでアプリの起動時間が遅くなったり、デバイスの容量を使いすぎたりすると、アプリの使用頻度が減り、やがて削除される結果をうみます。多くの場合、エンジニアは品質問題がビジネスの成果に与える影響を定量化することで、全社的に品質を重視する体制を構築しています。具体的には、次の方法で定量化しています。
機能(ユーザー ジャーニーの各ステージ)を担当するチームを編成している企業は、サポートするそれぞれのオペレーティング システム全体で一貫した操作を提供し、新しいアプリや機能を市場に投入するまでの時間が短くなり、すべてのお客様に優れたアプリ体験を提供できる可能性が高くなります。多くの場合、このようなチームは、エンジニア、マーケティング、UX、プロダクトなどの機能を横断するグループです。そして、あらゆるデバイスやプラットフォームで、機能やユーザー ジャーニーのステージ*3を成功させる責任を担います。この構造により、優れた体験や機能レベルが実現できるだけでなく、機能領域を超えた統一目標ができます。また、縦割りを減らして、特定の目標に集中的に対処することにもつながります。
ビジネス目標を重視するチーム構成により、ユーザーに対するフォーカスが高まる
ユーザーの大半が特定の種類のデバイスを使っている場合、主なデバイスとして同じスマートフォンやタブレット、スマートウォッチを使えば、ユーザーがどのような体験をしているか理解が深まるでしょう。特にこれが当てはまるのは、多くユーザーの日々の体験に影響を与える意思決定が求められる組織の経営幹部です。たとえば、Duolingo はこれを自社の DNA に組み込んでいます。ユーザー ベースの大部分と同様の環境を作り出すために、CEO も含む、すべての Duolingo の社員は、エントリーレベルの Android デバイスのみを使っているか、あるいは使える状態にあります。
ビジネスを成長させるうえで、品質および優れたアプリの開発に対するユーザー中心のアプローチは欠かせません。優れたアプリの開発を実現する方法を詳しく学びたい方は、実用的なヒントを含むケーススタディをご覧ください。また、Android App Excellence (英語) のページにアクセスし、ぜひ App Excellence Summit に参加してください。(事前登録制です)
今後のブログ投稿では、優れたアプリの開発を実現する 2 つの要素について詳しく取り上げる予定です。具体的には、アプリ パフォーマンスとそれによるユーザー行動への影響、そして複数のデバイス間のシームレスなユーザー エクスペリエンスの開発です。こちらのページから Android デベロッパー向け ニュースレターに登録すると、次号の発行時に通知が届き、Android チームからの最新ニュースや知見を得られますので、ぜひご登録ください。
注
1. 2021 年の Google Play 内部データ
2. 2021 年の Google App Quality Research
3. アプリを使ううえで、それぞれのユーザーが体験する一連の手順を「ユーザー ジャーニー」と呼びます。ユーザー ジャーニーのステージの例として、インストール、オンボーディング、エンゲージメント、リテンションなどがあります
Reviewed by Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play