この記事は Android Developers Blog の記事 "3 things to know about Form Factors at Google I/O'22" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
現在、Android は 5 億台近くの自動車、テレビ、スマートウォッチ、ノートパソコンで動作しています。そのため、アプリがデバイスを超えてシームレスに動作することが今まで以上に重要になっています。今年の I/O では、フォーム ファクタに改めて注目し、Wear OS や大画面向けの重要なアップデートについて発表しました。ここでは、新機能の要点をお伝えするため、Google I/O で発表されたフォーム ファクタについて知っておくべき 3 つのことを紹介します。
I/O では、Compose for Wear OS のベータ版リリース (英語) を発表しました。Compose for Wear OS は、Wear OS でひときわ優れたユーザー エクスペリエンスを構築できる最新の宣言型 UI ツールキットで、Jetpack Compose の基礎と理念を共有しつつ、UI 開発をシンプルにして加速します。さらに、スマートウォッチ向けに最適化されたコンポーネントを含むマテリアル カタログを提供します。
Compose for Wear OS は、オープンソース コミュニティの協力のもと、そのフィードバックを受けながら開発しています。デベロッパー プレビュー以降も、ナビゲーション、Lazy リストのスケーリング、入力とジェスチャーのサポートなど、たくさんのコンポーネントの追加や改善をしました。現在の Compose for Wear OS は、まもなく公開される 1.0 リリースに向けて機能が完成しており、API は安定版になっています。そのため、本番環境に対応できる美しいアプリの開発を始めることができます。
さらに、つい先日、ヘルスコネクトをリリースしました。ヘルスコネクトを使うと、ユーザーは健康とフィットネスのデータをスマートフォンに安全に保存できるほか、お気に入りの健康とフィットネスのアプリに接続して保存したデータを共有することもできます。Samsung Health、Google Fit、Fitbit など、多くの健康とフィットネスの人気アプリがヘルスコネクトを利用しています。ヘルスコネクトは、健康データを Android スマートフォンに保存して共有するための共通の API セットです。デベロッパーは、オンデバイスのデータストアのデータを読み書きできます。スキーマと API の動作は標準化されているので、簡単にデータを利用できます。ユーザーの健康データのプライバシーがいかに重要であるかは承知していますので、パーミッションとプライバシー管理を一元化し、明確でシンプルな方法でデータを管理できるようにしています。
Google は、ハードウェアの革新、オペレーティング システムの最適化、アプリ エコシステムへの注力を通して、大画面に全力投球しています。今年最初の 4 半期には、アクティブな大画面ユーザーが 2 億 7,000 万人に達しており、タブレット、折りたたみ式、Chrome OS に最適化する絶好の機会を迎えています。
前回の I/O の後に、大画面向けに Android 12 を改善するフィーチャー ドロップ、Android 12L をリリースしました。Android 13 にはそのすべての機能が含まれているほか、さらに改善が追加されています。Android 12L と 13 では、タスクバー、マルチタスク、キーボードとマウスのサポート、アプリの互換性モードなど、大画面向けのたくさんの最適化が行われています。さらに、ガイド、テスト、ツールにもすばらしいアップデートがあります。大画面向けにアプリを最適化してテストする作業を感覚だけで行わなくてもいいように、一連の大画面品質ガイドラインと、さまざまなマテリアル デザインの正規レイアウトを作成しました。Jetpack ライブラリはこのガイドを実装しており、ドラッグ&ドロップなどの一般的な大画面開発タスクが組み込まれています。
ハードウェアの革新は、今年以降の Google の大画面への注力の土台となります。I/O では、2023 年に発売予定の Google Pixel タブレットについてお知らせしました。また、パートナーもすばらしいデバイスを作っており、Samsung、Lenovo、OPPO などの企業からタブレットや Chromebook、折りたたみ式デバイスが販売されています。
ハードウェアとオペレーティング システムの驚くべき革新とともに、これまで以上に多くのアプリが大画面向けに最適化されています。Facebook、TikTok、HBO Max、Zoom (動画/英語) などのアプリは、大画面ですばらしい見栄えを実現しています。Google は大画面のチャンスを認識しています。YouTube (動画/英語) 、Google マップ、Google フォト、Chrome など、多くの人気アプリで大画面向けの最適化がロールアウトされており、今後もさらに増える予定です。
こういったアプリやその他のアプリは Google Play ストアで公開されていますが、その Google Play ストアでもこれまでで最大級の効果があるアップデートがあります。具体的には、ユーザーが Google Play ストアで大画面に最適化された最高のアプリを見つけられるように、大画面に注目した新しい記事コンテンツを導入したり、大画面アプリのレビューと評価を分けたりしました。また、Google Play をアップデートして、タブレット、Chromebook、折りたたみ式デバイスでの見栄えを向上させています。
大画面と Wear OS のアプリをさらに改善できるように、徹底解説コンテンツを作成しました。アプリをさまざまな種類の入力、画面サイズ、デバイスに対応する方法について説明します。
異なるフォーム ファクタ向けに開発やテストする際の生産性を上げることができるように、Android Studio Dolphin ベータ版と Electric Eel Canary には、Wear OS と大画面向けの新機能を追加しています。詳しくはこちらをご覧ください。
これから始めようと思っている方のために、皆さんをサポートするすばらしい I/O のコンテンツを紹介します。
Reviewed by Mari Kawanishi - Developer Marketing Manager, Google Play
この記事は Juan Sebastian Oviedo による Android Developers Blog の記事 " Google I/O 2022: What’s new in Android Development Tools " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
2022 年 5 月 11 日、Google I/O 2022 の中で、Android Studio Dolphin Beta と Android Studio Electric Eel Canary で利用可能になった新しい機能を発表しました (どちらのリリースもこちら (英語) からダウンロードできます) 。Android アプリを作成する際の生産性を向上させたいというデベロッパーからのご要望を受け、豊富な情報を活用しながらスムーズに開発するための改善です。
Android Studio Dolphin リリースが、安定版に近い品質で提供され、次のような新機能や機能向上を Beta チャネルで利用できます。
さらに新しい Android Studio Electric Eel のプレビュー リリースの機能は、Canary チャンネルでお試しいただけます。
上記の機能は、皆さんからのフィードバックを基にさらに改善を加えてから、より安定したチャンネルでリリースにも昇格されますので、ぜひお試しください。
すべての新機能の実際の動作については、Android デベロッパー ツールの新機能に関するセッションをご覧ください。
次に、Android Studio Dolphin の主な新機能と機能向上について紹介します。
Compose アニメーションの調整
マルチプレビュー アノテーション
Compose 再コンポーズ回数
Wear OS エミュレータ ペア設定アシスタント
Wear OS エミュレータのサイド ツールバー
Wear OS 実行 / デバッグ構成の新しいタイプ
Logcat V2
Gradle マネージド デバイス
次に、Android Studio Electric Eel の主な新機能と機能向上について紹介します。
エミュレータ上の Live Edit
プレビュー上の Live Edit
Google Play SDK Index のインサイト
Firebase Crashlytics に基づく App Quality Insights
サイズ変更可能なエミュレータ
ビジュアル lint チェック
エミュレートされた Bluetooth を使った、2 つの Android Emulator のペア設定
デバイスのミラーリング
まとめると、安定版に近い品質の Android Studio Dolphin Beta では、以下の新機能と機能向上をご利用いただけます。
Jetpack Compose
Wear OS
開発ツール
Android Studio Electric Eel Canary では、以下の新機能と機能向上をご利用いただけます。
Google Play と Firebase
大画面デバイス
Android Studio Dolphin Beta と Android Studio Electric Eel Canary は、いずれもこちら (英語) からダウンロードできます。こちらの手順に従ってインストールし、現在の安定版 Android Studio と共存することができます。ベータ版のリリースは安定版のリリースに近い品質ですが、まだバグが存在する可能性があります。問題が見つかった場合は、こちらのフォーム (英語) でご報告ください。同様に、Canary リリースで問題が見つかった場合や、機能についてフィードバックがある場合もご連絡ください。
問題に関するフィードバックや機能リクエストは、私たちにとって有用です。Twitter や Medium で、Android Studio 開発チームをフォローしてください。
新機能の詳細は、プレビュー リリースノートをご覧ください。 (※翻訳のタイミングによって、英語版と日本語版のリリースノートの説明内容に多少の差があります。)
この記事は Karen Ng、Jacob Lehrbaum による Android Developers Blog の記事 "What's new for Android developers at Google I/O" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Android デベロッパーの皆さんは、世界中の人々を喜ばせるエクスペリエンスを作り出そうと日々努力を重ねています。人々がこれまでになくアプリを必要としている今、期待も大きくなり、デベロッパーとしての仕事の難易度も高まっています。私たちは Google I/O で、デベロッパーの皆さんをサポートするためにリリースした新機能をいくつか発表しました。過去最大級のデザイン変更を行った Android 12 や、高品質の優れたアプリ開発をサポートする Jetpack、Jetpack Compose、Android Studio、Kotlin などです。また、ウェアラブルデバイスや大画面対応が進むデバイスを通して、ユーザーによるアプリの使用シーンを広げるお手伝いをしています。こちらの Developer Keynote でもカバーしていますが、この記事でいくつかをハイライトしてご紹介します。
Android 12 は最初のベータ版のロールアウトがはじまったばかりですが、素晴らしい機能が満載です。ユーザーの安全のための機能である、Bluetooth や推定位置情報の利用許可、優先ジョブやスタートアップ アニメーションなどといったパフォーマンスの改善、よりインタラクティブなウィジェットやストレッチ オーバー スクロールなどの楽しいエクスペリエンスまで、このリリースで Android は過去最大級のデザイン アップデートをしています。
Android 12 Beta 1 の内容の詳細についてはこちらをご覧ください。内容をご確認いただき、年内公開のコンシューマ リリースに向けて、アプリの準備を始めてください。今すぐベータ版をダウンロードして、あなたのアプリでお試しください。
ここ数年間、私たちは Android 開発エクスペリエンスを進化することに取り組んできました。デベロッパーの皆さんのフィードバックに耳を傾け、フィードバックにオープンであり続けました。それが、Android の特徴だからです。しかしながら、自分たちが正しいと信じることに関しては、妥協しないよう心がけてきました。このことは、Android Studio(デベロッパーに合わせることができる高性能 IDE) 、Kotlin(より少ないコードでより多くのことを実現できるプログラミング言語)、Jetpack ライブラリ(後方互換性でモバイルに関連する最も難しい問題を解決するライブラリ)を通して、おわかりいただけるでしょう。
このオファリングの次のステップは Jetpack Compose、あらゆる Android デバイス向けの優れたアプリを簡単に構築できる最新 UI ツールキットです。私たちは、ここ Google I/O で 2 年前に Compose を発表し、それ以来新しいバージョンを公開しながら強化を重ね、フィードバックに耳を傾け、反映させてきました。今年はじめに公開した Compose Beta 版 では、世界中のデベロッパーの皆さんが、すばらしく革新的なエクスペリエンスを提供するアプリを通常の半分ほどの時間で作り出すことも実現されています(株式会社メルカリのケーススタディ)。また、Compose を使ったコンテストである #AndroidDevChallenge へのデベロッパーの皆さんからの熱い反響に、私たちはとても感動しました!
次回の Material You のアップデート(詳細はこちら)では、新しい マテリアル コンポーネントを追加し、大画面に対応する開発をさらにサポートする予定です。短期間で楽に素晴らしい UI を作成できるようになります。Compose のテストは最後の追い込み中です。1.0 Stable は 7 月にリリース予定です。ご準備ください。
公式の強力な Android IDE の最新リリース、Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Beta が、2021 年 5 月 19 日(現地時間 5 月 18 日)に公開されました。より楽に、より短期間で良質なアプリを開発できるようデベロッパーをサポートする IDE です。このツールスイートを提供しアップデートすることで、私たちは 3 つの主要テーマを強化してきました。そのテーマとは、UI 設計期間の短縮、新しいデバイスへのアプリ拡張、デベロッパーの生産性向上です。この最新リリースと Compose を合わせて使うことで、最新の UI を作成することができます。複数のデバイスでのテスト結果をご覧ください。そして App Inspector で、デバッグ データベースとバックグラウンド タスクを最適化してください。また、Accessibility Scanner (ユーザー補助検証ツール)を用いるとアプリがより使いやすく、Memory Profiler を用いるとアプリがより高性能になります。開発期間短縮のため、Android Gradle プラグイン 7.0、新しい DSL、さまざまな API を用意しました。Android Studio アップデートの詳細についてはこちらをご覧ください。
最近の調査によると、Kotlin はいまや、プロの Android デベロッパーに最も使われている第 1 言語です。実際、Google Play Store の 120 万以上のアプリで Kotlin が使用されています。これには、トップ 1000 アプリの 80% が含まれます。Google でも、Kotlin は愛されています。Drive、Home、Maps、Play など 70 以上の Google アプリで Kotlin が使用されています。そして Kotlin の注釈処理のために新しく作られた、まったく新しいネイティブソリューション、Kotlin Symbol Processing が本日リリースされました。Kotlin のコードを直接解析するための、強力だがシンプルな API です。Room のようなライブラリで最大 2 倍の速度を誇ります。
Android Jetpack で開発されたライブラリ スィートを利用すると、ボイラープレート コードが減り、本来のコードに集中することができます。現在、トップ 10,000 アプリの 84% 以上で Jetpack ライブラリが使用されています。そして 5 月 19 日(現地時間 5 月 18 日)、Jetpack 向けの新リリースがいくつか公開されました。アプリをリリースする前にアプリの起動に影響を与える大きなインタラクションやジャンクを把握するための Jetpack Macrobenchmark(Alpha)、Jetpack DataStore(Beta)を介してデータをより効率良く維持するための新しい Kotlin Coroutines API などです。Android Jetpack のアップデートの詳細についてはこちらをご覧ください。
最新の Android 開発環境を構築する上で、私たちが心掛けているもっとも大事なことは、これらのツールを提供することで 皆さんがより容易に Android の次の時代を切り開いていけるようにするということです。そしてそれは、電話と各種デバイス(テレビ、自動車、時計、タブレット)が接続し、連携することで生まれる新たな世界を実現することに他なりません。
今日 5 月 19 日(現地時間 5 月 18 日)から私たちは、ウェアラブルにむけて大きな一歩を踏み出します。まず、Samsung と合同で Wear と Tizen の長所を組み合わせた統合プラットフォームを構築すると発表しました。次に、刷新した Google アプリによる新しいコンシューマ エクスペリエンスをベストプラクティスとして共有しました。3 つめとして、Fitbit の世界クラスの健康フィットネス サービスをプラットフォームに取り入れることにしました。これは、Android デベロッパーにとっては、手が届く範囲が広がること、そしてモバイルアプリを素晴らしいものとする既存のスキル、ツール、API のすべてを使えることを意味します。結果として、世界中の人に使われる単一のウェアラブルプラットフォームが構築されるのです。
Wear 向けの新しい Jetpack API は、小型スクリーン用に調整し、バッテリーの寿命を伸ばすために設計しました。Jetpack Tiles API を使えば、Wear エコシステムの中のあらゆるデバイス向けカスタムタイルを作成できます。他にも Wear での開発を支援する新しい機能がたくさんあります。Samsung と共同してつくられた健康フィットネス向けの新しい API セットを使用すると、センサーやメトリクス計算のデータ コレクション(心拍数、カロリー、毎日の移動距離など)が、1 つの信頼できるデータソースから取得された、無駄のない、一貫性を持った、正確なデータになります。これらすべてが新しいツールにまとめられて、Android Studio Arctic Fox Beta でリリースされています。アプリをテストするための簡易なペアリングや、エミュレータでの仮想の心拍数センサーまで揃っています。アプリが配信されたら、ユーザーは、大きくアップデートされアプリの見つけやすさも向上した Google Play で、 より容易に Wear アプリの世界を楽しむことができます。Wear アップデートの詳細については、こちらをご覧ください。
タブレット、折りたたみ式デバイス、Chrome OS ノートパソコンなど、スマホのコンテンツをより大きな画面で体験するユーザーが増えています。人々は、家族や友人とのつながりを保ったり、学校に行ったり、リモートワークしたりする目的で、大型画面デバイスにますます依存するようになっています。実際に使用されている大型画面の Android デバイスは 2 億 5000 万台を超えています。Chrome OS は昨年、PC 市場の成長率の 5 倍、前年比で +92% 成長しました。その結果、Chrome OS は最速の成長を遂げて、2 番目に人気のデスクトップ OS になりました。この機会を掴むべく、大型画面でのエクスペリエンスをより簡単に最適化するための API と各種ツールを用意しました。たとえば、SlidingPaneLayout 1.2.0 と新しい垂直ナビゲーション レール コンポーネントを使うと大きくなった空間に合わせてコンテンツのサイズが自動調整されます。コンポーネントの幅を最大化することで UI が間延びしないようにします。また、プラットフォーム、Chrome OS、および Jetpack windowmanager がアップデートされたため、デフォルトでもアプリが問題なく動作します。詳細についてはこちらをご覧ください。
以上のことは、高品質の Android アプリを構築しやすくする、新しい方法のほんの一部です。5 月 19 日(現地時間 5 月 18 日)以降、私たちは Android と Google Play に関するテクニカル セッションを 20 以上公開し、バックグラウンド タスク、プライバシー、Android における機会学習、Android 12 に備えるトップ 12 のヒントなど、さまざまなトピックを扱います。自動車、テレビ、ウェアラブルの構築を担当する方のためのセッションもあります。こうしたセッションなどのすべての情報は、I/O の Web サイトにあります。今年の Google I/O では、セッションやニュースだけでなく、Google 関係者や他のデベロッパーとバーチャルにつながることができる楽しい仕掛けがたくさんあります。I/O Adventure の Android ドームをチェックしてください。新しいブログ投稿、ビデオ、コードラボなどをご覧いただけます。Jetpack Compose スキルを試したり、ドーム内部の自動車を巡るバーチャルツアーにもご参加ください!(注:会期外でアクセスできないプログラムがありますのでご了承ください)
Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team and Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play