この記事は Android Team による Android Developers Blog の記事 " Chrome’s multitasking usage increases 18x on large screens " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Google Chrome は、世界で最も広く使われているブラウザです。そして Chrome チームは、そのユーザーがあらゆるデバイスで確実にすばらしい体験ができるようにしたいと願っています。多くの Chrome ユーザーは、モバイル、タブレット、折りたたみ式デバイスにも生産性機能が追加され、PC 版 Chrome の機能に匹敵するようになることを望んでいます。こういったニーズに応えるため、マルチタスク機能を推進できる仕組みを構築することにしました。この機能の開発対象にはスマートフォンも含まれていますが、最もよく使われると思われるタブレットや折りたたみ式などの大画面デバイスを特に主眼において実装することにしました。
まずは、複数の Chrome ウィンドウ(インスタンス)を並べて開く方法の開発に注力することにしました。それに当たり、タスクバーなどの 12L の機能や、Samsung のエッジパネルを活用しました。
横に並べる機能は、singleInstancePerTask (英語) 起動モードを使って構築しました。必要だったのは、ユーザーが同時にたくさんのウィンドウを使えるようにすることと、機能のユーザビリティを両立することです。そこで、ユーザビリティのベスト プラクティスを調査し、大画面デバイスでの他のマルチウィンドウ体験を観察し、デバイスで最適なメモリ使用量を保証するための制限について検討しました。そして、大画面デバイスでは最大 5 つのウィンドウを並べても快適に利用できると判断し、この機能をサポートするようにアプリを更新しました。
また、ユーザーにとって使いやすい機能にするため、メニューに新規ウィンドウのショートカットを追加しました。このショートカットは、新しいインテント フラグの組み合わせ LAUNCH_ADJACENT | NEW_TASK (英語) を使って作成しました。プロダクト内でこの機能が目立つように表示されたことで、使用頻度が大幅に向上し、 マルチウィンドウの利用が 18 倍になりました。
これは新機能ですが、Chrome アプリのマルチインスタンスの利用は、この機能をサポートしているスマートフォンと比較して、タブレットと折りたたみ式では 42% 多いことがすでにわかっています。利用状況から、この機能は大画面デバイスの Chrome ユーザーに好意的に受け止められていることが示されています。また、このような機能を構築して、大画面の Chrome ユーザーのエクスペリエンスを拡張することは、価値がある作業であることもわかります。
さらに、アプリのレビューという形でも、以下のように大画面ユーザーからたいへん好意的なフィードバックが寄せられています。「このアプリはすばらしい 👌!画面を分割したり、タブを変更したりできます。その中でたくさんのゲームをプレイすることもできます。私はこのアプリに 5 つ星をつけます」
今後も、大画面での Chrome エクスペリエンスとユーザーの生産性をさらに向上させたいと考えています。
大画面向けにアプリの最適化を始める方法は、こちらをご覧ください。