この記事は Android Developers Team による Android Developers Blog の記事 " Todoist adopted Compose for Wear OS and increased its growth rate by 50 percent " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Todoist は、タスクと時間管理用の世界トップクラスのアプリで、3,000 万人以上が大小のプロジェクトの整理、計画、共同作業に活用しています。企業としての Todoist は、ユーザーに仕事や生活の充実度を上げてもらうために尽力しています。そのための方策の 1 つが、さまざまなデバイスからアプリにアクセスできるようにすることです。
そこで、Todoist のデベロッパーは、Wear OS 向け Compose (英語) を採用してウェアラブル向けにアプリを完全に再構築しました。この新しい UI ツールキットは、Android が他のデバイス向けに提供しているのと同じ仕組みをウェアラブルのデベロッパーに提供することで、簡単で効率的な管理しやすいアプリ開発を実現します。
Todoist のデベロッパーは、すでに Android モバイルで Jetpack Compose を使っていたため、短時間で Wear OS 向け Compose を使いこなすことができました。「新しい Wear 向けデザイン言語と Wear OS 向け Compose が発表されたとき、とても興奮しました」と Todoist の Android 担当責任者の Rastislav Vaško 氏は話します。「それが、このプラットフォームの今後に注力する新たなモチベーションとチャンスになりました」
モバイル向けの Jetpack Compose と同じように、Wear OS 向け Compose ツールキットから直接カスタマイズ可能なコンポーネントを組み込めるので、これまで使っていたビューベースのレイアウトよりもはるかに短時間でコードを書いて設計要件を実現できます。公開されているドキュメントや Wear OS 向け Compose の Codelab の実践的なガイドもあったので、以前のツールキットの知識をウェアラブル プラットフォームでも活用できました。
「Wear OS 向け Compose には、レイアウトを作るために必要なものがほぼそろっていました。スワイプで閉じる、TimeText、ScalingLazyList は、すぐに使えてうまく動作するコンポーネントでした。それでいながら、注目される個性的なアプリを作ることができました」と Vaško 氏は言います。ツールキットでまだ提供されていない機能を実現するため、Todoist のチームは Google の Horologist (英語) を使いました。これはオープンソースのライブラリ群で、まだ実現されていない一般的な機能を Wear OS デベロッパーに提供しています。さらに、Compose Layout library を使って、ネイティブ デザインガイドと同等の Fade Away Modifier を組み込みました。
Wear OS 向け Compose には高度な Kotlin 構文と最新の宣言型アプローチが使われているので、Wear OS の UI 開発が簡単になり、複雑な画面でも読みやすく、保守しやすくなります。これは新しい Todoist アプリの制作にとって大きなメリットであり、デベロッパーは時間を節約しながら、これまでよりも多くのことができるようになりました。
再構築の中心になったのは、すべての画面の再設計と、最新の Wear OS 向けマテリアル デザインに準拠する操作でした。Todoist のデベロッパーは、Wear OS 向け Compose を使い、WearableDrawerLayout (英語) からフラットなアプリ構造に移行しました。この変更は Wear OS 向けマテリアル デザインのガイドに従ったもので、これによってアプリのレイアウトを最新化できました。
また、Todoist のデベロッパーは各画面を Wear OS デバイス専用にデザインし、ユーザー エクスペリエンスを煩雑にする不要な要素を削除しました。
「ウェアラブルでは、常に何を省けるかを考え、一瞬で行える的を絞った効率的な操作のみを残すようにしています」と Vaško 氏は述べています。Wear OS 向け Compose は開発とデザインの両面にわたって非常に役立ち、Todoist のチームは一貫したユーザー エクスペリエンスを保ちながら、保守しやすい実装を実現できました。
Todoist のデベロッパーは、Jetpack Compose を使って短時間で効率的に Wear OS 向けの更新版アプリを作ることができました。最新のツール、直感的な API、たくさんのリソース、ドキュメント、サンプルのおかげで、デザインと開発のプロセスがスムーズになり、必要なコードも少なくなって、機能的で新鮮なユーザー エクスペリエンスを短時間で提供できました。
アプリを再構築した後、Google Play での Todoist のインストール数増加率は 50% 上昇し、社内のチームやソーシャル メディアからも肯定的なフィードバックが寄せられました。
Todoist のチームは、Wear OS 向け Compose を使ってアプリで他に何ができるかを見つけたいと思っています。今回の更新はウェアラブルの将来への投資だと考えており、さらなるチャンスと Wear OS 3 デバイスで提供できる機能に期待を寄せています。
Todoist は、Wear OS 向け Compose を使って Wear OS アプリの完全な再構築と再設計を行い、ユーザーとデベロッパーの両方の体験が向上しました。
Wear OS 向け Jetpack Compose は、以下で学ぶことができます。