#WeArePlay がお届けする特別インタビュー。アプリ開発に取り組むクリエイターたちの舞台裏に迫ります。今回は、野球ゲーム『私を甲子園に連れてって』を手がけた株式会社ふるあぷの古田悠さんにお話を伺いました。開発秘話やユーザーとの交流、今後の展望を語っていただきます。
株式会社ふるあぷの古田悠です。「ふるあぷ」という名前で、個人開発者として活動しています。
もともと会社員でしたが、趣味で作っていたアプリ開発が楽しくて、「これで生計を立てられたらいいな」と考えるようになり、独立しました。ちょうどその頃、個人でもアプリを世に出せる環境が整い始めていたのです。自分の作ったものを多くの人に使ってもらえて、それが収益にも繋がる。この可能性に魅力を感じました。
とはいえ、最初は本当にやっていけるのか不安でした。転機になったのは、開発者向けのオフ会に参加したことです。すでに活躍されている方々の話を直接聞いて、「自分もできるかもしれない」と一歩踏み出す覚悟ができました。そこで得た刺激や知識は、今でも大きな支えになっています。
開発は基本的に 1 人ですが、企画の方向性などは妻に相談することもあります。ユーザーに近い視点での意見はとても参考になります。
私が主に作っているのは野球ゲームです。中学時代の野球部経験と、高校で続けなかった後悔から、「野球に関わる仕事がしたい」という思いがずっとありました。プロ野球のような大きなテーマは個人では難しいと考え、草野球や高校野球といった、より身近なテーマを選んで、『私を甲子園に連れてって』ほか、全部で 5 つの野球関連ゲームを公開することができました。
開発においては、常に新しいことに挑戦しよう、作品ごとに少しずつクオリティを上げようと心がけてきました。もちろん、ユーザーの皆さんからの声も大きな力です。「面白い」と言ってもらえるのが、何よりの励みになります。
アプリ開発を続ける上で、収益化は重要な課題です。Google Play での公開を始めてから、開発者向けツール「Google Play Console」のデータ分析機能には本当に助けられています。
ダウンロード数だけでなく、さまざまな角度からの詳細なデータを特別な設定なしで確認できる点が素晴らしいです。特に収益化においては、この分析データが大きな助けとなりました。アプリの収益源は主に広告と課金ですが、特に重要視したのは課金です。
当初は、面白いゲームを作れば自然と課金してくれるユーザーが増えるだろうと考えていました。しかし、Google Play Console のデータを見てみると、現実は違いました。そこで、戦略を見直す必要性を感じたため、Google Play Console の機能を活用し、データ分析を行いました。
データ分析の結果を踏まえ、ユーザーの皆様に最初の一歩として課金を体験していただきやすいよう、工夫を凝らしました。課金していないユーザーが「これなら欲しい」と思えるようなアイテムや価格設定を考え、初回限定のボーナスをつけたり、ゲームプレイで惜しくも目標を達成できなかった際の救済措置として課金アイテムを用意したりと、データを参考にしながら細かな調整を繰り返しました。Google Play の分析ツールがあったからこそ、こうした具体的な改善策に繋げられたのだと思います。
嬉しいことに、リリースから数年経ったアプリでも、長く遊んでくださるユーザーさんが増え、2023 年には月間の最高収益を記録することもできました。諦めずに続けてきたことが、少しずつ形になってきていると感じています。
アプリ開発は、夢中になれる対象として私にとって大きな存在です。この歳になって、こんなにも没頭できるものに出会えたことは本当に幸せです。1 人で開発していますが、同じように個人で頑張っている開発者の仲間たちと刺激し合いながら進んでいます。
これまでは 1 人での開発が中心でしたが、今後は企業との協力なども少しずつ視野に入れながら、さらに挑戦を続けていきたいと考えています。「ふるあぷ」らしい、皆さんに楽しんでいただける野球ゲームを届けられるよう、これからも頑張ります。
#WeArePlay で掲載したその他のストーリーは、こちらからご確認いただけます。