ユーザーからは、Android 10 以前のバージョンの Android の保護も強化してほしい、アプリがどのようにデータを使っているのかについて透明性を上げてほしいという要望も寄せられています。
バックグラウンドでの位置情報の利用状況を詳しく分析したところ、バックグラウンドで位置情報をリクエストしているアプリの多くは、実際にはそれを必要としていないことがわかりました。つまり、こういったアプリの多くは、ユーザーがアプリを使用している場合にのみ位置情報にアクセスするようにしても、同じユーザー エクスペリエンスを提供できるのです。
私たちは、ユーザーがいつ位置情報を共有するかを簡単に選択できるようにしたいと考えています。また、アプリが必要としないアクセス許可は求めるべきではありません。そこで今年は、デベロッパーがバックグラウンドで位置情報データにアクセスしたい場合、承認を得ることを義務付けるように Google Play のポリシーをアップデートする予定です。審査の要素は以下のようになる見込みです。
- その機能はユーザーに明らかな価値を提供しているか
- ユーザーはアプリがバックグラウンドで位置情報にアクセスすることを予期できるか
- その機能はアプリの主な目的を実現するために重要か
- バックグラウンドで位置情報にアクセスせずに同じエクスペリエンスを提供できないか
Google が提供するアプリを含め、すべてのアプリが同じ要素について評価を受けることになります。また、送信されたすべてのアプリが、私たちのチームによるレビューを受けることになります。ここでは、3 つの例について考えてみます。
コアな機能の一部として緊急アラートや安全アラートを送信するアプリで、アクセスが必要な理由をユーザーに明確に伝えているものは、バックグラウンドで位置情報をリクエストする確かな理由があります。
ユーザーが許可することで、友人に対して継続的に位置情報を共有できるソーシャル ネットワーク アプリも、バックグラウンドで位置情報にアクセスする確かな理由があります。
一方、近くのお店を見つける機能があるアプリにとっては、ユーザーに表示されているときのみ位置情報にアクセスできれば十分であると考えられます。このようなアプリには、新しいポリシーのもとでは、バックグラウンドで位置情報をリクエストする確かな理由は見当たらないということになります。
これらの方針についてデベロッパーにフィードバックを求めたところ、大半の方は情報が悪用されることへのユーザーの懸念を理解され、位置情報の使用方法を変更して安全性と透明性を向上させることに前向きな反応を示されました。
バックグラウンド アクセスの承認を得る
ポリシーのアップデートにあたり、皆さんがアクションを検討したり実際の変更を行うために十分な時間を必要としていることは承知しています。そこで、事前に Play Console からユースケースを送信いただければ、新しいポリシーの元でそれが許可されるかどうかについてフィードバックをさせていただく予定です。
このポリシーは以下のスケジュールで施行される予定ですが、変更の可能性もあるということはご了承願います。
- 4 月: バックグラウンド位置情報に関する公式 Google Play ポリシーをアップデートします。
- 5 月: デベロッパーが Play Console からユースケースに関するフィードバックをリクエストできるようにします。大勢のデベロッパーから多数のアプリ提出が見込まれるため、回答までにかかる時間は 2 週間程度を見込んでいます。
- 8 月 3 日: バックグラウンドで位置情報にアクセスする新規アプリを Google Play に提出する場合、すべてのアプリで承認が必要になります。
- 11 月 2 日: バックグラウンドで位置情報をリクエストする既存のアプリも、すべて承認が必要になります。承認が得られなかったアプリは、Google Play から削除されます。
位置情報へのアクセスの見直しと評価