この記事は Chet Haase による Android Developers - Medium の記事 "Now in Android #26" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。



Android 開発の最新ニュースやトピックをご紹介する Now in Android。今回は ターゲット API 要件、AndroidX、Android Basics コース Unit 2、Play Store と Billing の記事、ゲーム デベロッパー向けのテクスチャ マッピング、RecyclerView、パフォーマンス、認証、最近公開されたブログ記事・動画・関連ドキュメント、ポッドキャスト エピソードをご紹介します。

アプリのアップデートでターゲット API 29 以降が必須に


11 月 2 日より、すべてのアプリのアップデートは API レベル 29 以降をターゲットにする必要があります。ほとんどのアプリは既にこのアップデートを完了されていますが、まだ未対応の方は今が絶好のタイミングです。


AndroidX リリース


AndroidX では、いつものようにアルファ版ベータ版RC 版でいくつかの中間バージョンのアップデートが行われています。しかし、安定版がリリースされたライブラリもありますのでご活用ください。

  • Media 1.2.0: このリリースでは、AudioAttributesCompat のサポートの改善、Mediarouter を使う場合のボリューム コントロールのサポート、Media2 との相互運用性に関する修正が行われています。

  • Exif 1.3.0: このバージョンでは、いくつかの重要なバグ(メモリ不足状態を引き起こすものなど)の修正に加え、WebP ファイルに EXIF メタデータを書き込む機能が追加されています。

コース: Android Basics in Kotlin




Android Basics in Kotlin コースの Unit 2 が公開されました。このコースを受講すると、開発経験がなくても、無料でソフトウェア開発、Android、Kotlin のすべてを同じコースで学ぶことができます。

  • Unit 1: Kotlin Basics for Android では、クラス、オブジェクト、条件文などの基礎的内容や、Android アプリでイメージやテキストを使う方法について解説します。

  • Unit 2: Layouts では、XML レイアウト、マテリアル デザイン、ユーザーの入力の受け取り、RecyclerView の使用など、UI の考え方を紹介します。これらの機能などを搭載した 2 種類のアプリを作ります。

Google Play の最新情報と関連記事


Google Play についての最新記事が公開されました。デベロッパーの皆さんは、ぜひご確認ください。

Google Play ストアと課金システム


Google Play ストアを使って配信を行っているアプリ、ゲームのデベロッパーに向けて、Sameer Samat (Vice President、 Product Management)が Play ストアを利用する際の要件やポリシーを改めてまとめた記事を公開しました。たとえば、Play ストアや他のアプリストアでの配信、デジタル商品のアプリ内購入に Google Play の課金システム を使う際の留意点などについて説明しています。


また、Google Play の課金システムやそれに関連したポリシーについてさらに詳しくご理解いただけるよう、Mrinalini Loew がよくいただく質問とそれらに対する回答を公開しました。


さらに Google Play の課金システムの実装方法について詳しく知りたい方は、Caren Chang のシリーズ記事をお読みください。(英語)



Google Play Console

Play Console を使っている方なら、新しいバージョンのコンソールを見たことがあるはずです。新しい Play コンソールは、6 月にベータ版を公開しました。一般的なベータ版プロダクトと同じように(少なくとも理想どおりに進めば)、Play Console は今から 1 か月後の 11 月 2 日にベータ版が 終了し、安定版がリリースされます。そして古い Play Console は使えなくなり、すべてのユーザーが新しいバージョンを使うことになります。

この新しいバージョンでは、大幅に改善された UI や操作(完全に再設計されています)など、さまざまな機能が提供されます。

リリース前に新しいコンソールを確認したい方は、play.google.com/console にアクセスしてみてください。または、11 月 2 日に 新しい コンソールが唯一 の選択肢となるまで、ハラハラしながら待ってから使い始めるのもいいかもしれません。


ゲーム デベロッパーの皆さんへ


先日、Android 向けのゲームを開発しているデベロッパーのためのコンテンツを投稿しました。

テクスチャ圧縮フォーマットのターゲット指定


テクスチャ圧縮はゲームに役立つ技術です。異なるフォーマットを使い分けることで、ダウンロードやランタイムのサイズを縮小しつつ、実行時のパフォーマンスを向上させることができます。ただし、すべての端末がすべてのテクスチャ フォーマットをサポートしているわけではありません。では、デベロッパーはどうすればいいでしょうか。

Play Asset Delivery を使うと、App Bundle で複数の種類のテクスチャ フォーマットを使えるようになり、ユーザーの端末の機能に応じて適切なバージョンがダウンロードされます。Daniel Galpin によるこちらの記事では、テクスチャ圧縮の簡単な概要と、新しいゲーム配信機能のメリットを活用する方法について詳しく説明しています。動画で見たい方のために、Daniel Game Dev Show でも同じ内容を紹介しています。




GPU Inspector のテクスチャ カウンター


テクスチャとゲーム開発について、Francesco Carucci が Game Dev Show に動画を投稿しました。この動画では、新しい Android GPU Inspector ツールの機能を使って、テクスチャの利用に関連したパフォーマンスの問題の調査方法を紹介しています。

テクスチャはゲームが描画するグラフィックの主役なので、パフォーマンスの問題でも主役になる場合があります。この動画では、GPU Inspector を使う例と、帯域幅やキャッシュ、フィルタリングに関する問題について、またこれらの問題がこのツールでどのように明らかになるのかについて説明しています。



その他の最近公開されたブログ記事と動画


RecyclerView の基本


Meghan Mehta が RecyclerView についての記事を投稿しました。RecyclerView については、RecyclerView ガイドや、KotlinJava 両方のサンプル、そしてもちろん関連ドキュメントなど、既に多数の情報があります。しかし、テキストの項目やシンプルな概要などを表示する基本的な RecyclerView を作るだけなら、この記事がぴったりかもしれません。また、ベースとなるサンプルコードも確認したい方は、この記事の GitHub プロジェクトもご覧ください。

パフォーマンスに関する誤解を解消する


Calin Juravle は、Android アプリのパフォーマンスを改善する方法について、いくつかの誤解を取り上げる(そして解消する)記事を公開しました。たとえば、Kotlin と Java のアプリのサイズや起動時間の比較、フィールドと getter/setter の比較、ラムダと内部クラスの比較、オブジェクト プールの利用について解説しています。詳しくは記事をご覧ください

この記事の中で一番重要なポイントをお伝えしましょう。それは、どの最適化に時間をかけるかを決める前に、アプリのプロファイリングを行うこと、つまりデバッグ版でないものを使うことです。アプリのプロファイリングを先に行わないと、ユーザーの時間を節約するのではなく、自分の時間を無駄にすることになりかねません。

セキュリティと認証


Android セキュリティ チームは、さまざまな階層の認証について説明した記事を投稿しました。さらに、Android P、Android 10、Android 11 に導入されているバイオメトリック API についても詳しく説明しています。

またお会いしましょう


今回は以上です。次回も Android デベロッパーの世界の最新アップデートをお届けします。お楽しみに。
 


Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team and Hidenori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC