この記事は Meghan Mehta による Android Developers - Medium の記事 "Working with Package Visibility" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

Android では、ユーザーのプライバシーとプラットフォームのセキュリティを高め、ユーザーに安全な体験を提供するための変更を行っています。Android 11(API レベル 30)以降をターゲットとしたアプリは、ユーザーがデバイスにインストールしているアプリのうち、フィルタによって絞り込まれた一部のアプリのみしか参照できないようになっています。それ以外のアプリにアクセスしたい場合は、Android マニフェストで<queries> 要素を使い、直接連携するアプリを宣言しなければなりません。このブログ投稿では、この機能に対応する際のベスト プラクティスについて解説します。

アプリに対するクエリと連携

アプリに対するクエリや連携を行うには、いくつかの方法があります。

  • クエリや連携の対象となる具体的なアプリがわかっている場合は、<queries> 要素に <package> 要素を追加し、そこにパッケージ名を含めます。

<!-- Copyright 2019 Google LLC. 

   SPDX-License-Identifier: Apache-2.0 -->


<manifest package="com.example.game">

  <queries>

    <package android:name="com.example.store" />

    <package android:name="com.example.services" />

  </queries>

  …

</manifest>

  • 特定の目的を持ったアプリのクエリまたは連携を行う必要があり、含めるべき具体的なパッケージ名がわからない場合は、<queries> 要素にインテント フィルタのシグネチャのリストを含めることができます。これにより、<intent-filter> 要素に一致するアプリを検出できます。

!-- Copyright 2019 Google LLC. 

   SPDX-License-Identifier: Apache-2.0 -->


<manifest package="com.example.game">

    <queries>

        <intent>

            <action android:name="android.intent.action.SEND" />

            <data android:mimeType="image/jpeg" />

        </intent>

    </queries>

    ...

</manifest>

  • コンテンツ プロバイダに対してクエリを実行する必要があり、具体的なパッケージ名がわからない場合は、<provider> 要素でプロバイダのオーソリティを宣言できます。


<!-- Copyright 2019 Google LLC. 

   SPDX-License-Identifier: Apache-2.0 -->


<manifest package="com.example.suite.enterprise">

  <queries>

    <provider android:authorities="com.example.settings.files" />

   </queries>

  …

</manifest>

連携する場合、必要なパッケージのみに対してクエリを実行し、データを最小限にとどめることを推奨します。    QUERY_ALL_PACKAGES や、同じく広範な <intent> 要素は、そのレベルの情報が必要になるアプリでのみ利用してください。また、新しい Package Visibility ポリシーでは、デバイスにインストールされているアプリの一覧が参照できる QUERY_ALL_PACKAGES パーミッションを新たに使用する場合、承認プロセスを通していただく必要があります。詳しくは、こちらをご覧ください

アクティビティ フラグ

ほとんどの一般的なユースケースでは、広範囲にわたってインストールされているアプリの情報を得る必要はありません。多くのシナリオでは、startActivity() で十分目的は果たせます。インテントを実行できるアプリがない場合は、例外をキャッチします。

<!-- Copyright 2019 Google LLC. 

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try {

  val intent = Intent(ACTION_VIEW, Uri.parse(url)).apply {

    addCategory(CATEGORY_BROWSABLE)

  }

  startActivity(intent)

} catch (e: ActivityNotFoundException) {

  Snackbar.make(it,"Activity Not Found",Snackbar.LENGTH_LONG).show()

}

ターゲットが見えなかったとしても、アクティビティを開始できます。ただし、これは暗黙的インテントなので、アクティビティが利用できるかどうかを開始前に問い合わせたり、起動する具体的なアプリを確認したりすることはできません。インテントを実行できなかった場合は、起動時に通知されます。この問題には、フラグを使って対処することができます。


FLAG_ACTIVITY_REQUIRE_NON_BROWSER


このフラグを使うと、インテントがブラウザ以外の結果として解決できる場合のみ、インテントが起動されます。そのような結果が存在しない場合は、ActivityNotFoundException が投げられ、アプリはカスタムタブで URL を開きます。

<!-- Copyright 2019 Google LLC. 

   SPDX-License-Identifier: Apache-2.0 -->


val intent = Intent(ACTION_VIEW, Uri.parse(url)).apply {

  // The URL should either launch directly in a non-browser app (if it's

  // the default), or in the disambiguation dialog.

  addCategory(CATEGORY_BROWSABLE)

  flags = FLAG_ACTIVITY_NEW_TASK or FLAG_ACTIVITY_REQUIRE_NON_BROWSER

}

インテントにこのフラグが含まれていると、startActivity() の呼び出しでブラウザアプリが直接起動される、または確認ダイアログ(オプションはブラウザアプリのみ)がユーザーに表示される場合、ActivityNotFoundException が投げられます。フラグの詳細については、ユースケースに基づいてパッケージの公開設定を設定するをご覧ください。 

フラグがよく使われる例として、カスタムタブがあげられます。カスタムタブを使うと、ブラウザの見た目をカスタマイズできます。ブラウザ以外のアプリでも、リンクはカスタムタブで正しく開きます。しかし、どのブラウザのカスタムタブを使うかをデベロッパーが選びたいような高度な事例では、フラグが役立ちます。

共有シートのカスタマイズ

カスタムの共有シートではなく、システムの共有シートを使うことをお勧めします。システムの共有シートは、アプリが見えなくてもカスタマイズできます。詳しくはこちらのドキュメントをご覧ください。

パッケージの可視性のデバッグ

マニフェストを調べれば、含まれているすべてのクエリを簡単に確認できます。これを行うには、マニフェスト ファイルに移動して [Merged Manifest] を選択します。 

パッケージ フィルタリングのログ メッセージを有効にして、デフォルトの Package Visibility がアプリに与える影響を確認することもできます。

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$ adb shell pm log-visibility - enable YOUR_PACKAGE_NAME

次のステップ

パッケージの可視性の詳細については、以下の情報をご覧ください。


それでは、コーディングをお楽しみください。


Reviewed by Takeshi Hagikura - Developer Relations Team and Hidenori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC