2021 年 7 月 12 日(米国時間) に、Android Game Development Kit(AGDK)をリリースしました。これはさまざまなツールとライブラリの集まりで、高品質の Android ゲームを開発、最適化、配信する際に役立ちます。
AGDK の機能は、次の 3 つの信条に従っています。
この初回リリースでは、デベロッパー コミュニティから多くのフィードバックが寄せられた 3 つの主要領域に注力しています。具体的には、統合ワークフロー、C/C++ ゲーム ライブラリ、そしてパフォーマンスの最適化です。
一般的には、ツールを切り替える回数が少ないほど、効率が上がります。そこで AGDK では、皆さんが主に使う IDE で Android ゲーム開発を高速化できる新しいツールを提供します。皆さまが使い慣れている既存のワークフローのどの部分とも両立できるようにしつつ、Google が独自の価値を追加して Android 固有の問題を解消できるワークフローに注力したいと考えています。
C/C++ 開発用のゲーム ライブラリを使うと、Java Native Interface(JNI)を使う頻度を減らし、C で開発を始めることができます。ほとんどのゲームやゲームエンジンは C++ で書かれていますが、ほとんどの Android 開発では Java プログラミング言語を使用する必要があります。Java Native Interface でこの 2 つの言語を連携させるには労力が必要で、それがバグやパフォーマンス低下の原因となる場合があります。AGDK では、Java プログラミング言語と JNI の利用を最低限にとどめる C ゲーム ライブラリが提供されるので、ゲームエンジンの構築やカスタマイズに役立ちます。つまり、ゲームの開発、デバッグ、メンテナンスが容易になります。
私たちは、皆さんが一番不満を感じている部分に集中的に取り組んでいます。最初のうちは、アクティビティや入力のベースとなるクラスを構築することで対処しますが、長期的には、C ライブラリをさらに追加し、さまざまなゲームエンジンで一般的に使われる機能を提供することを計画しています。既存のフレーム ペーシング ライブラリと高パフォーマンス オーディオ ライブラリをこの作業に組み込み、さらに次の 3 つの新機能を追加します。
これらのライブラリの詳細は、Google for Games Developer Summit 2021 の C/C++ ライブラリのセッション (日本語字幕あり)をご覧ください。
できる限り簡単に統合作業を行えるように、すべてのライブラリは、Maven 依存関係、コンパイル済み Zip ファイル、ソースコードとして取得できるようになっています。
ここでの目標は、リリース前に安定性やパフォーマンスの問題を見つけられるようにすること、リリース後に監視して問題が起きたときに把握できるようにすることです。まずは、フレームレート、読み込み時間、メモリなどの特に重要な指標から始め、今後も新しい指標を追加する予定です。
g.co/android/AGDK (英語) にアクセスすると、Android ゲーム開発の最新リソースを確認したり、AGDK をダウンロードすることができます。Google for Games Developer Summit のすべてのセッションの情報は、モバイル セッション トラック(日本語字幕あり) から確認できます。日本で開催される振り返りイベントにも、ぜひご参加ください。
Reviewed by Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play