この記事は Android デベロッパー リレーションズ エンジニア、Jolanda Verhoef による Android Developer Blog の記事 " What’s new in Jetpack Compose" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Jetpack Compose 初の安定版をリリースしてから、もうすぐ 2 年が経ちました。それ以来、採用数と機能セットは大きく拡大しています。Compose なら、スマートフォン、折りたたみ式、タブレット、ChromeOS デバイス、スマートウォッチ、TV など、あらゆるデバイスを対象にしてアプリケーションを記述できます。Wear OS、スマートフォン、大画面向けの新しいアプリには、ぜひ Compose をお使いください。新しいツールとライブラリ機能、拡張されたマテリアル デザイン 3、大画面、Wear OS サポート、そしてホーム画面ウィジェットや TV 向けの Compose のアルファ版など…今、期待が大きく膨らんでいます!
昨年は、多くの企業が調査のうえ、本番環境のアプリケーションで新機能を開発したり、画面を移行したりするために Compose を選択しました。Google Play のトップ 1,000 アプリの 24% で、Compose がすでに採用されています。たとえば、Dropbox のエンジニアは、わずか数週間で検索エクスペリエンスを Compose に書き換えたことを話してくれました。これは、想定時間よりも 40% 早く、iOS での開発時間の半分以下でした。さらに、Compose の採用に関心があったのは 「デザインシステムとツールのサポートが第一級であるため」だったことも教えてくれました。Google ドライブ チームも、Compose とアーキテクチャの改善を組み合わせることで、開発時間をほぼ半分に短縮できました。
うれしいことに、このようなチームでは開発サイクルを高速化させ、UI コードのテスト性向上も実感しています。興味を持った方は、まずチームで Compose を採用する方法を説明したガイドをお読みください。このガイドでは、どこからどのように始めたらよいかを説明しているほか、Compose が大きな付加価値を提供できる開発領域を示しています。
昨年 10 月には、初めての Compose の部品構成表 (英語) をリリースしました。その後も、新機能、バグの修正、パフォーマンスの改善に加えて、スマートフォンやタブレット、折りたたみ式、スマートウォッチ、TV、ホーム画面など、UI を開発するすべての場所に Compose を導入するための作業を続けています。すべての変更点は、Compose ライブラリの 2023 年 5 月のリリースと最新のアルファ版で確認できます。
パフォーマンスを気にかけているが、パフォーマンスの高い Compose アプリケーションを作成する方法がわからないときがある、という声も寄せられています。私たちは、Compose のパフォーマンスを継続的に改善しています。たとえば、昨年 10 月時点で修飾子を効率のよい新システムに移行する作業を始めており、この移行の結果が現れ始めています。テキストだけでも、この作業によって平均して 22% のパフォーマンス向上を実現しています。この改善は最新のアルファ版リリースで確認でき、全体にわたって適用されます。Compose のバージョンをアップデートするだけで、アプリでこのメリットを活用できます。
ここ数か月間で、Text と TextField は何度もアップグレードされています。すでに説明したパフォーマンス改善と合わせて、Compose で最新バージョンの絵文字 🫶 がサポートされ、テキストのアウトライン化、ハイフネーションのサポート、改行動作の設定などの新しいテキスト機能も追加されています。詳しくは、compose-foundation と compose-ui ライブラリのリリースノートをご覧ください。
新しい Pager コンポーネント (英語) を使うと、横または縦にコンテンツをめくることができます。これはビューの ViewPager2 (英語) と同等の機能です。カスタマイズ オプションを細かく調整できるので、驚くような視覚効果を実現することもできます。
新しいフロー レイアウトである FlowRow と FlowColumn を使うと、段落にテキスト行を配置するかのように、縦または横方向に簡単にコンテンツを並べることができます。ウェイトを使った動的なサイズ調整もできるので、項目をコンテナに自在に配置できます。
新機能、パフォーマンスの改善、バグの修正の詳細について知りたい方は、Compose ライブラリの最新の安定版と最新のアルファ版リリースのリリースノートをご覧ください。
新しいツールやツールの改善により、Jetpack Compose を使ったアプリ開発はとても簡単になっています。Android Studio にたくさんの新機能を追加し、ワークフローと効率を改善しました。ここでは、主な機能を紹介します。
最新安定版リリースの Android Studio Flamingo では、以下の機能が提供されます。
デフォルトのプロジェクト テンプレートで Compose とマテリアル 3 を使用 : これは、推奨方法を反映したものです。
Compose プレビューの Material You ダイナミック カラー : ユーザーのデバイスで異なる色の壁紙にコンポーザブルがどのように反応するかをすぐに確認できます。
システム トレースの Compose 関数 : システム トレース プロファイラを使って、どの Compose 関数で再コンポーズが行われているかを把握できます。
最新ベータ版リリースの Android Studio Giraffe (英語) には、次のような機能が含まれています。
ライブ編集 : エミュレータまたは実機で、アプリの再ビルドや再デプロイをすることなく、コードの反復作業をすばやく繰り返すことができます。
アニメーション プレビューでの新しいアニメーション API のサポート: animate*AsState、CrossFade、rememberInfiniteTransition、AnimatedContent を使ったどんなアニメーションでもデバッグできます。
Compose プレビューでの複数ファイルのライブ アップデートのサポート : たとえば Theme.kt ファイルを変更した場合、UI ファイルのすべてのプレビューが自動的に更新されます。
自動補完動作の改善 : たとえばマテリアル アイコンを追加しているなら、アイコンのプレビューが表示されます。また、「メンバーの実装」の実行中に、@Composable アノテーションが保持されます。
Android Studio Hedgehog (英語) には、次のようなカナリア機能が含まれます。
デバッガに Compose の状態情報を表示 : アプリのデバッグ時に、厳密にどのパラメータが「変更された」または「変更されなかった」のかがデバッガに表示されます。そのため、再コンポーズの原因を調査する際の効率が上がります。
新しい Studio Bot : AI を活用した試験運用版会話型エクスペリエンスを Android Studio で試すことができます。コード生成、問題の修正、ベスト プラクティスの学習など、Compose に関するあらゆることをサポートします。これは早期試験運用版ですが、ぜひお試しいただきたいと考えています。(* 現時点では、まだ日本向けには未公開)
新たに発表された Pixel Fold と Tablet 仮想デバイスのエミュレータ サポート : これらのデバイスは今年中に発売される予定ですが、その前に Compose アプリをテストできます。
新しい Espresso Device API: テスト中の仮想デバイスに、画面の向きの変更や、折りたたみなどの同期的構成変更を適用できます。
Compose UI の自動監査や、さまざまな画面サイズで問題のチェックができるように、ビジュアル lint やユーザー補助チェックのプレビューに向けた作業も活発に続いています。また、一般的なプレビュー セットをすばやく追加する際に役立つマルチプレビュー (英語) テンプレートの作業も進めています。
マテリアル 3 は、Android アプリの推奨デザインシステムです。最新の 1.1 安定版リリース (英語) では、たくさんのすばらしい新機能が追加されました。ボトムシート、日付と時刻のピッカー、検索バー、ツールチップなどの新しいコンポーネントを追加しました。さらに、多くのコア コンポーネントが安定版になり、サポートされるモーションやインタラクションが増え、多くのコンポーネントにエッジツーエッジのサポートが組み込まれます。こちらの動画を視聴し、アプリで Material You を実装する方法を学びましょう。
Google は、Android が動作するすべての場所で、Compose を UI 向けのプログラミング モデルにしたいと考えています。その一環として、折りたたみ式やタブレットなどの大画面を完全サポートし、Compose でホーム画面ウィジェットやスマートウォッチ アプリ、TV アプリを書けるようにするライブラリを公開します。
Google は、Compose を使って簡単に大画面向けに開発できるようにする努力を続けています。今回リリースした Pager とフロー レイアウトは、大画面デバイスで使われる一般的なパターンです。さらに、デバイスのウィンドウ サイズ クラスを監視できる新しい Compose ライブラリも追加したので、アダプティブ UI を簡単に構築できるようになります。
Android デバイスにマウスを接続し、マウスカーソルをテキスト フィールドや選択可能なテキストに合わせたときに、Compose でカーソルの形状が正しく変化するようになります。そのため、どの画面上の要素を扱っているのかがわかりやすくなります。
Jetpack Glance ライブラリの最初のベータ版を公開しました。Glance を使うと、Android スマートフォン、タブレット、折りたたみ式のホーム画面に最適化されたウィジェット (英語) を Jetpack Compose で開発できます。このライブラリでは、Kotlin と Compose から、次のような最新の Android ウィジェットの機能改善をすぐに利用できます。
インタラクティブ ウィジェットの実装がシンプルになるので、アプリのトップ機能をユーザーのホーム画面に表示できます。
さまざまなフォーム ファクタで美しく表示されるレスポンシブ ウィジェットを簡単に作成できます。
デザイナーとの間で高速な UI 反復作業ができるようになり、高品質なユーザー エクスペリエンスを実現できます。
昨年 12 月に Compose for Wear OS 1.1 安定版 (英語) をリリースしました。そして今、現在はアルファ版である新しい 1.2 リリースに懸命に取り組んでいます。ここでは、皆さんにお届けするために継続的に行っている改善作業と新機能の中から、いくつかを紹介します。
placeholder (英語) と placeholderShimmer (英語) に洗練された読み込みアニメーションが追加されます。チップやカードでコンテンツを読み込む際に利用できます。
expandableItems で、長いリストやテキストを折りたためるようになります。その場合、ユーザーが操作した場合のみ、完全な長さに展開されます。
Horologist で利用できるロータリー入力を強化し、ロータリー入力でリストを操作する際の直感的な snap と fling 動作を追加します。
Android Studio で Compose アプリを開発している場合に、複数の時計の画面とテキストサイズをプレビューできるようになります。追加したアノテーションの使用については、こちら (英語) をご覧ください。
TV 向け Compose のアルファ版リリースで、ピクセル パーフェクトなリビングルーム体験を開発できるようになります。新しい AndroidX TV ライブラリを使うと、Compose のすべてのメリットを Android TV の独自要件に適用できます。私たちはコミュニティと密接に連携し、強力な機能を搭載した直感的な API を開発しました。Soundcloud のエンジニアは、「TV 向け Compose のおかげでコンポーネントを再利用でき、かつての Leanback ビュー API よりもかなり速く開発を進めることができました」と話しています。また、Plex は、「Compose で TV のフォーカスとスクロールがサポートされたので、デベロッパーの生産性とアプリのパフォーマンスが大幅に向上しました」と述べています。
TV 向け Compose には、リビングルーム体験に特化して最適化された ImmersiveList や Carousel などのさまざまなコンポーネントが含まれています。数行のコードだけで、優れた TV 向け UI を作成できます。
TvLazyColumn {
items(contentList) { content ->
TvLazyRow {
items(content) { cardItem ->
Card(cardItem)
}
このリリースの詳細については、こちらのブログ投稿 (英語) をご覧ください。または、TV の新機能と Compose の紹介 (動画/英語 - 日本語字幕あり) セッションを視聴するか、TV のドキュメントをご覧ください。
うれしいことに、Compose をサポートするライブラリの数は、内部と外部で開発されているものを問わず、増加の一途をたどっています。たとえば、Glide ライブラリの GlideImage コンポーザブルを使うと、簡単に非同期で写真を読み込むことができます。また、Google マップがリリースしたライブラリでは、はるかに簡単な方法で宣言的にマップ実装を作成できます。
GoogleMap(
//...
) {
Marker(
state = MarkerState(position = LatLng(-34, 151)),
title = "Marker in Sydney"
)
state = MarkerState(position = LatLng(35.66, 139.6)),
title = "Marker in Tokyo"
学習の進捗に関係なく、すべての方に対応できるように、Compose に関するたくさんのガイドを追加したり、刷新したりしました。
Android デベロッパー向けの Compose コースで体験的に学習できます。基本から、レイアウト、状態、フォーム ファクタなどの詳しい内容まで学べます。コースを改訂して、すべての最新リソースを含めています。
動画で視聴したい方は、好評の Compose の基本 MAD スキルシリーズ (動画/英語 - 日本語の自動字幕あり) をご覧ください。レイアウトと修飾子を取り上げた新 MAD スキルシリーズ (動画/英語 - 日本語の自動字幕あり) も新たに公開しています。このシリーズには、基礎的な内容から高度な考え方や機能、Google 社員 との Q&A、コミュニティ ヒントまで、すべてを網羅した 5 つのエピソードがあり、Compose のレイアウトに関する知識を短時間で深めることができます。
Compose 関連の I/O セッションは、すべてもれなく確認しましょう。Jetpack Compose のデバッグ、TV の新機能と Compose の紹介、大画面と折りたたみ式で優れた Android アプリを作る方法、あらゆる画面サイズをテストする方法、Material You for Compose による最新の Android アプリ開発 (動画/英語 - 日本語の自動字幕あり) について取り上げます。または、インストラクターが説明するワークショップ、Compose の状態と副作用(上級編)(動画/英語 - 日本語の自動字幕あり) でコーディングを体験しましょう。
タッチと入力に関する拡張ガイドをご覧ください。新しく追加されたジェスチャーの理解 (英語) に関するページや、フォーカスの操作方法 (英語) についてのセクションが含まれています。
新しい Codelab では、アプリでマテリアル 3 テーマを実装する方法について学習します。
今回の進展について、Google と同じくらい期待していただけると嬉しいです。まだ Jetpack Compose を使ったことがない方は、ぜひこの機会に学習し、チームや開発プロセスをどのように改善できるかを確認してみてください。向上した速度と生産性を体験しましょう。ぜひ Compose を使ってみてください!
Reviewed by Mari Kawanishi - Developer Marketing Manager, Google Play
この記事は プロダクト マネジメントおよび Android デベロッパー担当副社長、Matthew McCullough による Android Developer Blog の記事 " 14 Things to know for Android developers at Google I/O! " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Google I/O 2023 では、Google が Google 全体で起きている重要な AI の革新をどのようにもたらしているかお知らせしました。このテクノロジーは Android デベロッパーの作業フローに役立つので、時間を短縮して、ユーザーのために新しい魅力的な体験を作ることに集中できるようになります。ユーザーは大画面やウェアラブルをはじめとして、さまざまな種類の画面をサポートすることを求めているので、時間短縮ツールがますます重要になっています。Google 基調講演とデベロッパー基調講演 (動画/英語 - 日本語字幕あり) では、Android でユーザーに優れた体験を提供するという皆さんのミッションをサポートするさまざまな方法を紹介しました(もちろん、Android 14 の最新ベータ版もお見せしました!)。ここでは、Android デベロッパーの世界で知っておくべき 14 の新しいことについて説明します。
AI の力を日々の生活に活用できるようにするという Google の幅広い取り組みの一環として、AI を活用した会話型エクスペリエンスである Studio Bot を Android Studio に導入します。(* 現時点では、まだ日本向けには未公開) コードの生成、コーディング エラーの修正などに役立つので、生産性を上げることができます。Studio Bot (英語) はまだかなり初期のバージョンであり、質問の答えをさらに改善し、ベスト プラクティスの学習に役立ててもらうための訓練を続けています。使ってみたい方は、Android Studio ブログを読み、最新バージョンの Android Studio をダウンロード (英語) して、ドキュメントをご確認ください (英語) 。
英語で Play ストアの掲載情報を作成する際に、Google のジェネレーティブ AI 技術を使えるようになりました。(*現時点では、英語のみ利用可能) Google Play Console で AI ヘルパーを開き、対象ユーザーや重要なテーマなどを入力するだけで、下書きを作成してくれます。この下書きは、編集することも、破棄することも、そのまま使用することもできます。内容は常に皆さんが確認できるので、審査に提出して Google Play で公開する内容は完全にコントロールできます。
Google は大画面に全力を注いでいます。Pixel には、2 つの新しい Android デバイスとして、Pixel Fold と Pixel Tablet が登場します。また、Android の大画面エコシステムで優れた外観を実現するため、50 以上の Google アプリと、世界中のデベロッパーのさまざまなアプリが最適化されています。このタイミングで、ぜひ対応しましょう。Android Studio Hedgehog カナリア版 3 での新しい Pixel Fold と Pixel Tablet エミュレータ構成や、マテリアル デザイン アップデート (英語) の拡大といったツールの改善、ゲームや創造性アプリのアイデアなどのガイドの改善が行われています。アプリを大画面向けに最適化する際の推奨事項と禁止事項を読み (英語) 、大画面や折りたたみ式を対象に高品質アプリを開発する方法についてのセッションを視聴 (動画/英語 - 日本語字幕あり) して、大画面デバイス向けの最適化を始めましょう。
Wear OS のアクティブ デバイス数は、Wear OS 3 のリリース以降、5 倍に増加しています。今こそ、スマートウォッチ向けに優れたアプリを作るべきときです。それをサポートするものとして、新しいウォッチフェイス形式 (英語) についてお知らせしました。これは Samsung と連携して開発した宣言型 XML 形式で、ウォッチフェイスのマーケットで優れたアイデアを実現する際に役立ちます。また、新しい API もリリースし、タイルでの高度なアニメーションや Wear OS 4 デベロッパー プレビューによる次世代プラットフォーム アップデートをサポートします。最新アップデートの詳細については、ブログを確認 (英語) し、セッションを視聴 (動画/英語 - 日本語字幕あり) してください。また、新しい Wear OS ギャラリー (英語) もご覧ください。
さらに多くのデベロッパーと連携して健康とフィットネス関連の独特なエクスペリエンスをユーザーに提供できるようにするため、ヘルスコネクト エコシステムの 50 以上のアプリと、ヘルスサービスが組み込まれた 100 以上のアプリにより、Android ヘルス関連のサービスを充実させています。この秋にはヘルスコネクトが Android 14 に導入されるので、デバイスの [設定] から、これまで以上に簡単にヘルスデータをアプリ間で直接共有できるようになります。I/O での発表の詳細は、こちらをお読みください (英語) 。使ってみたい方は、ヘルスサービスのドキュメント、ヘルスコネクトのドキュメント、コードサンプルをご覧ください。
自動車向けの作業も広がり続けています。今年は Android Auto が 2 億台の自動車で利用できるようになり、Google が搭載された自動車 (英語) の数は倍増する見込みです。既存の Android アプリを自動車に対応する作業や、動画やゲームなどのまったく新しいエクスペリエンスを自動車向けに開発する作業は、これまで以上に簡単になっています。始めたい方は、自動車向け Android の新機能に関するセッションとデベロッパー ブログ (英語) をご覧ください。
Android TV OS で最高のアプリ エコシステムを実現することに向けて、懸命な取り組みを続けています。Android TV OS で美しく機能的なアプリを開発するための最新 UI フレームワーク、TV 向け Compose についてお知らせします。詳細については、ブログ投稿 (英語) 、デベロッパー ガイド (英語) 、参考デザイン (英語) 、新しい Codelab (英語) 、サンプルコードをご覧ください。また、TV 向け Compose を皆さんのニーズに合わせることができるように、引き続きフィードバックもお送りください。
おなじみの Android 開発パスで、これまで以上に簡単に Google アシスタント連携機能を構築できるようになっています。新しいアプリ アクション テスト ライブラリと Android Studio の Google アシスタント プラグイン(Wear と Auto にも対応)を使えば、簡単にコードを作成し、ユーザー エクスペリエンスをエミュレーションしてユーザーの期待を予測し、Android の主デバイスや補助デバイスにアプリ アクション連携機能をデプロイできます。使ってみたい方は、Android 開発ツールの新機能 (動画/英語 - 日本語字幕あり) セッションと、デベロッパー ドキュメントをご確認ください。
Android コミュニティでは、Android 開発の最新 UI ツールキットである Jetpack Compose の採用数が着実に増加しています。Google Play のトップ 1,000 アプリのうち 24% が Jetpack Compose を使っており、この数は昨年の倍に当たります。さらに多くのサーフェスに Compose を導入するための作業は続いており、TV 向け Compose はアルファ版に、Glance によるホーム画面ウィジェットは現在ベータ版になっています。Google I/O でのお知らせの詳細を確認 (英語) し、Compose を使ってさまざまな画面の UI を開発してみてください。
私たちの開発プラットフォームの中核を成すのが Kotlin プログラミング言語です。Android アプリの Kotlin サポートはますます拡大します。JetBrains と連携して新しい K2 コンパイラを開発し、Android Studio、Android Lint、KSP、Compose などのツールとの連携機能の開発も積極的に進めています。また、Google の大規模な Kotlin コードベースを使って新しいコンパイラとの互換性を検証しています。現在は、Kotlin DSL を使ったビルド スクリプトが推奨となっています。詳細は、Android 向けの Kotlin の新機能に関するセッション (動画/英語 - 日本語字幕あり) をご覧ください。
Android Studio の App Quality Insights を使うと、Firebase Crashlytics の問題レポートに IDE から直接アクセスできます。クリック 1 回でスタック トレースやコードを移動したり、フィルタを使って特に重要な問題のみを表示したり、問題の再現に役立つ詳細レポートを確認したりできます。最新版の Android Studio では、Android Vitals の重要なクラッシュ レポートを確認できるようになります。アプリに SDK やインストルメンテーションを追加する必要はありません。Android Studio のお気に入りの機能のアップデートの詳細については、Android Studio Hedgehog をご覧ください。
ユーザー数と収益を増加する新しい方法など、Google Play の最新情報を確認しましょう。活発でないユーザーなど、細かいユーザー セグメントごとにカスタムのストアの掲載情報を作成できるようになっています。近日中には、特定の Google 広告キャンペーンからのトラフィックにも対応できるようになります。新しい掲載情報グループも利用できるので、複数の掲載情報を簡単に作成したり管理したりできます。アプリ内アイテムの価格を試したり、課金期間ごとに複数の価格を提示できる新しい定期購入機能を活用したりして、収益化戦略を最適化しましょう。以上の最新情報の詳細は、ブログ投稿 (英語) をご覧ください。
新しい Android UI デザインハブ (英語) を確認し、さまざまなフォーム ファクタで魅力的な UI を簡単に構築しましょう。デザインハブは Android でユーザー フレンドリーなインターフェースを作成する方法について包括的に説明したリソースで、ポイント、サンプル、推奨事項と禁止事項、figma スターター キット、UI コードサンプル、アイデア ギャラリーなどが含まれています。
リリースされたばかりの Android 14 ベータ版 2 では、カメラとメディア、プライバシーとセキュリティ、システム UI、デベロッパーの生産性に関するプラットフォーム機能強化が行われています。ヘルスコネクト、Ultra HDR イメージ、予測型「戻る」、ML など、期待の新機能と変更点が満載です。ML Kit で顔メッシュやドキュメント スキャナなどの新しい API がリリースされ、カスタム ML スタックのアクセラレーション サービスが公開ベータ版になっているので、スムーズで低遅延なユーザー エクスペリエンスを提供できます。ベータ版 2 の詳細を学習し、サポート対象のデバイスにベータ版をダウンロードして使ってみてください。エミュレータでアプリをテストすることもできます。
ここで紹介したのは、Android が皆さんをサポートする新しい方法のごく一部でしかありません。Google I/O の Android トラックを忘れずに確認しましょう。Android アプリでパスキーをサポートしてパスワードへの依存を減らす方法や、Android の未来を見据えた開発 (動画/英語 - 日本語字幕あり) など、お勧めのセッションが開催されます。アクティビティの埋め込みについての新しい学習パスウェイ (英語) も公開されているので、タブレット、折りたたみ式、ChromeOS デバイスでアプリを差別化することができます。オンラインで参加する方も、世界中で開催されるいずれかのイベントに直接参加する方も、ぜひすばらしい Google I/O をお楽しみください。提供されたアップデートを使って、皆さんが作成する優れたエクスペリエンスを見るのが楽しみです!
この記事は Google Play、プロダクト マネージャー、Phalene Gowling による Android Developer Blog の記事 " Price in-app products with confidence by running price experiments in Play Console " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
今年の Google I/O では、Play Commerce で収益を拡大する (動画/英語 - 日本語字幕あり) についてのセッションで、最新の収益化ツールについて取り上げました。このツールは価格戦略の最適化に特化しており、Google Play に深く組み込まれています。アイテムやコンテンツの適正な価格設定はユーザーの生涯価値を向上するための基本であり、新しい購入者の獲得、コンバージョンの改善、再注文の増加にもつながります。これによって販売が成功するか、法外な価格設定になるかが決まってしまうかもしれません。場合によっては、価格設定によってアイテムの価値が損なわれたり、重要な販売機会が失われたりすることもあるかもしれません。
そこで、自信をもって価格を設定できるように、Google Play Console にアプリ内アイテムの価格テスト (英語) を導入します。この機能を使うと、大規模に価格をテストし、地域の購買力に合わせて価格を最適化できます。価格テストは今後数週間のうちにリリースされます。以下では、新ツールの詳細と、公開されたこの機能をフル活用する方法について説明します。
価格テストは Google Play Console の新しい専用セクションから簡単に実行できるようになります。このセクションは、[Monetize] > [Products] > [Price experiments] にあります。最初に、テストしたいアプリ内アイテム、マーケット、価格を決める必要があります。直感的なインターフェースでは、対象ユーザー、信頼レベル、感度を指定して実験の設定を微調整することもできます。実験が統計的に有意な状態に到達すると、選択したアイテムに対して、ツール内で勝者の価格を簡単に適用できます。すると、実験対象のマーケットとアイテムで、新しいデフォルトの価格が自動的に設定されます。必要な場合は、統計的に有意な状態に到達する前であっても、柔軟に実験を中止できます。
テストの内容と方法は完全にコントロールできるので、別々にテストを管理したり、外部ツールを使ったりする負荷をすべて省くことができます。いずれもコードは一切変更する必要はありません。
さっそく今から準備を始め、最初にどのような種類の価格テストをしてみたいかを考えておきましょう。指標に基づいたインスピレーションを得るために、ゲーム デベロッパーは戦略的ガイダンスをご覧ください。購入者のコンバージョンを実現するために、各国固有のチャンスを確認できます。または、Google Play アカデミー (英語) の新しいコースを受講して、アプリ内アイテムで効果的な価格テストをするための専門知識を身につけましょう。価格テスト (英語) は、今後数週間のうちにロールアウトされます。
この記事は Google Play、プロダクト マネージャー、Chang Liu と Lidia Gaymond による Android Developers Blog の記事 " Reduce uninstalls for your app with auto-archive " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
ユーザーがアプリをアンインストールする主な理由の 1 つが容量を空けるためであることはご存知でしたか?現在、容量が足りなくなりそうになったデバイスに新しいアプリをインストールしようとするユーザーには、手動でアプリをアンインストールして容量を空けることができるダイアログが表示されます。ただし、ユーザーのすべてのアプリデータを含め、アプリ全体をアンインストールする必要はない場合もあります。
そこで、不必要なアンインストールを減らしつつ、新しいアプリをインストールできるようにするため、自動アーカイブという新機能を導入します。ユーザーが自動アーカイブをオプトインすると、アプリの保存容量の 60% 近くを自動的に解放できます。アプリやユーザーのデータがデバイスから消えることはありません。
自動アーカイブは、アプリを完全にアンインストールすることなくデバイスの領域を解放できる新機能です。ユーザーがオプトインすると、あまり利用されないアプリが部分的にデバイスから削除され、領域が解放されます。ただし、アプリアイコンとユーザー個人のアプリデータは保持されます。もう一度アプリを使いたい場合は、タップするだけで再ダウンロードされ、前回の続きから継続できます。(アプリが Google Play で公開されている必要があります)
自動アーカイブが利用できるのは、App Bundle を使ってアプリを公開しているデベロッパーに限られます。アーカイブをサポートするアプリは、アンインストールの提案に表示される確率が低くなるはずです。
ユーザーは、数ステップで自動アーカイブをオプトインできます。
デバイスの容量が足りない状態で新しいアプリをインストールしようとする。
自動アーカイブを有効化するかどうかを尋ねるポップアップ ウィンドウが表示される。
オプトインすると、デバイスの未使用アプリが自動アーカイブされ、新しいアプリのインストールに必要な容量が解放される。
自動アーカイブを使うと、ユーザーは簡単にデバイスのストレージを管理できます。デベロッパーにとっては、アプリのアンインストール率を下げる優れた方法です。