この記事は Florina Muntenescu による Android Developers Blog の記事 " Jetpack Compose 1.1 is now stable! " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
私たちは、Android の最新ネイティブ UI ツールキット、Jetpack Compose のロードマップを実現する作業を続けており、2022 年 2 月 9 日にバージョン 1.1 をリリースしました。今回のリリースには、フォーカス処理の向上、タッチ ターゲットのサイズ調整、ImageVector のキャッシュ、Android 12 のストレッチ オーバースクロールのサポートなどの新機能が含まれています。さらに、Compose 1.1 では、これまで試験運用版だったたくさんの API が安定版になっているほか、より新しいバージョンの Kotlin もサポートされています。すでにサンプル、Codelab、Accompanist ライブラリもアップデートしており、Compose 1.1 と合わせて利用できるようになっています。
Compose 1.1 に ImageVector のキャッシュ機能を導入し、パフォーマンスを大幅に向上させています。painterResource API にキャッシュ機構を追加しており、解析した ImageVector のすべてのインスタンスを、与えられたリソース ID やテーマと合わせてキャッシュできるようになっています。このキャッシュは、構成が変わると無効になります。
Compose 1.0 と比較した場合、マテリアル コンポーネントのレイアウトでは、マテリアルのアクセシビリティ ガイドライン(英語)に記載されているタッチ ターゲット サイズ(英語)を満たすようにレイアウト領域が拡大されます。たとえば、RadioButton のタッチ ターゲットは、最小サイズの 48x48 dp に拡大されます。RadioButton のサイズをそれ以下に設定した場合も同様です。これにより、Compose のマテリアルとマテリアル デザイン コンポーネントの動作が一致し、ビューと Compose が共存しても、動作の一貫性が保たれます。また、この変更により、Compose のマテリアル コンポーネントを使って UI を作成すれば、タッチ ターゲットのアクセシビリティ最低要件が確実に満たされるようになります。
この変更によって既存のレイアウト ロジックが壊れる場合は、LocalMinimumTouchTargetEnforcement (英語) を false に設定することで、この動作を無効化できます。ただし、アプリのユーザビリティが低下する可能性があることを認識したうえで、慎重に利用するようにしてください。
RadioButton のタッチ ターゲットの更新
左 : Compose 1.0、右 : Compose 1.1
いくつかの API が試験運用版から安定版になっています。主なものを紹介します。 (以下、リンク先はすべて英語)
Compose に新機能を導入する作業も続いています。いくつかの主な機能を紹介します。
@OptIn (英語) を使うと、新しい API を試すことができます。ぜひフィードバックをお願いします!
注 : Compose 1.1 を使うには、Kotlin 1.6.10 が必要です。詳しくは、Compose と Kotlin の互換性マップをご覧ください。
次に登場するのは何でしょうか。現在検討中または作業中の機能は、更新版のロードマップで確認できます。たとえば、遅延項目アニメーション、ダウンロード可能フォント、移動可能コンテンツなどです。
Jetpack Compose は安定版で、本番環境で利用できます。また、要望が寄せられた機能を追加する作業も続いています。すでに多くのアプリで Jetpack Compose が本番環境として使われ始めているのを見て、とてもうれしく思っています。皆さんが開発したアプリを見るのが、待ち遠しくてたまりません。
アルファ版やベータ版を通して Issue Tracker (英語) にバグレポートや機能リクエストをお送りいただき、大変感謝しています。Compose の改善や、皆さんに必要な API を作るうえで役立っています。Compose をよりよいものにするために、今後もフィードバックをお願いします!
Compose をお楽しみください!