この記事は Google Play、エンジニアリングおよびプロダクト担当シニア ディレクター、Alex Musil による Android Developer Blog の記事 " I/O 2023: What’s new in Google Play " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
この 1 年間、Google はエキサイティングな新機能を開発し、皆さんの成功に役立つような大きな変更を実施してきました。このようなアップデートでは、以下の内容に重点を置いています。
ビジネスのライフサイクル全体を通して、ユーザーの拡大を支援する最高のパートナーであること
ユーザーを大規模かつ効果的に収益化するために役立つ、最高のプラットフォームであること
皆さんが心をこめて Android で開発したアプリやゲームを公開および配布するために、最も安全な場所であること
詳しくは、こちらの動画をご覧ください。ここでは、そのポイントを説明します。
あらゆるアプリビジネスの基本は、ユーザーを惹きつけることにあります。そしてその全ては、ストアの掲載情報から始まります。これらのアップデートは、より良い、よりパーソナライズされたコンテンツを作成し、より多くのユーザーの増加を促進することに役立つものです。
昨年は、すべてのタイトルでストアのカスタム掲載情報を 50 件以上作成できるようにしました。現在は、国や事前登録ステータスに合わせて掲載情報を作成するだけでなく、非アクティブ ユーザー向けに掲載情報をカスタマイズし、アプリやゲームをもう一度試すべき理由をアピールできるようにもなっています。
近日中に、Google 広告アプリ キャンペーンの広告グループ向けにストアのカスタム掲載情報をリリースする予定です。これにより、AdMob や YouTube の特定の広告からアクセスしてきたユーザーに、カスタム掲載情報を表示できるようになるので、Google 広告から Google Play に移動する際のユーザー エクスペリエンスがこれまで以上にシームレスになります。
このような新しいツールが提供されるため、管理する掲載情報が増えることになります。そこで、ストアの掲載情報グループを導入し、このプロセスを効率化しました。ベースの掲載情報を作成し、特定の要素をオーバーライドするだけで、異なる対象ユーザー向けの掲載情報を作ることができます。
皆さんが、ユーザーとユーザーの母国語で繋がるために、Google Play Console で、Google 翻訳による 10 言語の新しい機械翻訳モデルをリリースしました。アプリとストアの掲載情報を数分で翻訳でき、無料で使えます。
皆さんやユーザーの手間を省くため、AI のメリットを Google Play に導入します。アプリやゲームを最適な形で紹介することから、ユーザーが皆さんのタイトルを見つけられるようにすることまで、AI を活用した機能によって、皆さんのアプリの優れた点を簡単に強調できるようにします。
2023 年 5 月 10 日より、Google のジェネレーティブ AI 技術を使ってストアの掲載情報の下書きを作成 (*現時点では英語のみ利用可能) できます。これは、簡単に下書きコンテンツを作成する試験運用版機能です。AI ヘルパーを開き、対象ユーザーや重要なテーマなどを入力するだけで、下書きを作成してくれます。この下書きは、編集することも、破棄することも、そのまま使用することもできます。審査に提出して公開する内容は、常に完全にコントロールできます。
ユーザー同士がお互いから学び合い、アプリやゲームの特徴を一目で把握できるようにするため、Google のジェネレーティブ AI 技術を活用したレビュー サマリーをリリースします。まず英語から実験を始め、今年後半に対象範囲を拡大します。
Google Play は、皆さんと連携して重要なイベント、新しいコンテンツ、エキサイティングなオファーを宣伝することを通して、ユーザーを拡大するお手伝いもいたします。プロモーション用コンテンツを使って、イベントの実施タイミングをお知らせいただくことで、デベロッパーの皆さんの、さらなる成長を促進できます。すでに 25,000 近くのアプリやゲームが、プロモーション用コンテンツを使用しており、今年中に、この機能をさらに多くのタイトルに展開する予定です。
デベロッパーの皆さんのエキサイティングなコンテンツを最大限に紹介するため、Google Play 通知などを通した、複数の高トラフィックなサーフェスを新たにリリースします。参加しているゲームは、オーガニックな探索トラフィックの増加が 60% を超えたことで、Google Play ストア全体の獲得と再獲得が平均 20% 向上しています。
Google Play でのプロモーション用コンテンツの表示方法と場所を改善するため、レポートを更新して、イベントの直接的なパフォーマンスのトラッキングと最適化ができるようにします。Google Play Console の [プロモーション用コンテンツのレポート] をご覧ください。
こういった新たな成長のチャンスを活用するには、アプリやゲームが高品質で、ユーザーの期待に添った優れた体験を提供する必要があります。この点は非常に重要なので、品質に対する私たちの考え方と、その目標を実現するためのツールの改善についてお知らせします。
2023 年 5 月 10 日にアプリとゲームの品質に関する統合フレームワークを公開しました。これは、プロモーションやおすすめについて、さまざまな次元の品質をどのように評価するかを説明したものです。詳細については、こちらの記事 (英語) と Google Play の高品質タイトルとは (動画/英語 - 日本語字幕あり) の I/O セッションをご覧ください。(*日本語字幕は YouTube の自動翻訳機能で日本語を選択してください)
さらに、Google Play のリーチ、専門的な知見、テクノロジーを活用し、収益獲得の効率化を図る新機能も展開しています。
まもなく、Google Play Console から直接、アプリ内アイテムの価格テストができるようになります。さまざまな市場でさまざまな価格を試すことで、法外な価格になるタイミングや、アプリ内アイテムの過小評価しているタイミングを突き止めることができます。
同じく近日中に導入されるのが、「注目の商品」という新しい種類のプロモーション用コンテンツです。これを使うと、アプリ内アイテムを Google Play で直接販売できます。さまざまな国で特定のアプリ内アイテムを紹介したり、割引を提示してユーザーを盛り上げることでコンバージョンの増加に繋げます。
リーチの拡大、コンバージョンの増加、定着率の改善に貢献できるように、定期購入にも新たなアップデートがあります。今年、請求対象期間に応じた複数の価格を導入したことにより、さまざまな自動更新やプリペイド プラン価格を自在に提供できるようにします。たとえば、「VIP」ユーザーに何度も割引を適用することができます。
コマース プラットフォームは進化し続けています。購入者が新しい支払い方法を利用しやすくなったほか、ユーザー選択型決済の試験運用を通じて課金オプションの拡張が検討されています。また、安全な購入体験に向けた取り組みにより、2022 年に 20 億ドル以上に相当する不正行為や悪意のある取引が防止されています。
詳細は、Google Play Commerce で収益を拡大する (動画/英語 - 日本語字幕あり) についてのセッションをご覧ください。 (*日本語字幕は YouTube の自動翻訳機能で日本語を選択してください)
最後に、マーケティングからセールスまでのファネルの効率化にも取り組んでいます。
昨年は、ディープリンク専用の Google Play Console ページをリリースしました。このページでは、壊れたディープリンクにフラグを付け、状況に応じた修正方法を案内しています。近日中に、ウェブとアプリのマッピングを簡単に整理できるように、ディープリンクのステータスとトップ ウェブサイトの URL を便利な形で確認できるようにします。また、ディープリンクを検証しやすくするため、ある URL に対応するアプリとウェブの体験を並べ、簡単に比較する方法を追加します。
ディープリンクについての詳細は、ディープリンクでパフォーマンスとアプリ エクスペリエンスを最適化する (動画/英語 - 日本語字幕あり) に関するセッションをご覧ください。(*日本語字幕は YouTube の自動翻訳機能で日本語を選択してください)
ユーザーと皆さんの活動を守ることは、エコシステムの成功にとって不可欠です。そのため、プラットフォーム全体の保護を強化し続け、アプリの保護に役立つツールを増やします。
Google Play プロテクトは、数十億台の Android デバイスで毎日数十億のアプリをスキャンし、マルウェアや望ましくないソフトウェアなどの脅威からユーザーを守ります。昨年は、140 万のポリシー違反アプリが Google Play に入り込むことを阻止しました (英語) 。
Play Integrity API は、ユーザーのアクションやサーバー リクエストが、純正の Android デバイスの改変されていないアプリから送られたものであるかどうかをチェックします。現在、Play Integrity API の検証を 10 倍速くする新しいベータ版統合オプションを展開しています。また status.play.google.com (英語) を公開し、Play Integrity API のサービス ステータスを監視したり、問題があれば通知を受け取ったりできるようにしました。
また、改ざん対策や著作権侵害対策の保護を「1 クリック」で適用できるように、アプリやゲームの Automatic Integrity Protection へのアクセスを拡大します。バックエンド サーバーに API を組み込む必要はありません。こういったプロダクトを使用しているデベロッパーは、不正使用が平均 80% 減少しています。
さらに、アップデートを促すプロンプトを利用して、正しく機能しないバージョンのアプリをユーザーの目に触れにくくする新ツールを作成しています。1 点目として、フォアグラウンドでアプリがクラッシュし、そのバージョンよりも安定したバージョンが利用できる場合、そのアプリに対して自動アップデートするプロンプトを表示します。2 点目として、特定のアプリのバージョンに対して、アップデートを促すプロンプトを表示できるようにします。事前の組み込み作業は必要なく、今後数か月のうちに、App Bundle としてビルドされたすべてのアプリで利用できるようになります。
安全で信頼できる体験をユーザーに提供できるように、Google Play と Google Play Console の改善も継続的に行っています。
昨年は、アプリがどのデータを何のために収集または共有しているかを説明できるように、データ セーフティ セクションをリリースしました。リリース以降、この機能はたくさんのユーザーに毎日使われており、ユーザーがインストール前にアプリの安全性を評価する重要な方法になっています。今回は、この機能を強化するため、アプリの内部と外部の両方を対象としたデータ削除オプションとポリシー要件を新たに導入します。その目的は、信頼関係を構築し、ユーザーの透明性と制御性を向上することにあります。アカウント全体を削除するのではなく、アカウントを整理してアクティビティ履歴、画像、動画などのデータの削除をリクエストできるようにすることも可能です。
アプリのコンテンツ ページが再設計され、未完了のタスクがわかりやすく表示されます。ポリシーに準拠するために必要な作業がすぐにわかるようになります。また、時間をかけて計画を立てることができるように、近日中に申告要件と期限をお知らせします。
最後になりますが、最近のデベロッパーのニーズに合わせて Google Play Console アプリを再構築しました。新しいアプリはカスタマイズ性が向上しているので、特に注視している指標や Inbox をホームページに表示して、Google Play からの重要な最新情報をいつでも確認できます。オープンベータ版に参加して、ご意見を感想をお聞かせください。
モバイル ビジネスの構築と運営が、いかにエキサイティングかつ困難であるかを理解しています。私たちのチームは、アプリのライフサイクル全体を通して、皆さんが必要とするツールやチャンスを創出することに尽力しています。日頃より、ご協力いただき、ありがとうございます。これからも Google Play の未来を一緒に築き上げていくために、引き続きフィードバックをお寄せください。
Reviewed by Mari Kawanishi - Developer Marketing Manager, Google Play