この記事は Rachel Cheung による Android Developers - Medium の記事 " Part 1: Learnings from game publishers in APAC " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
ゲームの公開モデルは、ゲーム業界の人々にとって新しい概念ではありません。しかし、絶えず変化する複雑な政府の規制、ローカライズされたコンテンツに対するユーザーの期待の高まり、外部環境の複雑さ(パンデミックによる旅行の自粛など)を踏まえて言うなら、モバイルゲーム パブリッシャーの重要性はますます高まっています。
外国のデベロッパーがパブリッシャーを通さなければ参入できない市場がある場合もあります。そのため、モバイル エコシステムでは、地域の市場でデベロッパーを十全にサポートできるパブリッシャーが不可欠です。私たちは、成功につながるパートナーシップを築くトップトレンドやベスト プラクティスについて深く理解するため、アジア太平洋地域に拠点を置くパブリッシャーと、サードパーティ パブリッシャーと連携しているデベロッパーに対してアンケートとインタビュー調査を実施しました。
なお、定義を明確にしておきます。
この記事では、パブリッシャーから学んだことについて注目します。パート 2 の記事では、デベロッパーの視点によるサードパーティ パブリッシングに関する知見についてお伝えします。
まずは、ゲームのパブリッシャーがどのように作業を進めているかについて、基本的なところから見ていきましょう。
アンケートに応じたアジア太平洋地域の 28 のパブリッシャーにとっての最大の優先事項と課題は、ライセンスと配信ができる高品質なタイトルを見つけることです。
通常、パブリッシャーがゲームを探すときは、既存の人脈やさまざまなゲームイベントを通じて、直接デベロッパーにアプローチします。そのうえで、市場への適性やプレイ内容、指標に基づいてゲームを選択します。パンデミック以降、このプロセスのスピードは低下しています。興味のあるゲームを見つけた場合、ライセンス期間は通常 2 年から 3 年です。多くの場合、収益の分配、最低保証額(パブリッシャーは、実際の収入とは別に、一定の額をデベロッパーに支払う必要がある)、前払いの年間ライセンス料を組み合わせた契約になります。
パートナーシップ面について言えば、技術的な最適化やトラブルシューティングはデベロッパーに任せるパブリッシャーがほとんどです。中には、ゲームデザインについてのガイドラインを提供したり、将来のプロジェクトに向けた合弁企業を設立したりして、デベロッパーと戦略的パートナーシップを結ぶ選択肢を提供するパブリッシャーもあります。
今後の業界を展望すると、パブリッシング ビジネスは、完全なサードパーティ パブリッシング サービスではなく、コミュニティ管理、カスタマー サービス、マーケティングといったモジュール型サービスを提供するようになるかもしれません。
パンデミックの影響で、地域にオフィスを持たないデベロッパーにとっては、リモート パブリッシングが唯一のソリューションになる可能性もあります。ただし、それはますます難しくなるでしょう。ゲーマーの目は肥え、地域の規制も変化し続けているからです。また、デベロッパーがすべての主要な市場でエキスパートとなるのは、すでにある規模に到達していない限り、ほぼ不可能だと言えます。そのため、デベロッパーがグローバル リリースの初期段階であったり、特定の市場を綿密に監視して最適化する余力がなかったりする場合、地域のパブリッシャーは考慮すべき重要なパートナーとなります。
パート 2 では、同僚の Gaby Hien が、アンケートとインタビュー調査の結果をデベロッパーの視点で振り返りますので、お楽しみに。今回学んだことに基づいたベスト プラクティスのチェックリストも掲載する予定です。このチェックリストを使って、高品質なタイトルやパートナーを見つけ、スムーズなゲームのリリースを実現して、問題が起きる可能性を減らしましょう。