この記事は Dave Burke による Android Developers Blog の記事 " 12L and new Android APIs and tools for large screens " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
タブレット、折りたたみ式デバイス、ChromeOS デバイスを合わせると、2 億 5000 万台を超える大画面デバイスが Android を実行しています。ここ 12 か月だけでも、1 億台近くの新しい Android タブレットがアクティベートされました。これは前年比 20% の増加です。現在最も成長が著しいデスクトップ プラットフォームである ChromeOS は、92% の増加率となっていますが、さらに、折りたたみ式デバイスも急増中で、前年比 265% 以上の成長を遂げています。すべて合わせれば、Android が動作しているアクティブな大画面デバイスは 2 億 5000 万台を超えます。その勢いを受けて、このようなデバイスで動作している Android を、ユーザーにとってもデベロッパーにとってもよりよい OS にするために、私たちは努力を続けています。
そこで 2021 年 10 月 27 日 (日本時間:10 月 28 日) の Android Dev Summit (英語、動画は日本語字幕あり) では、大画面に特化した Android 12 のフィーチャー ドロップについてお知らせしました。私たちはこれを 12L と呼んでいます。併せて、大画面向けの開発を容易にするための新 API や新ツール、ガイダンスも準備しています。さらに、Google Play で行っている変更についてもお話ししました。これにより、ユーザーは大画面に最適化されたアプリをこれまで以上に簡単に見つけられるようになります。ここでは、Android の大画面向け新機能について紹介しますので、ぜひお読みください。
先月、12L のデベロッパー プレビュー を提供しました。これは今後公開する予定のフィーチャー ドロップで、Android 12 を大画面でさらに快適に使えるようにするものです。このプレビューを使って、大画面関連の新機能を試したり、自分のアプリを最適化したり、フィードバックの送信が可能です。
12L では、通知、クイック設定、ロック画面、概要、ホーム画面など、大画面向けの UI 全般を改善しました。たとえば、画面領域を有効活用するため、600dp を超える画面では、通知シェードやロック画面、その他のシステム表示を新しい 2 列レイアウトで表示します。システムアプリも最適化されます。
2 列レイアウトによって表示できる内容が増加し、さらに使いやすいものに
また、マルチタスクをこれまで以上に強力で直感的なものにしました。12L では大画面で新しいタスクバーが搭載されるので、ユーザーはすぐにお気に入りのアプリに切り替えることができます。このタスクバーのおかげで、分割画面モードもこれまで以上にわかりやすくなり、タスクバーからドラッグ&ドロップするだけで、アプリを分割画面モードで実行できるようになります。また、Android 12 以降で分割画面モードの操作性を向上させるため、アプリがサイズ変更可能かどうかにかかわらず、すべてのアプリを自動的に分割画面モードに対応させます。
アプリをドラッグ&ドロップして分割画面モードで実行
さらに、互換性モードを改善して見た目と安定性を向上させ、レターボックス表示の快適さを向上させたほか、アプリのデフォルトでの外観も改善しました。レターボックス表示は、デバイス メーカーが簡単にカスタマイズできるようになっているので、カスタムの色や処理を設定したり、はめ込むウィンドウの位置を調整したり、カスタムの角丸を適用したりできるようになっています。
Android 12 のタブレットや折りたたみ式デバイスが次にまとまって登場するタイミングに間に合うように、12L のフィーチャー ドロップは来年の早い時期にリリースする計画です。以上のような機能を大画面デバイスに導入するため、私たちは既に OEM パートナーと協力して作業を進めています。近日中に 12L のデベロッパー プレビューが Lenovo P12 Pro (日本未発表) に搭載される予定なので、ご期待ください。数か月後には、この機能がデバイスに配信されます。今から大画面向けに最適化したアプリの準備を入念にしておきましょう。
デベロッパーの皆さんには、さまざまなサイズのウィンドウの分割画面モードでアプリがどのように動作するかを確かめておくことを強くお勧めします。まだアプリを最適化していない方は、画面の向きを変えたときにどう見えるかを確認し、新しい互換性モードの変更が適用される場合はそれを試してみましょう。12L には、大画面向け機能のほかにも、いくつかのデベロッパー向けの新 API や、新しい API レベルが含まれています。アプリに互換性を破る変更が起こらないように注意しているので、アプリのターゲットを 12L にしなくても Google Play 要件を満たすことができます。
12L を使ってみたい方は、Android Studio の最新プレビュー リリースから、12L Android Emulator のシステム イメージやツールをダウンロードしてください。機能と変更点を確認してアプリをテストする領域を判断し、プレビューの概要でスケジュールやリリースの詳細をご確認ください。問題やリクエストはこちらから報告できます。そしていつものように、フィードバックは大歓迎です。
12L はスマートフォンでも利用できますが、ほとんどの新機能は小さな画面では確認できません。現在、私たちはタブレット、折りたたみ式デバイス、ChromeOS デバイスに重点的に対応しています。今後のプレビューでは、Pixel デバイス向けに Android ベータ版への登録をオープンする予定です。詳しくは、developer.android.com/12L をご覧ください。
どんな画面にも適応する完全にアダプティブなアプリを作り始める時です。そして、それを今まで以上に簡単に実現できるようにしています。OS や Play でアプリの変更に対応できるように、デベロッパー プレビューと併せて API やツール、ガイダンスのアップデートを公開します。
アダプティブ UI をサポートするための第一歩は、小さな画面と大きな画面の両方でうまく動作するアプリを設計することです。私たちは、アプリの UI をあらゆる画面サイズに対応させる際に役立ててもらうため、新しいマテリアル デザインのガイダンス (英語) の作成を進めてきました。このガイダンスは、エコシステムでよく使われている一般的なレイアウト パターンをカバーしているので、さまざまなアイデアが得られるだけでなく、作業を加速することにもつながるはずです。
マテリアル デザインのガイドライン、アダプティブ UI パターン
最高のナビゲーション エクスペリエンスをユーザーに提供するには、ユーザーが使うデバイスのウィンドウ サイズ クラスに合わせたナビゲーション UI を提供する必要があります。私たちが推奨するナビゲーション パターンには、コンパクトな画面(compact)ではナビゲーション バー (英語) を使う、中程度(medium)以上の画面幅(600dp 以上)のデバイスクラスではナビゲーション レール (英語) を使う、などがあります。新たに公開したマテリアル デザインのガイダンス (英語) には、広い画面幅(expanded)のデバイス向けに、いくつかの大画面レイアウトのアイデアが掲載されています。たとえば、SlidingPaneLayout を使って実装できるリスト / 詳細構造などです。ガイダンスを参照して、ビューと Compose でアダプティブ UI 向けのナビゲーションを実装する方法をご確認ください。
フラグメントを使っている既存アプリに大画面に最適なレイアウトを適用する場合、ナビゲーション パターンを更新して SlidingPaneLayout を使うのはすばらしい方法です。しかし、多くの皆さんが複数のアクティビティに基づいたアプリを作っていることは承知しています。そういったアプリでは、Jetpack WindowManager 1.0 ベータ版 03 で新しくリリースしたアクティビティ埋め込み API を使うと、TwoPane ビューなどの新しい UI パラダイムに簡単に対応できます。現在、SlidingPaneLayout をアップデートしてこの API をサポートする作業を進めています。今後数か月間のアップデートに注目してください。
Jetpack Compose を使うと、大画面や多様なレイアウトを対象にした開発が楽になります。Compose の採用を始めているなら、大画面向けの最適化を行う絶好のチャンスです。
Compose は宣言型 UI ツールキットです。すべての UI をコードで記述するので、UI が利用できるサイズにどう適応すべきかを実行時に判断するのは簡単です。Compose がアダプティブ UI の開発に特に向いているのはそのためで、画面サイズやコンポーネントの違いによる UI の変更にとても簡単に対処できます。Compose でアダプティブ レイアウトを構築するためのガイドでは、知っておくべき基本的な事項について説明しています。
Jetpack WindowManager ライブラリを使うと、下位互換性のある形でアプリのウィンドウを操作し、すべてのデバイスを対象としたレスポンシブな UI を開発できます。新機能は以下のとおりです。
アクティビティを埋め込むと、たとえばリスト / 詳細パターンなど、複数のアクティビティを一度に表示することで、大画面で利用できるようになる広い表示領域を有効活用できます。その際、アプリのリファクタリングはほとんど、あるいはまったく必要ありません。並べるか重ねるかなど、アプリにどのようにアクティビティを表示するかは、皆さんが決定します。具体的には、XML 構成ファイルを作成するか、Jetpack WindowManager API を呼び出します。あとはシステムが対応して、作成した構成に基づいて表示方法を決めてくれます。
アクティビティの埋め込みは、折りたたみ式デバイスでもシームレスに動作します。デバイスを折りたたんだり広げたりすると、それに応じてアクティビティが重なったり並んだりします。アプリで複数のアクティビティを使っている方は、アクティビティの埋め込みを使って大画面デバイスでのユーザー エクスペリエンスを向上させることができます。アクティビティ埋め込み API は、Jetpack WindowManager 1.0 ベータ版 03 以降のリリースで試すことができます。詳しくはこちらをご覧ください。
Jetpack WindowManager でアクティビティを埋め込む
ウィンドウ サイズ クラスは、綿密に検討されたビューポートの一連のブレークポイントで、サイズ変更可能なアプリでのレイアウトの設計、開発、テストに利用できます。ウィンドウ サイズ クラスのブレークポイントは、compact(コンパクト)、medium(中程度)、expanded(広い)の 3 つのカテゴリに分かれています。これらは、エコシステムのデバイスの大部分を表しつつ、レイアウトのシンプルさと特異なユースケースにアプリを最適化できる柔軟性との間でバランスをとるように設計されています。WindowSizeClass API は、近日中に Jetpack WindowManager 1.1 で公開される予定です。これにより、レスポンシブ UI の構築がさらに簡単になります。詳しくはこちらをご覧ください。
Jetpack WindowManager のウィンドウ サイズ クラス
WindowManager では、折り目やヒンジなど、さまざまなウィンドウ形状に対応した一般的な API サーフェスも提供されます。折りたたみ対応のアプリでは、折り目やヒンジの部分を避けてウィンドウのコンテンツを表示したり、折り目やヒンジの部分を自然なセパレータとしてうまく活用したりできます。アプリを折りたたみ対応にする方法は、こちらのガイドをご覧ください。
Android アプリは、あらゆるデバイス、そしてあらゆるカテゴリに適応できるように構築すべきです。そこで、Android Studio 全体を対象として、UI やレイアウトの設計、開発、テストを行うたくさんのツールに、リファレンス デバイスを導入します。リファレンス デバイスは 4 つあり、それぞれスマートフォン、大型折りたたみ式デバイスの内側ディスプレイ、タブレット、デスクトップを表します。マーケットのデータを分析して設計したもので、人気のデバイスや急成長中のセグメントを表しています。また、リファレンス デバイスを規定したことで、新しい WindowSizeClass のブレークポイントを使ってアプリがさまざまなよくあるブレークポイントの組み合わせに対応して動作することを確認できるようになります。そのため、アプリができる限り多くのユースケースをカバーすることを保証できます。
リファレンス デバイスの定義
大画面向け UI の対応を始める際に、どこから手を付けてよいかわからない方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、まず新しいツールを使って、大画面デバイスで起こりうる問題を確認しましょう。Android Studio Chipmunk では、レイアウト検証によって先回りで UI について警告や提案を行ってくれる新しいビジュアル lint チェックツールを開発しています。どのリファレンス デバイスが影響を受けるかもわかるようになっています。
リファレンス デバイスの各クラスが表示されたレイアウト検証ツール
ランタイムでアプリをテストする場合、Android Studio Chipmunk (英語) に搭載されているサイズ変更可能な新しいエミュレータ構成を使うことができます。サイズ変更可能なエミュレータを使うと、4 つのリファレンス デバイス(スマートフォン、折りたたみ式、タブレット、デスクトップ)をすばやく切り替えることができます。これにより、設計時にレイアウトを検証したり、ランタイムで動作をテストしたりする操作が簡単になります。どちらの作業にも、同じリファレンス デバイスを使うことができます。サイズ変更可能なエミュレータを新規作成するには、Android Studio の Device Manager を使って新しい仮想デバイスを作成し、Resizable デバイス定義と Android 12L(Sv2)システム イメージを選択します。
サイズ変更可能な Android Emulator
タブレット、折りたたみ式、ChromeOS の各デバイスに最適なアプリを簡単に探せるようにするため、ユーザーのデバイスに最も適したアプリを目立たせるように Play を変更します。
現在、それぞれのアプリの品質を大画面アプリ品質ガイドライン (英語) に照らして評価する新たなチェックを追加する作業を行っています。これにより、デバイスに最適なアプリが目立つようになります。Play ストアで大画面のユーザーが大画面に最適化されていないアプリを表示した場合、そのアプリのストア掲載情報ページに通知を表示する予定です。
加えて、既にお知らせしたように、アプリの評価にも大画面専用の評価を導入し、大画面デバイスでアプリがどう動作するかをユーザーが評価できるようにします。以上の変更は来年に実施する予定です。皆さんがアプリの準備を始められるように、あらかじめお知らせいたしました。
また、Google Play で Google のビジネスモデルを進化させてデベロッパーのニーズに応えるための取り組みを紹介した記事も忘れずに確認しておきましょう。
大画面や折りたたみ式デバイス向けの開発を始めるうえで役立てていただけるように、私たちはビューにも Compose にも対応します。新規アプリや既存アプリで異なる画面サイズをサポートする方法、ビューと Compose の両方でナビゲーションを実装する方法、折りたたみ式デバイスのメリットを活用する方法などを紹介したガイダンスの追加や改訂も行っています。ビューのサポートの大画面ガイドのセクション、または Compose ガイドのセクションをご覧ください。
コードほど雄弁なものはありません。以下のサンプルは、レスポンシブ UI に対応するように更新しています。
実践的な演習を行いたい方は、Codelab で、アップデートされた Jetpack WindowManager による折りたたみ式デバイスとデュアル スクリーン デバイスのサポートをご覧ください。
Reviewed by Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play
2021 年 10 月 18 日に開催された、『DroidKaigi 前夜祭』に Google 関係者がパネリストとして登壇しました。
このイベントでは、2021 年に発表した Android/Google Play 関連の製品のお話や、I/O 以降に発表された製品・技術関連の最新情報についての内容を中心に Google 関係者が解説をしました。
この記事では、イベント内で解説した内容をまとめます。
Jetpack Compose は、ネイティブ UI をビルドするための Android の最新ツールキットで、Kotlin API を使用して、少ないコードで Android の UI 開発を簡素化し、加速することができます。Google I/O では、株式会社メルカリ様のケーススタディもリリースされ、UI 開発の生産性が 56 % 向上したという実例もございます。今回のイベントでは、その Jetpack Compose の最新アップデートである、1.1.0 についてお話をさせていただきました。
このセッションでは、Android IDE Android Studio (英語) の Android Gradle Plugin API (AGP) (英語) や Test framework についてについてお話をさせていただきました。公式の強力な Android IDE Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) ベータ版 を I/O で発表したあと、7 月に安定版をリリースしました。UI 設計期間の短縮、新しいデバイスへのアプリ拡張、デベロッパーの生産性向上を目的としており、Compose と合わせて使うことで、最新の UI をすばやくデザインすることができます。
このセッションでは、Google Play と Multi Form Factor についてお話をさせていただきました。
Wear OS や大画面対応から、セキュリティ ツールなどのトピックまで幅広くカバーしました。
ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました!Android Developer Summit の動画も、ぜひご視聴ください。
この記事は Wayne Lu による Android Developers Blog の記事 " Answering your top questions on Android Game Development Kit " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
2021 年 7 月に Android Game Development Kit(AGDK) (英語) をリリースしてから、デベロッパーの皆さんよりお寄せいただいた主な質問をまとめました。その内容は、AGDK のライブラリやツールから、Android のメモリ最適化、グラフィックスの実装に関することまで、さまざまです。
まず、新進気鋭のゲーム デベロッパーから寄せられた、AGDK の一連のライブラリやツールの使い方に関する質問です。セットアップに応じて、以下の事項を推奨しています。
ご自身の環境に合致したゲームエンジンとワークフローに沿って、ゲーム内で利用する CPU、メモリ、ネットワーク、バッテリーなどの状況を詳細に調査する Android Studio Profiler、グラフィックスに特化してプロファイリングを行う Android GPU Inspector(英語)、フレームレートや読み込み時間を端末毎に最適化する Android Performance Tuner (英語) などの各種ツールを確認しましょう。
続いて、Android 12 での開発に関する質問も寄せられています。Android 12 でゲームを実行するにあたって、特別なことは何も必要ありません。しかし、プレイヤーがゲーム体験をカスタマイズできるように、Game Mode API と Interventions (英語) を導入していきましょう。
2 つ目は、Android と Windows のゲーム開発におけるメモリアクセスの動作の違いについての質問です。以下に、いくつかのヒントをまとめます。
3 つ目は、Android でのグラフィックスの実装に関する質問です。選択肢には、OpenGL ES と Vulkan グラフィックス API があります。
AGDK に関する主な質問は、Q&A 動画でも確認できます。また、Android ゲーム開発の最新リソースには、g.co/android/AGDK (英語) からアクセスできます。
Reviewed by Maru Maruyama - Developer Relations Engineer
この記事は Jacob Lehrbaum による Android Developers Blog の記事 " Working Towards Android App Excellence " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
すばらしいアプリ体験は、ビジネスにもすばらしい成果をもたらします。実際、Google Play に5 つ星の評価を残した Android アプリユーザーの約 3 分の 1 が、アプリ体験の質*1つまり、スピードやデザイン、ユーザビリティに触れています。Google では、すべてのデベロッパーが優れたアプリの開発を実現し、ユーザーの獲得、維持、収益化を果たせるようなサポートを提供したいと考えています。
では、「優れたアプリ」とは何でしょうか。これは遠い目標のように聞こえるかもしれませんが、多くのアプリでも手が届くところにあります。その第一歩となるのは、ユーザーにフォーカスし続けることです。具体的には、直感的なユーザー エクスペリエンスでアプリの主要機能にできる限り早く到達できるようにすることです。しかし、これはまだ始まりに過ぎません。優れたアプリにはすべての画面や操作に一貫性があり、使うデバイスによらず快適に動作します。アプリ開発に携わっているあらゆるメンバーがアプリ体験に集中すれば、優れたアプリの開発が実現できます。
優れたアプリの開発を阻むものの 1 つが、曖昧で不明確な責任分担です。クラッシュや読み込み時間など、アプリの質を測る主な指標の中には、エンジニアリング チームなどの社内の 1 グループの責任であると見なされるものがあります。しかし、業界のトップクラスの組織の方々にどのようにして優れたアプリの開発を実現しているか聞いたところ、*2エンジニアリング、デザイン、プロダクト、ビジネスの各チームが共通の目的に向かって連携する、部門間の協力的なアプローチが重要であることが明確になりました。
では、優れたアプリ開発のための裏側にある内部的なベスト プラクティスはどのようなものでしょうか。
ビジネス側の立場に立って「競合他社のアプリは私たちのアプリよりも速いので、読み込み時間を 5 秒から 4 秒に短縮する必要がある」と私から言えるので会話がよりスムーズです。クロス プラットフォーム アプリのソフトウェア エンジニア
ビジネス側の立場に立って「競合他社のアプリは私たちのアプリよりも速いので、読み込み時間を 5 秒から 4 秒に短縮する必要がある」と私から言えるので会話がよりスムーズです。
クロス プラットフォーム アプリのソフトウェア エンジニア
優れたアプリは、ビジネスの成果につながります。新機能の追加はすばらしいことですが、それでアプリの起動時間が遅くなったり、デバイスの容量を使いすぎたりすると、アプリの使用頻度が減り、やがて削除される結果をうみます。多くの場合、エンジニアは品質問題がビジネスの成果に与える影響を定量化することで、全社的に品質を重視する体制を構築しています。具体的には、次の方法で定量化しています。
機能(ユーザー ジャーニーの各ステージ)を担当するチームを編成している企業は、サポートするそれぞれのオペレーティング システム全体で一貫した操作を提供し、新しいアプリや機能を市場に投入するまでの時間が短くなり、すべてのお客様に優れたアプリ体験を提供できる可能性が高くなります。多くの場合、このようなチームは、エンジニア、マーケティング、UX、プロダクトなどの機能を横断するグループです。そして、あらゆるデバイスやプラットフォームで、機能やユーザー ジャーニーのステージ*3を成功させる責任を担います。この構造により、優れた体験や機能レベルが実現できるだけでなく、機能領域を超えた統一目標ができます。また、縦割りを減らして、特定の目標に集中的に対処することにもつながります。
ビジネス目標を重視するチーム構成により、ユーザーに対するフォーカスが高まる
ユーザーの大半が特定の種類のデバイスを使っている場合、主なデバイスとして同じスマートフォンやタブレット、スマートウォッチを使えば、ユーザーがどのような体験をしているか理解が深まるでしょう。特にこれが当てはまるのは、多くユーザーの日々の体験に影響を与える意思決定が求められる組織の経営幹部です。たとえば、Duolingo はこれを自社の DNA に組み込んでいます。ユーザー ベースの大部分と同様の環境を作り出すために、CEO も含む、すべての Duolingo の社員は、エントリーレベルの Android デバイスのみを使っているか、あるいは使える状態にあります。
ビジネスを成長させるうえで、品質および優れたアプリの開発に対するユーザー中心のアプローチは欠かせません。優れたアプリの開発を実現する方法を詳しく学びたい方は、実用的なヒントを含むケーススタディをご覧ください。また、Android App Excellence (英語) のページにアクセスし、ぜひ App Excellence Summit に参加してください。(事前登録制です)
今後のブログ投稿では、優れたアプリの開発を実現する 2 つの要素について詳しく取り上げる予定です。具体的には、アプリ パフォーマンスとそれによるユーザー行動への影響、そして複数のデバイス間のシームレスなユーザー エクスペリエンスの開発です。こちらのページから Android デベロッパー向け ニュースレターに登録すると、次号の発行時に通知が届き、Android チームからの最新ニュースや知見を得られますので、ぜひご登録ください。
注
1. 2021 年の Google Play 内部データ
2. 2021 年の Google App Quality Research
3. アプリを使ううえで、それぞれのユーザーが体験する一連の手順を「ユーザー ジャーニー」と呼びます。ユーザー ジャーニーのステージの例として、インストール、オンボーディング、エンゲージメント、リテンションなどがあります
この記事は Amanda Alexander による Android Developers Blog の記事 " Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Stable " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Android Studio Arctic Fox が、安定版リリース チャンネルでダウンロードできるようになったことをお知らせします。この最新リリースでは、Android の新しいネイティブ UI 構築ツールキットである Jetpack Compose 1.0 を利用できます。さらに、Wear OS を含むデバイスにも注力し、新しい Background Task Manager などのデベロッパーの生産性を高める機能も搭載されています。皆さんのフィードバックをもとに開発されたこの新しい Android Studio 機能のスイートは、デベロッパー コミュニティがさまざまなデバイスで動作する質の高い最先端のアプリを迅速に作るために役立つことができれば幸いです。
注 : 昨年発表した通り、Android Studio のバージョン番号体系を Android Studio のベースになっている IntelliJ IDEA の年とバージョンに一致させ、そこに独自のパッチ番号を付加するように変更しました。今後はコードネーム(アルファベット順)を利用します。最初は Arctic Fox で、次は Bumblebee(現在カナリー版)です。Android Studio Arctic Fox(2020.3.1)では、Android Studio が IntelliJ プラットフォームのバージョン 2020.3 にアップデートされます。これには、デバッガ インタラクティブ ヒント、VCS のアップデート、いくつかの新しいコードエディタの強化など、ワークフローを高速化するたくさんの新機能が含まれています。詳細はこちらをご覧ください。(英語)
最新 UI をすばやくデザインできるように、Jetpack Compose 用の追加機能も搭載しています。Compose プレビューを使うと、Compose UI の複数のコンポーネントのプレビューを作成し、さまざまな要素(テーマ、画面、フォントサイズなど)にわたって変更の影響を即座に確認できます。デバイスへのデプロイ プレビュー機能では、Compose コードのスニペットを直接デバイスやエミュレータにデプロイし、小さなコードをすばやくテストできます。レイアウトを詳しく調べたい場合は、Layout Inspector に追加された Compose サポートを使って、レイアウトがどのようにレンダリングされるかを理解できます。さらに、リテラルのリアルタイム編集を追加しました。エミュレータや実機でアプリを動作させるときに、コンパイルを行うことなく、プレビューで Compose コードの変更を即座に確認できます。
サポート対象のデバイスを増やすため、新しい Wear OS ペア設定アシスタントを構築し、Wear OS エミュレータと物理スマートフォン、仮想スマートフォンとのペア設定を簡単に行えるようにしました。Wear OS の最新バージョンを使うには、Wear OS 3 システム イメージのデベロッパー プレビューをご利用ください。Wear OS エミュレータを実行すれば、心拍数センサー API のサポートが追加されていることにも気づくはずです。Google TV をターゲットにするアプリのために、最新の Google TV リモート コントロール機能を追加し、Google TV システム イメージをアップデートして最新の UI デザインを反映しました。さらに、Automotive OS で、運転に関するユースケースをシミュレーションするため、エミュレータで自動車センサーデータを利用できるようにして開発とテストのワークフローを完成させました。タブレットをターゲットにするアプリのために、すぐに横向きをサポートできるようにすべてのテンプレートを更新しました。開発のターゲットとなるデバイス画面の大小にかかわらず、新たな方法の導入とアプリの構築を継続するうえで役立つ新機能が含まれています。
最後に、デベロッパーの皆さんの生産性を向上させるために、作業の効率化に役立つ機能の追加についてご紹介します。たとえば、次期バージョンの Android アプリを構築する際のガイドとして、Android 12 向けの lint チェックを追加しました。コードのテストに役立ててもらうため、Layout Editor に Accessibility Scanner を追加し、レイアウトのユーザー補助に関する問題を簡単に見つけられるようにしました。また、新しいテスト マトリックスを使うと、複数のデバイスで並列実行されるテスト結果をリアルタイムに確認できます。さらに、Apple Silicon(arm64)ハードウェアのプレビュー サポートを追加し、幅広いテストをサポートできるようにエミュレータのコントロールを拡張しました。加えて、デバッグ用の新しい Background Task Inspector を使うと、アプリのバックグラウンド ワーカーを分析できます。
Android Studio Arctic Fox には、たくさんの機能強化が含まれています。すべての変更点のリストを確認したい方は、Android Studio Arctic Fox(2020.3.1)Beta リリースブログとリリースノートをご覧ください。以下では、主な変更点について紹介します。
Android Studio Arctic Fox の新機能
@Preview アノテーションを使うと、Compose コードのプレビューを生成して複数のコンポーネント(デバイス、テーマなど)をさまざまな構成で表示できます。Compose プレビューを活用すれば、コードで Composable のメンタル マッピングを簡単に作成できます。
Compose プレビュー
すべて Compose で書かれたアプリでも、Compose とビューを併用したアプリでも、Layout Inspector を使えばレイアウトの詳細を確認したり、トラブルシューティングを行ったりできます。たとえば、各 Composable に渡されたパラメータや修飾子を確認できます。アプリを開発する際に、ライブ アップデートを有効にしてデバイスからデータをストリーミングすることもできます。
Compose Layout Inspector
リテラル(文字列、数値、ブール値など)をインラインで編集すると、コンパイルしなおすことなく、変更の結果を画面(プレビュー、エミュレータ、実機)ですぐに確認できます。
リテラルのライブ編集 : 文字列を編集するとプレビューに即時反映
新しい Wear OS ペア設定アシスタントは、順を追ってペア設定プロセスを案内してくれるので、Wear OS エミュレータと仮想または物理スマートフォンのペア設定が簡単になります。なお、この機能は、Wear OS 2 コンパニオンとのペア設定をサポートします。Wear OS 3 は近日中にサポートされる予定です。詳細はこちらをご覧ください。
Wear OS エミュレータ ペア設定アシスタント ダイアログ
スマートフォン + スマートウォッチ エミュレータのペア設定が成功した状態
API レベル 26 以上を実行しているデバイスで WorkManager ライブラリ 2.5.0 以上を使っている場合、新しい Background Task Inspector を使ってアプリのバックグラウンド ワーカーを視覚化、監視、デバッグできます。メニューバーから [View] > [Tool Windows] > [App Inspection] を選択してアクセスできます。詳細はこちらをご覧ください。
Background Task Inspector
まとめると、Android Studio Arctic Fox(2020.3.1)安定版には、以下の機能強化と新機能が含まれています。
詳細は、Android Studio のリリースノート、Android Gradle プラグインのリリースノート、Android Emulator のリリースノートをご覧ください。
最新バージョンの Android Studio Arctic Fox はダウンロード ページ(英語)から、Apple Silicon プレビュー ビルドはこちら(英語)からダウンロードできます。Android Studio の以前のリリースをお使いの方は、最新バージョンの Android Studio にアップデートするだけで利用できます。Android Studio の安定バージョンを保持する必要がある場合、Android Studio Arctic Fox の安定リリース バージョンとカナリー リリース バージョンを同時に実行することができます。詳細はこちらをご覧ください。
気に入った点、問題点、新機能の提案などのフィードバックをお寄せください。バグや問題が見つかった場合は、バグを報告してください。Android Studio 開発チームの Twitter と Medium もぜひフォローしてください。
この記事は Anna-Chiara Bellini, Nick Butcher による Android Developers Blog の記事 " Jetpack Compose is now 1.0: announcing Android’s modern toolkit for building native UI " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
2021 年 7 月 28 日(日本時間 7 月 29 日) Jetpack Compose のバージョン 1.0 をリリースしました。Android の最新ネイティブ UI ツールキットである Jetpack Compose を使うと、優れたアプリを短時間で構築できます。このリリースは安定版で、本番環境で利用できます。Compose は、この 2 年間、Android コミュニティのフィードバックや貢献を受けつつ、オープンに開発が行われてきました。1.0 に到達した現時点で、既に Google Play ストアの 2000 以上のアプリで Compose が使われています。実は、Play ストアアプリ自体にも Compose が使われています。それだけではありません。たくさんのトップ アプリ デベロッパーと協力し、フィードバックやサポートを受けることで、1.0 リリースはさらに強固なものになっています。たとえば、Square は Compose を使うことで「宣言型 UI フレームワークの構築に関するさまざまな問題を解決することではなく、Square 独自の部分や UI インフラストラクチャに集中できる」と教えてくれました。Monzo は、Compose を使うと「質の高い画面を短時間で構築できる」と述べています。また、Twitter は「とても気に入っています!❤️」と見事に一言で言い表しています。
Compose は、ネイティブ Android アプリを短時間で簡単に作成できるように設計されています。完全に宣言的なアプローチが採用されているので、UI を記述しさえすれば、あとは Compose が対応してくれます。アプリの状態が変わると、UI が自動的に更新されるので、UI の構築がはるかにシンプルかつ高速になります。直感的な Kotlin API を使うと、美しいアプリを はるかに 少ないコードで実現できます。また、すべての既存の Android コードにネイティブでアクセスできるので、自分のペースで導入することもできます。強力なレイアウト API とコード駆動型 UI により、タブレットや折りたたみ式デバイスなど、異なるフォーム ファクタのサポートも簡単です。Compose のサポートは、Wear OS や ホーム画面 ウィジェットなども追加される予定です。
今回の 1.0 リリースは本番環境で利用でき、以下の主要機能が提供されています。
完全な宣言型アプローチを採用している Jetpack Compose によって、UI の開発方法は大きく変わります。新しいワークフローと異なる考え方をサポートするため、Compose 向けに設計された新しいツールを提供します。また、いくつかの既存のツールに Compose のサポートを追加しています。
Android Studio Arctic Fox で利用できる新しい Compose プレビューでは、異なる状態、ライトテーマやダークテーマ、異なるフォント スケーリングのコンポーザブルをすべて同時に確認できます。アプリ全体をデバイスにデプロイする必要はないので、コンポーネントの開発が簡単になります。リテラルのライブ編集機能によって機能強化されているため、プロジェクトを再コンパイルせずにアップデートを確認できます。
作業中の画面まで移動せずにデバイスで UI のパーツをテストしたいと思っていた方なら、新しいデプロイ プレビューを気に入ってくれるはずです。Composable のプレビューを作成するだけで、デバイスにデプロイしてすばやく反復できます。
Layout Inspector に Composable サポートが追加されるため、Compose と既存のビューを確実に混在させることができます。
Android Studio Arctic Fox での Compose サポートの詳細については、こちらをご覧ください。
新しいフレームワークを採用するには、評価が必要です。新しい UI ツールキットのように広範囲にわたるものでは、特にそれが重要になります。皆さんにとって今が適切なタイミングかどうかを情報に基づいて判断できるように、パブリック ロードマップ (英語) を公開して今後の Jetpack Compose の開発計画をお知らせします。
Compose を活用していただくために、皆さんや皆さんのチームが利用できる幅広いリソースを準備しました。
学ぶべきことはたくさんあります。Jetpack Compose Pathway (英語) では、主要な コードラボ、動画、ドキュメントを順番に体験できます。
Jetpack Compose は大きな飛躍であり、すばらしい UI を短時間で簡単に作れるものだと確信しています。これを使って皆さんが作るものを見ることが楽しみでなりません。Compose が 1.0 の安定版になった今こそ、実際に使うべきときです。直接コードを触るのが最善の方法です。ぜひ Compose を使ってみてください!
この記事は Paris Hsu による Android Developers Blog の記事 "Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Beta" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Android Studio Arctic Fox のスプラッシュ画面
注:昨年末に発表した通り、Google では Android Studio のベースとなっている IntelliJ IDE の番号と整合性を持たせるために、バージョン番号体系を変更し、2020.3 となりました。その他にも独自のパッチ番号とわかりやすいコードネームを割り当てることで、覚えやすく簡単に参照できるようにしています。最初に Arctic Fox(現在ベータ版)、次に Bumblebee(現在カナリー版)のように、アルファベット順にコードネームを使用していきます。
デザイン、デバイス対応と管理、デベロッパーの生産性向上に重点を置いた Android アプリ開発用の公式 IDE 、Android Studio の最新リリース Arctic Fox (2020.3.1) Beta ❄️🦊を 2021 年 5 月 19 日(現地時間 5 月 18 日)に発表しました。現在 Beta チャンネルで公開していますのでダウンロードすると Google I/O 2021 で発表したすべての新機能を実際に使うことができます。
この 1 年間、さまざまな課題に対応しなければなかったにもかかわらず、革新的なすばらしいアプリを作り続けてきた世界中のデベロッパーコミュニティに触発されて、次の主に 3 つのテーマを強化する統合ツールの提供とアップデートに取り組んできました。
まとめると、今回のアップグレードは見逃せない内容になっています。✨ このベータ版には、これまでお伝えしてきた以外にも上記のテーマに関連した機能や改善が多数含まれていますので、以下の記事や動画をご覧ください。あるいは、記事のチェックを飛ばして、Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Beta を Beta チャンネルでダウンロードし、最新機能を今すぐ実際に使用してみてください。Android Studio の次期バージョンでも、引き続きデベロッパーの皆さんにとって最も重要なことに注力できるよう、フィードバックをお寄せください。
What's new in Android development tools (I/O 2021)
Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Beta の新機能を 3 つの主なテーマ別にすべてご紹介します。
Layout Inspector の Compose 対応
プレビューとガターにある「デバイスへのデプロイ」アイコンを使用
これまでの内容をまとめると、Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Beta には、以下の新しい機能強化と新機能が搭載されています。
I/O では、上記の一覧に記載されていない他の新機能もご覧になったかもしれません。それらの機能については、Beta チャンネルでリリースする準備が整わなかったため、Android Studio (2021.1.1) Bumblebee Canary に搭載されます。
今回のリリースに合わせて、Android Studio チームは Android Studio に関して複数のセッションで発表を行いました。以下の動画をご覧いただくと、提供される最新機能や Android Studio の使用に関する役立つ情報を確認できます 📺。なお、すべての動画で日本語字幕に対応しています。ぜひ切り替えてご覧ください。
Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) は重要なリリースとなっています。今が Beta リリースをダウンロードおよびチェックして、ワークフローに新しい機能を組み込む絶好の機会です。ベータ版リリースでは、ほぼ安定した機能を提供しますが、どのベータ版リリースにも言えるように、バグが残っている可能性があります。問題が見つかった場合は修正しますのでご連絡ください。Android Studio をすでにお使いの場合は、ナビゲーション メニューから Beta チャンネルでアップデートをチェックしてください([Help] > [Check for Update [Windows/Linux] , Android Studio] > [Check for Updates [OS X]])。ベータ版にアップデートすると、最新バージョンの Android Studio と Android Emulator にアクセスできます。
気に入った点、問題点、あったらいいなと思う機能に関するフィードバックをお寄せください。バグや問題が見つかった場合はご連絡ください。Android Studio 開発チームの Twitter と Medium もぜひフォローしてください。
Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team and Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play
この記事は Modern Android Development チーム による Android Developers Blog の記事 "Android @ Google I/O: 3 things to know in Modern Android Development" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
※日本語字幕に対応しています。ぜひ切り替えてご覧ください。
ここ数か月間で、いくつかの Jetpack ライブラリが安定版やベータ版に到達したり、アルファ版でリリースされています。主なものをご紹介します。
新機能についての詳細は、I/Oの他のセッション What's new in Jetpack、Using Jetpack libraries in Compose をご覧ください。また、Macrobenchmark の詳細については、 Measuring Jank and Startup with Macrobenchmark をご覧ください。すべての動画が日本語字幕に対応しています。
※日本語字幕に対応しています。
Android Studio Arctic Fox が提供するさまざまなインスペクターを使うと、アプリのデバッグが簡単になります。バックグラウンド作業では、Background Task Inspector を使うと WorkManager のワーカーの状態を把握できます。UI 用の Layout Inspector は、Android ビューと Compose の両方に対応しています。データベースのデバッグには、Database Inspector を利用できます。
実際のインスペクターを見てみたい方は、 What’s new in Android development tools セッションをご覧ください。
私たちは、ツールから API まで、Android における Kotlin をあらゆるレベルで改善し続け、さまざまな学習方法を提供しています。現在アルファ版の Kotlin Symbol Processing(KSP)は、KAPT より最大 2 倍高速に実行できる簡潔なコンパイラ プラグイン API です。私たちは、JetBrains と連携して IDE のパフォーマンスの問題に対処しています。その結果、自動インポート候補の表示が最大 20 倍高速になりました。また、DataBinding に StateFlow のサポートを追加し、UI で DataBinding を使わずに Flow を監視する新しい API を追加しました。すべての Kotlin の改善点は、 State of Kotlin on Android セッションでご紹介しています。
Modern Android Development(最先端の Android 開発)に関連する、今年のすべての Google I/O セッションは、こちらのプレイリストからご覧ください。
Reviewed by Hidenori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC
この記事は Karen Ng、Jacob Lehrbaum による Android Developers Blog の記事 "What's new for Android developers at Google I/O" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Android デベロッパーの皆さんは、世界中の人々を喜ばせるエクスペリエンスを作り出そうと日々努力を重ねています。人々がこれまでになくアプリを必要としている今、期待も大きくなり、デベロッパーとしての仕事の難易度も高まっています。私たちは Google I/O で、デベロッパーの皆さんをサポートするためにリリースした新機能をいくつか発表しました。過去最大級のデザイン変更を行った Android 12 や、高品質の優れたアプリ開発をサポートする Jetpack、Jetpack Compose、Android Studio、Kotlin などです。また、ウェアラブルデバイスや大画面対応が進むデバイスを通して、ユーザーによるアプリの使用シーンを広げるお手伝いをしています。こちらの Developer Keynote でもカバーしていますが、この記事でいくつかをハイライトしてご紹介します。
Android 12 は最初のベータ版のロールアウトがはじまったばかりですが、素晴らしい機能が満載です。ユーザーの安全のための機能である、Bluetooth や推定位置情報の利用許可、優先ジョブやスタートアップ アニメーションなどといったパフォーマンスの改善、よりインタラクティブなウィジェットやストレッチ オーバー スクロールなどの楽しいエクスペリエンスまで、このリリースで Android は過去最大級のデザイン アップデートをしています。
Android 12 Beta 1 の内容の詳細についてはこちらをご覧ください。内容をご確認いただき、年内公開のコンシューマ リリースに向けて、アプリの準備を始めてください。今すぐベータ版をダウンロードして、あなたのアプリでお試しください。
ここ数年間、私たちは Android 開発エクスペリエンスを進化することに取り組んできました。デベロッパーの皆さんのフィードバックに耳を傾け、フィードバックにオープンであり続けました。それが、Android の特徴だからです。しかしながら、自分たちが正しいと信じることに関しては、妥協しないよう心がけてきました。このことは、Android Studio(デベロッパーに合わせることができる高性能 IDE) 、Kotlin(より少ないコードでより多くのことを実現できるプログラミング言語)、Jetpack ライブラリ(後方互換性でモバイルに関連する最も難しい問題を解決するライブラリ)を通して、おわかりいただけるでしょう。
このオファリングの次のステップは Jetpack Compose、あらゆる Android デバイス向けの優れたアプリを簡単に構築できる最新 UI ツールキットです。私たちは、ここ Google I/O で 2 年前に Compose を発表し、それ以来新しいバージョンを公開しながら強化を重ね、フィードバックに耳を傾け、反映させてきました。今年はじめに公開した Compose Beta 版 では、世界中のデベロッパーの皆さんが、すばらしく革新的なエクスペリエンスを提供するアプリを通常の半分ほどの時間で作り出すことも実現されています(株式会社メルカリのケーススタディ)。また、Compose を使ったコンテストである #AndroidDevChallenge へのデベロッパーの皆さんからの熱い反響に、私たちはとても感動しました!
次回の Material You のアップデート(詳細はこちら)では、新しい マテリアル コンポーネントを追加し、大画面に対応する開発をさらにサポートする予定です。短期間で楽に素晴らしい UI を作成できるようになります。Compose のテストは最後の追い込み中です。1.0 Stable は 7 月にリリース予定です。ご準備ください。
公式の強力な Android IDE の最新リリース、Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Beta が、2021 年 5 月 19 日(現地時間 5 月 18 日)に公開されました。より楽に、より短期間で良質なアプリを開発できるようデベロッパーをサポートする IDE です。このツールスイートを提供しアップデートすることで、私たちは 3 つの主要テーマを強化してきました。そのテーマとは、UI 設計期間の短縮、新しいデバイスへのアプリ拡張、デベロッパーの生産性向上です。この最新リリースと Compose を合わせて使うことで、最新の UI を作成することができます。複数のデバイスでのテスト結果をご覧ください。そして App Inspector で、デバッグ データベースとバックグラウンド タスクを最適化してください。また、Accessibility Scanner (ユーザー補助検証ツール)を用いるとアプリがより使いやすく、Memory Profiler を用いるとアプリがより高性能になります。開発期間短縮のため、Android Gradle プラグイン 7.0、新しい DSL、さまざまな API を用意しました。Android Studio アップデートの詳細についてはこちらをご覧ください。
最近の調査によると、Kotlin はいまや、プロの Android デベロッパーに最も使われている第 1 言語です。実際、Google Play Store の 120 万以上のアプリで Kotlin が使用されています。これには、トップ 1000 アプリの 80% が含まれます。Google でも、Kotlin は愛されています。Drive、Home、Maps、Play など 70 以上の Google アプリで Kotlin が使用されています。そして Kotlin の注釈処理のために新しく作られた、まったく新しいネイティブソリューション、Kotlin Symbol Processing が本日リリースされました。Kotlin のコードを直接解析するための、強力だがシンプルな API です。Room のようなライブラリで最大 2 倍の速度を誇ります。
Android Jetpack で開発されたライブラリ スィートを利用すると、ボイラープレート コードが減り、本来のコードに集中することができます。現在、トップ 10,000 アプリの 84% 以上で Jetpack ライブラリが使用されています。そして 5 月 19 日(現地時間 5 月 18 日)、Jetpack 向けの新リリースがいくつか公開されました。アプリをリリースする前にアプリの起動に影響を与える大きなインタラクションやジャンクを把握するための Jetpack Macrobenchmark(Alpha)、Jetpack DataStore(Beta)を介してデータをより効率良く維持するための新しい Kotlin Coroutines API などです。Android Jetpack のアップデートの詳細についてはこちらをご覧ください。
最新の Android 開発環境を構築する上で、私たちが心掛けているもっとも大事なことは、これらのツールを提供することで 皆さんがより容易に Android の次の時代を切り開いていけるようにするということです。そしてそれは、電話と各種デバイス(テレビ、自動車、時計、タブレット)が接続し、連携することで生まれる新たな世界を実現することに他なりません。
今日 5 月 19 日(現地時間 5 月 18 日)から私たちは、ウェアラブルにむけて大きな一歩を踏み出します。まず、Samsung と合同で Wear と Tizen の長所を組み合わせた統合プラットフォームを構築すると発表しました。次に、刷新した Google アプリによる新しいコンシューマ エクスペリエンスをベストプラクティスとして共有しました。3 つめとして、Fitbit の世界クラスの健康フィットネス サービスをプラットフォームに取り入れることにしました。これは、Android デベロッパーにとっては、手が届く範囲が広がること、そしてモバイルアプリを素晴らしいものとする既存のスキル、ツール、API のすべてを使えることを意味します。結果として、世界中の人に使われる単一のウェアラブルプラットフォームが構築されるのです。
Wear 向けの新しい Jetpack API は、小型スクリーン用に調整し、バッテリーの寿命を伸ばすために設計しました。Jetpack Tiles API を使えば、Wear エコシステムの中のあらゆるデバイス向けカスタムタイルを作成できます。他にも Wear での開発を支援する新しい機能がたくさんあります。Samsung と共同してつくられた健康フィットネス向けの新しい API セットを使用すると、センサーやメトリクス計算のデータ コレクション(心拍数、カロリー、毎日の移動距離など)が、1 つの信頼できるデータソースから取得された、無駄のない、一貫性を持った、正確なデータになります。これらすべてが新しいツールにまとめられて、Android Studio Arctic Fox Beta でリリースされています。アプリをテストするための簡易なペアリングや、エミュレータでの仮想の心拍数センサーまで揃っています。アプリが配信されたら、ユーザーは、大きくアップデートされアプリの見つけやすさも向上した Google Play で、 より容易に Wear アプリの世界を楽しむことができます。Wear アップデートの詳細については、こちらをご覧ください。
タブレット、折りたたみ式デバイス、Chrome OS ノートパソコンなど、スマホのコンテンツをより大きな画面で体験するユーザーが増えています。人々は、家族や友人とのつながりを保ったり、学校に行ったり、リモートワークしたりする目的で、大型画面デバイスにますます依存するようになっています。実際に使用されている大型画面の Android デバイスは 2 億 5000 万台を超えています。Chrome OS は昨年、PC 市場の成長率の 5 倍、前年比で +92% 成長しました。その結果、Chrome OS は最速の成長を遂げて、2 番目に人気のデスクトップ OS になりました。この機会を掴むべく、大型画面でのエクスペリエンスをより簡単に最適化するための API と各種ツールを用意しました。たとえば、SlidingPaneLayout 1.2.0 と新しい垂直ナビゲーション レール コンポーネントを使うと大きくなった空間に合わせてコンテンツのサイズが自動調整されます。コンポーネントの幅を最大化することで UI が間延びしないようにします。また、プラットフォーム、Chrome OS、および Jetpack windowmanager がアップデートされたため、デフォルトでもアプリが問題なく動作します。詳細についてはこちらをご覧ください。
以上のことは、高品質の Android アプリを構築しやすくする、新しい方法のほんの一部です。5 月 19 日(現地時間 5 月 18 日)以降、私たちは Android と Google Play に関するテクニカル セッションを 20 以上公開し、バックグラウンド タスク、プライバシー、Android における機会学習、Android 12 に備えるトップ 12 のヒントなど、さまざまなトピックを扱います。自動車、テレビ、ウェアラブルの構築を担当する方のためのセッションもあります。こうしたセッションなどのすべての情報は、I/O の Web サイトにあります。今年の Google I/O では、セッションやニュースだけでなく、Google 関係者や他のデベロッパーとバーチャルにつながることができる楽しい仕掛けがたくさんあります。I/O Adventure の Android ドームをチェックしてください。新しいブログ投稿、ビデオ、コードラボなどをご覧いただけます。Jetpack Compose スキルを試したり、ドーム内部の自動車を巡るバーチャルツアーにもご参加ください!(注:会期外でアクセスできないプログラムがありますのでご了承ください)