この記事は Dave Burke による Android Developers Blog の記事 " Android 12 Beta 5 update, official release is next! " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
まもなく Android 12 が公式リリースを迎えます。現在、新バージョンの Android で最終調整を行っているところですが、皆さんのテストや開発に役立てていただくため、ベータ版の最終アップデートをお届けします。公式リリースに間に合うように、互換性のあるアプリやゲームへのアップデート準備をお願いいたします。
Beta 5 は 2021 年 9 月 8 日(日本時間 9 月 9 日) より、5G 対応の Pixel 5a を含む Pixel デバイスで利用できます。こちらから登録 (英語) すると、OTA(無線)アップデートを受け取ることができます。以前登録している方は、自動的に今回のアップデートを受け取ります。シャープなど、いくつかの主要メーカーの一部のデバイスでも Android 12 Beta 5 を試すことができます。使用を開始する方法についての詳細は、Android 12 デベロッパー サイトにアクセスしてください。
以下では、リリースが近づいてきた Android 12 公式版に関する情報をお伝えします。
2021 年 9 月 8 日(日本時間 9 月 9 日) のアップデートには、Pixel などのデバイスと Android Emulator 向けの Android 12 のリリース候補ビルドが含まれています。Beta 4 でプラットフォームの安定版に到達しているので、SDK や NDK API、アプリに面するシステムの動作、非 SDK インターフェースの制限など、アプリに面する部分はすべて完了しています。Beta 5 には、これらの機能と最新の修正および最適化が含まれており、テストを終えるために必要なものがすべてそろっています。
次に予定されているのは、Android 12 の公式リリースです。そのため、すべてのアプリやゲームのデベロッパーの皆さんに、最終リリース前に最終の互換性テストを終え、互換性アップデートを公開することをお願いします。SDK、ライブラリ、ツール、ゲームエンジン デベロッパーの皆さんは、できる限り早く互換性アップデートをリリースすることが重要です。下流のアプリやゲームのデベロッパーは、皆さんのアップデートを受け取るまで作業できないかもしれません。
アプリの互換性をテストするには、Android 12 Beta 5 が動作するデバイスにインストールし、アプリのフローを確認して機能や UI の問題を探します。Android 12 でのすべてのアプリが対象となる動作の変更点を確認し、影響を受ける可能性がある領域を集中的にテストしてください。特にテストしておくべき変更点は、以下のとおりです。
アプリのライブラリや SDK の互換性テストも忘れずに行ってください。SDK の問題を見つけた場合は、最新バージョンの SDK にアップデートするか、デベロッパーに連絡してサポートを受けるようお願いします。
現在のアプリの互換性のあるバージョンを公開したら、アプリの targetSdkVersion をアップデートするプロセスを開始できます。Android 12 をターゲットとするアプリの動作の変更点を確認し、互換性フレームワークを使って問題をすばやく検知します。
Android 12 には、優れたユーザー エクスペリエンスを構築する際に役立つたくさんの新機能が含まれています。Google I/O での Android 12 関連のセッションに関するまとめとリンクについては、Android 12 Beta 2 の投稿をご覧ください。すべての新しい機能と API の詳しい説明は、Android 12 デベロッパー サイトをご覧ください。
Android 12 の開発やテストには、ぜひ Android Studio Arctic Fox もお試しください。Android 12 の変更点によって影響を受ける可能性があるコードを特定しやすいように、lint チェックも追加しています。たとえば、スプラッシュ画面のカスタム宣言、高精度の位置情報の使用がリクエストされた際の大まかな位置情報の権限、メディア フォーマット、高センサー サンプリング レートの権限などです。ダウンロード (英語) と設定を行うと、最新版の Android Studio を試すことができます。
今回の Beta 5 のリリースには、Android 12 の機能を試し、アプリをテストしてフィードバックを提供するために必要なすべてのものが含まれています。サポート対象となっている Pixel デバイスを登録するだけで、OTA(無線)でアップデートを入手できます。また、Android 12 に対応したアプリの開発を行うために、Android 12 SDK をセットアップしてください。
シャープなど、いくつかの主要メーカーのデバイスでも、Beta 5 を試すことができます。さらに幅広くテストしたい場合は、Android GSI イメージで Beta 5 をお試しください。デバイスをお持ちでない場合は、Android Emulator でテストできます。今回のアップデートは Android TV でも利用できる (英語) ので、最新の TV 機能を確認したり、新しくなった Google TV エクスペリエンスでアプリをテストしたりできます。
もうすぐ予定されているAndroid 12 公式版リリースにご期待ください!それまでの間は、引き続きフィードバックをお寄せください。プラットフォームの問題、アプリの互換性の問題、サードパーティ SDK の問題の送信には、各ホットリストを使うことができます。
Android 12 リリースを形作ることに貢献してくださっているデベロッパー コミュニティの皆さんに深い感謝を捧げます。皆さんから寄せられたたくさんのバグレポートや、皆さんが共有してくれた知見は、API の調整や機能の改善、重大なバグの修正、そしてユーザーやデベロッパーにとってよりよいプラットフォームの実現に役立っています。ありがとうございます。
Android 12 に対応した皆さんのアプリを楽しみにしています。
Reviewed by Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play
この記事は Dave Burke による Android Developers Blog の記事 " Android 12 Beta 4 and Platform Stability " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
デベロッパーの皆さんにとって、Beta 4 は プラットフォームの安定版 を意味します。つまり、Android 12 の API とアプリに面する動作がすべて確定します。アプリやゲームにとっては、互換性と品質に注力していただく時期です。今年後半の公式リリースに間に合うように、互換性のあるアプリやゲームへのアップデート準備をお願いいたします。
Beta 4 は、Pixel デバイスで試すことができます。こちらから登録 (英語) するとOTA (無線)アップデートを受け取ることができます。以前登録している方は、自動的に今回のアップデートを受け取ります。ASUS、OnePlus、Oppo、realme、シャープ、ZTE など、いくつかのパートナーの一部のデバイスでも Android 12 Beta 4 を試すことができます。詳しくは android.com/beta をご覧ください。使用を開始する方法についての詳細は、Android 12 デベロッパー サイトにアクセスしてください。
Android 12 Beta 4 は、プラットフォームの安定版 に到達しました。これは、Android 12 のアプリに面する部分とその動作がすべて確定したことを示すマイルストーンです。公式の SDK と NDK API だけでなく、アプリに影響する可能性がある非 SDK インターフェースでも、アプリに面するシステム動作や制限が確定します。Beta 4 以降では、プラットフォームが変更されないことがわかっているので、安心して互換性アップデートをリリースできます。スケジュールの詳細はこちらをご覧ください。
すべてのアプリとゲームのデベロッパーは、最終リリース前にできるだけ早く最終の互換性テストを開始し、互換性アップデートを公開する準備をしてください。
すべての SDK、ライブラリ、ツール、ゲームエンジン デベロッパーの皆さんは、今すぐテストを始めて、できる限り早く互換性アップデートをリリースすることが非常に重要です。下流のアプリやゲームのデベロッパーは、皆さんのアップデートを受け取るまで作業できないかもしれません。互換性アップデートをリリースしたら、デベロッパーに向けてアナウンスしてください。
Android アプリの互換性とは、新しいバージョンのプラットフォームでアプリが意図したとおりに動作することを意味します。アプリの互換性は、デバイスかエミュレータに公開版のアプリをインストールしてテストするだけで確認できます。アプリの表示が問題なく、正しく動作すれば、それで終了です。そのアプリには互換性があります。
アプリの互換性テストは重要です。なぜなら、リリースごとにプラットフォームに必要な変更を行い、プライバシーやセキュリティを改善したり、OS 全体のユーザー エクスペリエンスを向上させたりしているからです。これにより、アプリに影響が生じる可能性もあります。そのため、すべてのアプリの動作の変更点についてのドキュメントを確認してテストし、ユーザーに互換性アップデートを公開する必要があります。アプリで優れたユーザー エクスペリエンスを確保するために、このレベルの品質は基本的かつ不可欠です。
デバイスを Android 12 にアップデートしたユーザーは、最新バージョンの Android やお気に入りのアプリやゲームを試してみたくなるでしょう。アプリやゲームが正しく動作しないと、大きな問題になり、結果的にアンインストールにつながります。
利用できる新しい API や機能はたくさんありますが、まずは現在のアプリをテストし、互換性アップデートをリリースするところから始めましょう。
Android 12 でのアプリの互換性テストは、Android 12 Beta 4 を実行しているデバイスに Google Play や他のソースから公開版のアプリをインストールするだけで行うことができます。そしてアプリのすべてのフローを試し、機能や UI の問題を探します。すべてのアプリが対象となる Android 12 の動作の変更点を確認し、集中的にテストを行ってください。特に注意すべき変更点は、以下のとおりです。
アプリのライブラリや SDK の互換性テストも忘れずに行ってください。問題を見つけた場合は、最新バージョンの SDK にアップデートするか、デベロッパーに連絡してサポートを受けるようお願いします。
現在のアプリの互換性のあるバージョンを公開したら、アプリの targetSdkVersion をアップデートするプロセスを開始できます。Android 12 をターゲットとするアプリの動作の変更点を確認し、互換性フレームワークを使って問題をすばやく検知します。以下に、テストが必要な変更点の一部を記載します(targetSdkVersion が 31 以上のアプリに適用されます)。
SCHEDULE_EXACT_ALARM
android:exported
テストでは、制限されている非 SDK インターフェースが使用されていないかも確認し、存在する場合は同等のパブリック SDK に移行します。制限されている API については、こちらをご覧ください。
今回のベータ版リリースには、Android 12 の機能を試し、アプリをテストしてフィードバックを提供するために必要なすべてのものが含まれています。サポート対象となっている Pixel デバイスを登録するだけで、OTA(無線)でアップデートを入手できます。また、Android 12 に対応したアプリの開発を行うために、Android 12 SDK をセットアップしてください。
ASUS、OnePlus、Oppo、realme、シャープ、ZTE など、いくつかの主要メーカーのデバイスでも Android 12 Beta 4 を試すことができます。Android 12 Beta に対応しているデバイスとパートナーの全リストは、android.com/beta に掲載されています。さらに幅広くテストしたい場合は、Android GSI イメージで Android 12 Beta 4 をお試しください。デバイスをお持ちでない場合は、Android Emulator でテストできます。
Beta 4 は Android TV でも利用できるので、ADT-3 デベロッパー キットを使って、最新の TV 機能を確認したり、新しくなった Google TV エクスペリエンスでアプリをテストしたりできます。詳しくはこちらをご覧ください。(英語)
数週間後には、最終テスト用のリリース候補として、最後のベータ版をお届けする予定です。
Android 12 Betaの詳細については、Android 12 デベロッパー サイトをご覧ください。
この記事は Amanda Alexander による Android Developers Blog の記事 " Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Stable " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Android Studio Arctic Fox が、安定版リリース チャンネルでダウンロードできるようになったことをお知らせします。この最新リリースでは、Android の新しいネイティブ UI 構築ツールキットである Jetpack Compose 1.0 を利用できます。さらに、Wear OS を含むデバイスにも注力し、新しい Background Task Manager などのデベロッパーの生産性を高める機能も搭載されています。皆さんのフィードバックをもとに開発されたこの新しい Android Studio 機能のスイートは、デベロッパー コミュニティがさまざまなデバイスで動作する質の高い最先端のアプリを迅速に作るために役立つことができれば幸いです。
注 : 昨年発表した通り、Android Studio のバージョン番号体系を Android Studio のベースになっている IntelliJ IDEA の年とバージョンに一致させ、そこに独自のパッチ番号を付加するように変更しました。今後はコードネーム(アルファベット順)を利用します。最初は Arctic Fox で、次は Bumblebee(現在カナリー版)です。Android Studio Arctic Fox(2020.3.1)では、Android Studio が IntelliJ プラットフォームのバージョン 2020.3 にアップデートされます。これには、デバッガ インタラクティブ ヒント、VCS のアップデート、いくつかの新しいコードエディタの強化など、ワークフローを高速化するたくさんの新機能が含まれています。詳細はこちらをご覧ください。(英語)
最新 UI をすばやくデザインできるように、Jetpack Compose 用の追加機能も搭載しています。Compose プレビューを使うと、Compose UI の複数のコンポーネントのプレビューを作成し、さまざまな要素(テーマ、画面、フォントサイズなど)にわたって変更の影響を即座に確認できます。デバイスへのデプロイ プレビュー機能では、Compose コードのスニペットを直接デバイスやエミュレータにデプロイし、小さなコードをすばやくテストできます。レイアウトを詳しく調べたい場合は、Layout Inspector に追加された Compose サポートを使って、レイアウトがどのようにレンダリングされるかを理解できます。さらに、リテラルのリアルタイム編集を追加しました。エミュレータや実機でアプリを動作させるときに、コンパイルを行うことなく、プレビューで Compose コードの変更を即座に確認できます。
サポート対象のデバイスを増やすため、新しい Wear OS ペア設定アシスタントを構築し、Wear OS エミュレータと物理スマートフォン、仮想スマートフォンとのペア設定を簡単に行えるようにしました。Wear OS の最新バージョンを使うには、Wear OS 3 システム イメージのデベロッパー プレビューをご利用ください。Wear OS エミュレータを実行すれば、心拍数センサー API のサポートが追加されていることにも気づくはずです。Google TV をターゲットにするアプリのために、最新の Google TV リモート コントロール機能を追加し、Google TV システム イメージをアップデートして最新の UI デザインを反映しました。さらに、Automotive OS で、運転に関するユースケースをシミュレーションするため、エミュレータで自動車センサーデータを利用できるようにして開発とテストのワークフローを完成させました。タブレットをターゲットにするアプリのために、すぐに横向きをサポートできるようにすべてのテンプレートを更新しました。開発のターゲットとなるデバイス画面の大小にかかわらず、新たな方法の導入とアプリの構築を継続するうえで役立つ新機能が含まれています。
最後に、デベロッパーの皆さんの生産性を向上させるために、作業の効率化に役立つ機能の追加についてご紹介します。たとえば、次期バージョンの Android アプリを構築する際のガイドとして、Android 12 向けの lint チェックを追加しました。コードのテストに役立ててもらうため、Layout Editor に Accessibility Scanner を追加し、レイアウトのユーザー補助に関する問題を簡単に見つけられるようにしました。また、新しいテスト マトリックスを使うと、複数のデバイスで並列実行されるテスト結果をリアルタイムに確認できます。さらに、Apple Silicon(arm64)ハードウェアのプレビュー サポートを追加し、幅広いテストをサポートできるようにエミュレータのコントロールを拡張しました。加えて、デバッグ用の新しい Background Task Inspector を使うと、アプリのバックグラウンド ワーカーを分析できます。
Android Studio Arctic Fox には、たくさんの機能強化が含まれています。すべての変更点のリストを確認したい方は、Android Studio Arctic Fox(2020.3.1)Beta リリースブログとリリースノートをご覧ください。以下では、主な変更点について紹介します。
Android Studio Arctic Fox の新機能
@Preview アノテーションを使うと、Compose コードのプレビューを生成して複数のコンポーネント(デバイス、テーマなど)をさまざまな構成で表示できます。Compose プレビューを活用すれば、コードで Composable のメンタル マッピングを簡単に作成できます。
Compose プレビュー
すべて Compose で書かれたアプリでも、Compose とビューを併用したアプリでも、Layout Inspector を使えばレイアウトの詳細を確認したり、トラブルシューティングを行ったりできます。たとえば、各 Composable に渡されたパラメータや修飾子を確認できます。アプリを開発する際に、ライブ アップデートを有効にしてデバイスからデータをストリーミングすることもできます。
Compose Layout Inspector
リテラル(文字列、数値、ブール値など)をインラインで編集すると、コンパイルしなおすことなく、変更の結果を画面(プレビュー、エミュレータ、実機)ですぐに確認できます。
リテラルのライブ編集 : 文字列を編集するとプレビューに即時反映
新しい Wear OS ペア設定アシスタントは、順を追ってペア設定プロセスを案内してくれるので、Wear OS エミュレータと仮想または物理スマートフォンのペア設定が簡単になります。なお、この機能は、Wear OS 2 コンパニオンとのペア設定をサポートします。Wear OS 3 は近日中にサポートされる予定です。詳細はこちらをご覧ください。
Wear OS エミュレータ ペア設定アシスタント ダイアログ
スマートフォン + スマートウォッチ エミュレータのペア設定が成功した状態
API レベル 26 以上を実行しているデバイスで WorkManager ライブラリ 2.5.0 以上を使っている場合、新しい Background Task Inspector を使ってアプリのバックグラウンド ワーカーを視覚化、監視、デバッグできます。メニューバーから [View] > [Tool Windows] > [App Inspection] を選択してアクセスできます。詳細はこちらをご覧ください。
Background Task Inspector
まとめると、Android Studio Arctic Fox(2020.3.1)安定版には、以下の機能強化と新機能が含まれています。
詳細は、Android Studio のリリースノート、Android Gradle プラグインのリリースノート、Android Emulator のリリースノートをご覧ください。
最新バージョンの Android Studio Arctic Fox はダウンロード ページ(英語)から、Apple Silicon プレビュー ビルドはこちら(英語)からダウンロードできます。Android Studio の以前のリリースをお使いの方は、最新バージョンの Android Studio にアップデートするだけで利用できます。Android Studio の安定バージョンを保持する必要がある場合、Android Studio Arctic Fox の安定リリース バージョンとカナリー リリース バージョンを同時に実行することができます。詳細はこちらをご覧ください。
気に入った点、問題点、新機能の提案などのフィードバックをお寄せください。バグや問題が見つかった場合は、バグを報告してください。Android Studio 開発チームの Twitter と Medium もぜひフォローしてください。
この記事は Anna-Chiara Bellini, Nick Butcher による Android Developers Blog の記事 " Jetpack Compose is now 1.0: announcing Android’s modern toolkit for building native UI " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
2021 年 7 月 28 日(日本時間 7 月 29 日) Jetpack Compose のバージョン 1.0 をリリースしました。Android の最新ネイティブ UI ツールキットである Jetpack Compose を使うと、優れたアプリを短時間で構築できます。このリリースは安定版で、本番環境で利用できます。Compose は、この 2 年間、Android コミュニティのフィードバックや貢献を受けつつ、オープンに開発が行われてきました。1.0 に到達した現時点で、既に Google Play ストアの 2000 以上のアプリで Compose が使われています。実は、Play ストアアプリ自体にも Compose が使われています。それだけではありません。たくさんのトップ アプリ デベロッパーと協力し、フィードバックやサポートを受けることで、1.0 リリースはさらに強固なものになっています。たとえば、Square は Compose を使うことで「宣言型 UI フレームワークの構築に関するさまざまな問題を解決することではなく、Square 独自の部分や UI インフラストラクチャに集中できる」と教えてくれました。Monzo は、Compose を使うと「質の高い画面を短時間で構築できる」と述べています。また、Twitter は「とても気に入っています!❤️」と見事に一言で言い表しています。
Compose は、ネイティブ Android アプリを短時間で簡単に作成できるように設計されています。完全に宣言的なアプローチが採用されているので、UI を記述しさえすれば、あとは Compose が対応してくれます。アプリの状態が変わると、UI が自動的に更新されるので、UI の構築がはるかにシンプルかつ高速になります。直感的な Kotlin API を使うと、美しいアプリを はるかに 少ないコードで実現できます。また、すべての既存の Android コードにネイティブでアクセスできるので、自分のペースで導入することもできます。強力なレイアウト API とコード駆動型 UI により、タブレットや折りたたみ式デバイスなど、異なるフォーム ファクタのサポートも簡単です。Compose のサポートは、Wear OS や ホーム画面 ウィジェットなども追加される予定です。
今回の 1.0 リリースは本番環境で利用でき、以下の主要機能が提供されています。
完全な宣言型アプローチを採用している Jetpack Compose によって、UI の開発方法は大きく変わります。新しいワークフローと異なる考え方をサポートするため、Compose 向けに設計された新しいツールを提供します。また、いくつかの既存のツールに Compose のサポートを追加しています。
Android Studio Arctic Fox で利用できる新しい Compose プレビューでは、異なる状態、ライトテーマやダークテーマ、異なるフォント スケーリングのコンポーザブルをすべて同時に確認できます。アプリ全体をデバイスにデプロイする必要はないので、コンポーネントの開発が簡単になります。リテラルのライブ編集機能によって機能強化されているため、プロジェクトを再コンパイルせずにアップデートを確認できます。
作業中の画面まで移動せずにデバイスで UI のパーツをテストしたいと思っていた方なら、新しいデプロイ プレビューを気に入ってくれるはずです。Composable のプレビューを作成するだけで、デバイスにデプロイしてすばやく反復できます。
Layout Inspector に Composable サポートが追加されるため、Compose と既存のビューを確実に混在させることができます。
Android Studio Arctic Fox での Compose サポートの詳細については、こちらをご覧ください。
新しいフレームワークを採用するには、評価が必要です。新しい UI ツールキットのように広範囲にわたるものでは、特にそれが重要になります。皆さんにとって今が適切なタイミングかどうかを情報に基づいて判断できるように、パブリック ロードマップ (英語) を公開して今後の Jetpack Compose の開発計画をお知らせします。
Compose を活用していただくために、皆さんや皆さんのチームが利用できる幅広いリソースを準備しました。
学ぶべきことはたくさんあります。Jetpack Compose Pathway (英語) では、主要な コードラボ、動画、ドキュメントを順番に体験できます。
Jetpack Compose は大きな飛躍であり、すばらしい UI を短時間で簡単に作れるものだと確信しています。これを使って皆さんが作るものを見ることが楽しみでなりません。Compose が 1.0 の安定版になった今こそ、実際に使うべきときです。直接コードを触るのが最善の方法です。ぜひ Compose を使ってみてください!
この記事は Dave Burke による Android Developers Blog の記事 " Android 12 Beta 3 and final APIs " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
私たちは、毎月 Android 12 の公式版リリースに近づけるための Beta 提供をを行っています。Android 12 には、革新的な機能や、ユーザーに適応する (英語) 新しい UI、パフォーマンスの向上、プライバシーの強化、セキュリティ上のメリットなどが含まれています。多くの皆さんが、Android 12 Beta プログラムを通じて既に Android 12 の開発やテストを行っています。これまでフィードバックを提供してくださった皆さん、どうもありがとうございました。
引き続き公式版のリリースを微調整する作業を継続していますが、先日 2021 年 7 月 14 日 (現地時間)にAndroid 12 Beta 3 をリリースしました。ぜひお試しください。Beta 3 には、スクロール スクリーンショット、プライバシー インジケーター API、自動回転の強化などのアップデートとともに、確定版の Android 12 API と公式 SDK も含まれています。以上の機能をもって、次回の Beta 4 での Platform Stability を待たずに、アプリのテストとアップデートを開始することができます。ぜひご自身のアプリやゲームのご準備をお願いいたします。
Beta 3 は、既に対象となる Pixel デバイスで利用でき、こちらから登録 (英語) すると OTA (無線) アップデートも行えます。Beta プログラムに登録済みの方は、自動的にアップデートを受け取ります。パートナーのデバイスメーカーである、シャープや TCL などの、一部のデバイスでも Android 12 Beta 3 を試すことができます。詳しくは android.com/beta をご覧ください。使用を開始する方法について詳しくは、Android 12 デベロッパー サイトにアクセスしてください。
Beta 3 には、機能、ユーザー エクスペリエンス、パフォーマンスを改善する様々なアップデートが含まれています。ここでは、いくつかのポイントを紹介します。
スクロール スクリーンショット - スクロールするコンテンツを簡単にキャプチャして共有できるように、スクロール スクリーンショットを追加します。Beta 3 以降では、スクロール可能なコンテンツのスクリーンショットをキャプチャする場合、[Capture more] ボタンが表示され、それを押すことでスクリーンショットを全コンテンツに拡張できます。その後、切り取る範囲を調整することもできます。
設定アプリでのスクロール スクリーンショットのキャプチャ例
スクロール スクリーンショットは、ほとんどのアプリでそのまま動作します。標準のビューベースの UI を使っているアプリでは、何の変更も必要ありません。ビューベースの UI を使わないアプリや UI ツールキット、または高度にカスタマイズされた UI でスクロール スクリーンショットをサポートするために、新しい ScrollCapture API (英語) を導入しています。この API を使うと、システムはアプリにスクロール キャプチャ リクエストを通知するとともに、UI を描画する Surface を提供します。スクロール スクリーンショットに関する反復作業はまだ続いています。Beta 4 では、スクロールする ListView など、デフォルトのサポートが改善される予定です。また、Web コンテンツなどサポート対象のコンテンツを増やすための作業も行っています。引き続き、皆さんのフィードバックをお待ちしています。
オンデバイス検索 - Beta 3 では、新しい高パフォーマンス オンデバイス検索エンジンである AppSearch がプラットフォームでサポートされます。AppSearch (英語) を使うと、アプリが構造化データをインデックスに登録したり、組み込みの全文検索機能を使って検索したりできます。非常に効率的なインデックスの登録や検索、多言語サポート、関連度ランキングなどのネイティブ機能を使うこともできます。
AppSearch には、ローカル インデックスとセントラル インデックスという 2 つの仕組みを搭載しています。ローカル インデックスはアプリで利用でき、新しい AppSearch Jetpack ライブラリを通して下位互換性も提供されます。セントラル インデックスは、Android 12(およびそれ以降のリリース)のシステム全体で維持されます。セントラル インデックスを利用すると、オプトアウトしない限り、システム UI の表層にアプリのデータが表示されます。さらに、他のアプリと安全にデータを共有し、自分のアプリのデータだけでなく他のアプリのデータも検索できるようになります。詳しくはこちらをご覧ください。(英語)
WindowInsets のプライバシー インジケーター API - Beta 2 では、アプリがデバイスのカメラまたはマイクを使っているときに、ステータスバーにプライバシー インジケーターが表示されるようになりました。アプリが没入モードのときにインジケーターが表示されると、コントロールやコンテンツが隠れてしまう可能性があるので、アプリはインジケーターを描画できる場所を把握し、有用なコンテンツが隠れないように必要な調整を行う必要があります。Beta 3 では、WindowInsets (英語) に新しくプライバシー インジケーター API (英語) を追加します。これを使うと、インジケーターの最大領域と画面上での相対的位置を取得できます。現在の画面の向きや言語設定も考慮されます。詳しくはこちらをご覧ください。
カメラとマイクの切り替えの企業設定 - Beta 2 では、新しい切り替え機能も導入し、すべてのアプリでユーザーが即座にデバイスのマイクやカメラをオフにできるようにしました。フルマネージド デバイスに必要な制限を設定できる企業の管理者は、この機能にアクセスできるようになります。詳しくはこちらをご覧ください。(英語)
CDM でペア設定され、フォアグラウンド サービスを開始するアプリの新しいパーミッション - システムの透過性を提供しつつ、コア機能を担うコンパニオン アプリのサポートを向上させるため、Companion Device Manager(CDM)とペア設定されたアプリは、新しい通常のパーミッションを宣言することで、バックグラウンドからフォアグラウンド サービスを起動できます。詳しくはこちらをご覧ください。(英語)
自動回転の向上と高速化 - 画面を回転させるタイミングを正確に認識できるように、前面カメラによる顔検出を使って Android の自動回転機能を強化しました。この機能は、ソファやベッドで横になりながらデバイスを使う場合などに特に便利です。デベロッパーにとっては、ユーザーが設定でオプトインした場合、自動回転の動作のユーザー エクスペリエンスが向上することになります。この自動回転機能の強化は、最近発表された Private Compute Core (英語) の機能です。そのため、画像が保存されたり、デバイス外に送信されたりすることはありません。Beta 3 では、この機能は Pixel 4 以降の Pixel デバイスで利用できます。
すべてのデバイスで画面の回転をできる限り高速化するため、アニメーションと再描画を最適化し、ML を利用したジェスチャー検知アルゴリズムを追加しました。その結果、ベースとなる自動回転機能の遅延が 25% 減少しました。顔検出による機能強化は、これらの改善が土台となっています。ぜひ改善された自動回転機能をお試しいただき、感想をお聞かせください。
ゲームに向けた Android 12 - Game Mode API (英語) を使うと、プレーヤーがゲームのパフォーマンス プロファイル(長時間通勤用に電池寿命を延ばす、パフォーマンス モードで最高のフレームレートを実現するなど)を選択する操作に応答できます。この API は、近日中に公開されるゲーム ダッシュボードと連携します。ダッシュボードでは、ゲームプレイ中に重要なユーティリティにすばやくアクセスできるオーバーレイ エクスペリエンスが提供されます。ゲーム ダッシュボードは、一部のデバイスで今年中に利用できるようになる予定です。
Android 12 での Touchgrind BMX の Play as you download
それまでの間は、インストール時にバックグラウンドでゲームアセットをフェッチできるようにする Play as you download (英語) を使って、プレーヤーをすばやくゲームプレイに導くことができます。
Android 12 のすべての新機能について知りたい方は、Android 12 デベロッパー Web サイトをご覧ください。
この数週間、Android 12 API を確定する作業を行ってきました。そして Beta 3 で、公式の API レベル 31 SDK と併せて確定版 API をリリースします。Beta 4 では完全な プラットフォームの安定版に到達する予定です。この段階では、API サーフェスに加えて、アプリ向けのすべてのシステム動作と非 SDK インターフェースの制限も確定します。
Android 12 API でアプリをコンパイルする場合は、今回のリリースを使って環境をアップデートし、確定版の SDK と最新ツールでアプリを再コンパイルすることをお勧めします。
Pixel などの対応デバイスで Android 12 Beta を利用するアーリー アダプターやデベロッパーが増えてきた今が、アプリを Android 12 Beta 3 に対応する絶好のタイミングです。
Beta 3 でアプリの互換性テストを行うには、Android 12 Beta を実行しているデバイスかエミュレータに、Google Play や他のソースで公開されているバージョンをインストールします。そしてアプリのすべてのフローを試し、機能や UI の問題を探します。変更によってアプリが影響を受ける領域を集中的にテストするため、動作の変更点を確認してください。この段階では、アプリの targetSdkVersion を変更する必要はありません。問題が解決できたら、Android 12 Beta のユーザー向けにできる限り早くアップデートを公開することをお勧めします。
前述のとおり、Android 12 は次のリリースとなる Beta 4 で Platform Stability に到達します。Platform Stability では、アプリに面するすべての動作、SDK/NDK API、非 SDK 制限が確定します。このタイミングで最終的な互換性テストを終え、完全に互換性があるバージョンのアプリ、SDK、ライブラリのリリースをしてください。デベロッパー向けの Android 12 のタイムラインの詳細は、こちらをご覧ください。
今回の Andorid 12 Beta 3 リリースには、Android 12 の最新機能を試し、アプリの動作をテストしてフィードバックを提供するために必要なすべてのものが含まれています。サポート対象となっている Pixel デバイスを登録するだけで、OTA(無線)でアップデートを入手できます。また、Android 12 に対応したアプリの開発を行うために、Android 12 SDK をセットアップしてください。
Android 12 Beta 3 は、シャープや TCL などの一部の主要メーカー パートナーのデバイスでも利用できます。Android 12 Beta に対応しているデバイス パートナーの全リストは、android.com/beta に掲載されています。さらに幅広くテストしたい場合は、Android GSI イメージで Android 12 Beta をお試しください。デバイスをお持ちでない場合は、Android Emulator でテストできます。
Beta 3 は Android TV でも利用できるので、ADT-3 デベロッパーキットを使って、新しくなった Google TV エクスペリエンスで最新の TV 機能を確認したり、アプリをテストしたりできます。詳しくはこちらをご覧ください。(英語)
Android 12 Beta の詳細については、Android 12 デベロッパー Web サイトをご覧ください。
この記事は Paris Hsu による Android Developers Blog の記事 "Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Beta" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Android Studio Arctic Fox のスプラッシュ画面
注:昨年末に発表した通り、Google では Android Studio のベースとなっている IntelliJ IDE の番号と整合性を持たせるために、バージョン番号体系を変更し、2020.3 となりました。その他にも独自のパッチ番号とわかりやすいコードネームを割り当てることで、覚えやすく簡単に参照できるようにしています。最初に Arctic Fox(現在ベータ版)、次に Bumblebee(現在カナリー版)のように、アルファベット順にコードネームを使用していきます。
デザイン、デバイス対応と管理、デベロッパーの生産性向上に重点を置いた Android アプリ開発用の公式 IDE 、Android Studio の最新リリース Arctic Fox (2020.3.1) Beta ❄️🦊を 2021 年 5 月 19 日(現地時間 5 月 18 日)に発表しました。現在 Beta チャンネルで公開していますのでダウンロードすると Google I/O 2021 で発表したすべての新機能を実際に使うことができます。
この 1 年間、さまざまな課題に対応しなければなかったにもかかわらず、革新的なすばらしいアプリを作り続けてきた世界中のデベロッパーコミュニティに触発されて、次の主に 3 つのテーマを強化する統合ツールの提供とアップデートに取り組んできました。
まとめると、今回のアップグレードは見逃せない内容になっています。✨ このベータ版には、これまでお伝えしてきた以外にも上記のテーマに関連した機能や改善が多数含まれていますので、以下の記事や動画をご覧ください。あるいは、記事のチェックを飛ばして、Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Beta を Beta チャンネルでダウンロードし、最新機能を今すぐ実際に使用してみてください。Android Studio の次期バージョンでも、引き続きデベロッパーの皆さんにとって最も重要なことに注力できるよう、フィードバックをお寄せください。
What's new in Android development tools (I/O 2021)
Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Beta の新機能を 3 つの主なテーマ別にすべてご紹介します。
Layout Inspector の Compose 対応
プレビューとガターにある「デバイスへのデプロイ」アイコンを使用
これまでの内容をまとめると、Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) Beta には、以下の新しい機能強化と新機能が搭載されています。
I/O では、上記の一覧に記載されていない他の新機能もご覧になったかもしれません。それらの機能については、Beta チャンネルでリリースする準備が整わなかったため、Android Studio (2021.1.1) Bumblebee Canary に搭載されます。
今回のリリースに合わせて、Android Studio チームは Android Studio に関して複数のセッションで発表を行いました。以下の動画をご覧いただくと、提供される最新機能や Android Studio の使用に関する役立つ情報を確認できます 📺。なお、すべての動画で日本語字幕に対応しています。ぜひ切り替えてご覧ください。
Android Studio Arctic Fox (2020.3.1) は重要なリリースとなっています。今が Beta リリースをダウンロードおよびチェックして、ワークフローに新しい機能を組み込む絶好の機会です。ベータ版リリースでは、ほぼ安定した機能を提供しますが、どのベータ版リリースにも言えるように、バグが残っている可能性があります。問題が見つかった場合は修正しますのでご連絡ください。Android Studio をすでにお使いの場合は、ナビゲーション メニューから Beta チャンネルでアップデートをチェックしてください([Help] > [Check for Update [Windows/Linux] , Android Studio] > [Check for Updates [OS X]])。ベータ版にアップデートすると、最新バージョンの Android Studio と Android Emulator にアクセスできます。
気に入った点、問題点、あったらいいなと思う機能に関するフィードバックをお寄せください。バグや問題が見つかった場合はご連絡ください。Android Studio 開発チームの Twitter と Medium もぜひフォローしてください。
Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team and Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play
この記事は Dave Burke による Android Developers Blog の記事 "Android 12 Beta 2 Update" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
先月の Google I/O で、Android 12 最初のベータ版をリリースしました。Android 12 Beta 1 でリリースした注目の機能は、プライバシーとセキュリティを中核とした、ユーザーに適応する新しい UI や、パフォーマンスの向上が行われていることでした。デベロッパーにとって Android 12 は、スマートフォン、ノートパソコン、タブレット、ウェアラブル、TV、自動車で快適なエクスペリエンスを実現するための優れたツールです。
そして先日 2021 年 6 月 10 日(現地時間 6 月 9 日)、Android 12 Beta 2 をリリースしました。Android 12 Beta 2 では、プライバシー ダッシュボードなどの新しいプライバシー機能が追加されているほか、リリースを微調整する作業も継続しています。
Android 12 は、UI の再設計から、アプリ ウィジェット、高度な触覚機能、動画や画像の品質向上、おおよその位置情報などのプライバシー機能まで、あらゆる面で多くの変更が加えられました。関連する Google I/O セッションの要約は、後述の「Google I/O で発表した Android 12 関連情報」をご覧ください。
Android 12 Beta 2 は、 6 月 10 日より Pixel デバイスで利用でき、こちらから登録すると無線(OTA)アップデートを受信することができます。以前 Android 12 Beta 1 をインストールしているデバイスは、自動的に Beta 2 のアップデートを受信します。Android 12 Beta 2 は、一部のパートナーのデバイスでも利用できます。詳しくは、android.com/beta をご覧ください。
Android 12 Beta 2 をインストールする方法について、詳しくは Android 12 デベロッパー Web サイトをご覧ください。
今回の Beta 2 には、Google I/O でお話ししたいくつかの新しいプライバシー機能に加えて、機能、安定性、パフォーマンスを改善するためのさまざまな機能アップデートが含まれています。ここでは、いくつかのポイントをご紹介します。
プライバシー ダッシュボード - アプリがアクセスするデータについての視認性を向上させるため、プライバシー ダッシュボードを追加しました。このダッシュボードには、マイク、カメラ、位置情報にアクセスした最近のアプリが、シンプルで明確なタイムライン形式で表示されます。ユーザーはアプリに対して、プライベートなデータにアクセスする詳しい理由をリクエストできます。デベロッパーは、アクティビティで新しいシステム インテント ACTION_VIEW_PERMISSION_USAGE_FOR_PERIOD を利用してこの情報を提供できます。
アプリでこのインテントを活用し、指定された期間内のアクセスについてユーザーが理解できるよう積極的に対応することをお勧めします。自分のコードやサードパーティ製ライブラリのアクセスをトラッキングしたい場合は、Data Auditing API を利用できます。詳しくはこちらをご覧ください。
プライバシー ダッシュボードと位置情報アクセスのタイムライン
マイクとカメラのインジケーター - ステータスバーにインジケーターを追加し、アプリがデバイスのカメラやマイクを使っているときにユーザーがそれを認識できるようにしました。ユーザーがクイック設定に移動すると、どのアプリがカメラやマイクのデータにアクセスしているかを確認したり、必要に応じてパーミッションを管理したりできます。デベロッパーは、アプリでのマイクやカメラの使用について確認し、ユーザーが予期しない形で使用している場合はそれを削除するようにしてください。詳しくはこちらをご覧ください。
マイクとカメラの切り替え - マイクやカメラに対するアプリからのアクセスをすぐに簡単に無効化できるように、サポート対象のデバイスで、クイック設定に切り替え機能を追加しました。これをオフにすると、アプリからセンサーにアクセスしても、カメラや音声のフィードは空になります。その際にシステムは、アプリの機能を使うにはアクセスを有効化する必要があることを通知します。デベロッパーは、新しい API SensorPrivacyManager を使って、デバイスで切り替えがサポートされているかどうかを確認できます。
マイクとカメラの制御は、アプリのプラットフォームのターゲットにかかわらず、すべてのアプリに適用されます。詳しくはこちらをご覧ください。
クリップボード読み取り通知 - アプリがクリップボードを読み取っていることを明示的にするため、Android 12 では、アプリが getPrimaryClip() を呼び出すたびに画面下にトーストが表示されます。クリップボードにコピーしたのが同じアプリである場合、トーストは表示されません。アプリからのクリップボードの読み取りは最小限にとどめ、ユーザーが予測できる形でのみクリップボードにアクセスすることをお勧めします。詳しくはこちらをご覧ください。
接続エクスペリエンスの直感性向上 - ユーザーによるネットワーク接続の理解と管理を向上するため、ステータスバー、クイック設定、設定に、よりシンプルで直感的な接続エクスペリエンスを導入します。新しいインターネット パネルを使うと、ユーザーは簡単にインターネット プロバイダを切り替えたり、ネットワーク接続の問題のトラブルシューティングなどが行えます。
クイック設定による新しいインターネット コントロール
Google I/O では、Android 12 から最先端の Android 開発ツール、Wear や折りたたみ式デバイスなどの新しいフォーム ファクタ、Google Play まで、デベロッパー向けの Android の新機能についてお話ししました。ここでは、Google I/O の Android 12 関連の話題のうち、押さえておきたいトップ 3 をご紹介します。
#1 Android 向けの新しい UI - Android 12 では、Android 史上最大のデザイン変更が行われました。色、形状、明るさ、動きなど、エクスペリエンス全体を再考し、Material You と呼ばれる 1 つのデザイン言語によって Android 12 の表現力、ダイナミックさ、パーソナル性を高めています。
#2 パフォーマンス - Android 12 では、根本的なシステムのパフォーマンス、バッテリーの寿命、フォアグラウンド サービスの変更、メディアの品質とパフォーマンス、アプリを最適化するための新ツールなど、パフォーマンスを向上する大規模な変更を行っています。
#3 プライバシーとセキュリティ - Android 12 でも引き続き、ユーザーのデバイスとデータのセキュリティを保護しながら、透明性と制御性を高めることに努めています。
デベロッパー向けの Android 12 の機能概要を確認したい方は、今年の What's new in Android セッションをご覧ください。アプリの互換性テストに関する概要を確認したい方は、Top 12 tips to get ready for Android 12 セッションをご覧ください。Google I/O のすべての Android 関連のコンテンツは、こちらからご確認ください。
Pixel などの対応デバイスで Android 12 Beta を利用するアーリー アダプターやデベロッパーが増えてきた今が、アプリを Android 12 Beta 2 対応にする絶好のタイミングです。
アプリの互換性テストを行うには、Android 12 Beta を実行しているデバイスかエミュレータに、Google Play や他のソースで公開されているバージョンをインストールします。そしてアプリのすべてのフローを試し、機能や UI の問題を確認します。
特に注意してテストを行うべき点については、動作の変更点を参照してください。現時点でアプリの targetSdkVersion を変更する必要はありません。そのため、問題を解決でき次第、Android 12 Beta ユーザーのためにできる限り早くアップデートを公開しましょう。
Beta 2 をリリースしたので、Android 12 は 2021 年 8 月の Platform Stability に近づいています。その時点で、アプリに関連するシステムの動作、SDK/NDK の API、非 SDK リストが確定します。このタイミングで最終的な互換性テストを終え、完全に互換性があるバージョンのアプリ、SDK、ライブラリをリリースしてください。デベロッパー向けのタイムラインの詳細は、こちらをご覧ください。
今回の Android 12 Beta 2 リリースには、Android 12 の最新機能を試し、あなたのアプリの動作をテストしてフィードバックを提供するために必要なすべてのものが含まれています。サポート対象となっている Pixel デバイスを登録するだけで、OTA(無線)でアップデートを入手できます。また、Android 12 に対応したアプリの開発を行うために、Android 12 SDK をセットアップしてください。
Android 12 Beta 2 は、Sharp などの一部の主要メーカー パートナーのデバイスでも利用できます。Android 12 Beta に対応しているデバイス パートナーの全リストは、android.com/beta に掲載されています。さらに幅広くテストしたい場合は、Android GSI イメージで Android 12 Beta をお試しください。デバイスをお持ちでない場合は、Android Emulator でテストできます。
Beta 2 は Android TV でも利用できるので、最新の TV 機能を確認したり、新しくなった Google TV エクスペリエンスでアプリの動作をテストできます。ADT-3 デベロッパー キットをお使いください。詳しくはこちらをご覧ください。
Reviewed by Takeshi Hagikura - Developer Relations Team and Hidenori Fujii - Head of APAC Developer Marketing, P&E
この記事は Jon Markoff、Sean Smith による Android Developers Blog の記事 "Introducing Security By Design" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
アプリ開発のどの段階でセキュリティ対策を実装すべきか悩まれたことはありませんか?セキュリティをアプリ開発のライフサイクルに組み込んでおくと、たくさんの時間と費用、リスクを削減できます。Google Play の技術情報をオンラインで学習できる Google Play アカデミーで公開している「安全性を重視した設計」コースでは、デベロッパーがセキュリティの脅威を特定し、緩和して、先回りで保護できるための知識を習得できます。
Google Play を含む Android エコシステムには、デベロッパーやユーザーを保護するための多くのセキュリティ機能が組み込まれています。 「アプリのセキュリティに関するベスト プラクティスの概要 」コースは、これらの保護を一歩進めて、アプリに組み込まれた追加のセキュリティ機能を活用できるような内容になっています。たとえば、Jetpack Security は、デベロッパーがデータを適切に暗号化し、Files や SharedPreferences を暗号化するための安全でよく知られたアルゴリズムのみを提供します。root 化されたデバイスや、危険なデバイスを通じて、悪意のある人があなたのアプリを認可されていない方法で使用する可能性を懸念していませんか?SafetyNet Attestation API を使うと、危険な可能性がある使用パターンを特定することができます。特定できる使用パターンは、一般的に見られるいくつかの設計上の脆弱性で、たとえば、ファイル ストレージの共有や不適切な使用、安全でないプロトコルの使用、アクティビティなどのコンポーネントを保護しないことなどです。このコースでは、リリース後もアプリの安全を保つためのアプリのテスト方法についても解説しています。さらに、脆弱性開示プログラム(VDP)を設定してセキュリティ研究者に協力を求めることもできます。
「セキュリティ開発ライフサイクルの概要」コースでは、セキュリティ開発ライフサイクル(SDL)を採用して開発プロセスの各ステージにセキュリティを組み込む方法を学ぶことができます。SDL は業界基準のプロセスです。このコースでは、プログラムの設定の基礎、経営陣の協力を得る方法、開発ライフサイクルへの組み込み方について学習します。
また、同じくセキュリティ開発ライフサイクルの一部である脅威のモデリングについては、脅威の特定、分類、対処を行うために、攻撃者の視点で考えることを学習します。開発の設計フェーズの早い段階でこれを行うことで、はるかに少ない費用で潜在的な脅威を特定し、それを緩和する方法について計画し、ユーザーにとってのプロダクトの安全性を高めることができます。
アプリのセキュリティ強化は終わることのないプロセスです。ぜひ、「安全性を重視した設計」コースを受講してください。いくつかのミニコースを通じて、アプリ開発ライフサイクルにセキュリティを組み込む方法、潜在的な脅威をモデリングする方法、セキュリティのベスト プラクティスをアプリに組み込む方法、そして潜在的な設計の落とし穴を回避する方法を習得しましょう。
Reviewed by Hidenori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC