この記事は Sagar Kamdar による Android Developers Blog の記事 " What’s new for Android developers at #AndroidDevSummit’21 " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
デベロッパーの皆さんが作成するアプリは、誰も想像できなかったような形で世界の人々の役に立っています。先日 2 日間にわたって開催された Android Dev Summit (英語サイト/動画は日本語字幕あり) では、ユーザーに重きを置き、ニーズを理解して、ユーザーを喜ばせるようなアプリを作るということについてお話ししました。Android Dev Summit の 2 日間は Android の重要なテーマである excellent apps, across devices(デバイスを超える優れたアプリ体験)に向けて開発を行っている皆さんをサポートする内容に焦点を当てました。まずは、生産性を向上させる「最先端の Android 開発」をアップデートし、優れたアプリの開発に集中できるようにすること。そして次に、アプリを拡張して、すべてのフォーム ファクタのデバイスに展開させることです。その大きな一歩として、折りたたみ式デバイスとタブレットを対象として、大画面用に最適化された Android 12 の機能セットである 12L フィーチャー ドロップを提供します。詳しくは後ほど説明します。
*日本語字幕は、YouTube の自動字幕機能から日本語を選択してください
優れたアプリの構築をサポートするという点では、開発ツール、API、言語、配布テクノロジーのコレクションである最先端の Android 開発(Modern Android Development、略称 MAD)を拡張しています。MAD が、皆さんの生産性を上げるためのパートナーとなります。そして、MAD のいたるところに、生産性を上げて優れたアプリを作成するたくさんの新機能を追加しています。中でも特に大きなお知らせは、Android のネイティブ UI 開発用の最新ツールキット Jetpack Compose が、Material You とそのまったく新しいデザイン ビジョンに対応したことです。
今年の Google I/O で Android 12 に導入された (英語) Material You は、あらゆるスタイルでパーソナルな体験を提供し、あらゆるニーズに対応して、あらゆる画面に適応することに重点を置いています。最初のアルファ版として、マテリアル デザイン 3 (英語)スタイルのコンポーネントやテーマ (英語) 、さらにはダイナミック カラーなど、 Material You のパーソナライズ機能を提供する Compose Material 3 (英語) をリリースします。また、Jetpack Compose 1.1 の最初のベータ版もリリースします。これには、Android 12 のストレッチ オーバースクロール、タッチターゲットのサイズの改善、遅延レイアウト アニメーションの試験運用版などの機能が含まれています。Jetpack Compose は安定版になっており、本番環境で問題なく利用できます。短時間で簡単にあらゆるフォーム ファクタの Android UI を構築できるように、皆さんが必要とする機能の追加は継続します。Wear OS とホーム画面ウィジェットの作成機能も新たにサポートされています。
Compose 以外にも、Jetpack に要望のあった機能を追加する作業を続けています。Navigation には複数のバックスタックのサポートを追加しました。また、永続化作業の推奨ソリューションである WorkManager が優先ジョブをサポートし、Android 12 のバックグラウンドの制限を扱いやすくしました。Room には自動移行とリレーションのマルチマップを追加し、SharedPreferences に代わって推奨されている DataStore は 1.0 に到達しました。起動時間とフレームのパフォーマンスを測定して改善するツール Macrobenchmark は、簡素化を行ってフレーム タイミングの精度を向上させただけでなく、Android M までの下位互換性も追加しています。
Android のさまざまなフォーム ファクタ向けに開発するうえで役立つアップデートも行いました。さまざまな Android デバイスやフォーム ファクタで動作することは、例えば、Spotify が無数のファンとたくさんのクリエイターをつなぐというミッションを果たすうえでも役立ちました。次の動画をご覧ください。
*日本語字幕あり
大画面に対する需要はますます加速しています。Chrome OS は前年比で 92% 増加し、世界で最も速く成長しているデスクトップ OS になりました。昨年のタブレットの販売代数は 20% 増加し、最も新しく画期的なフォーム ファクタである折りたたみ式の販売台数は 2.5 倍になりました。すべて合わせると、2 億 5000 万台のアクティブな大画面 Android デバイスが存在します。Android はそれにふさわしい OS を提供します。そこで、大きなニュースを発表します。Android 12 で今後提供される予定の、大画面専用のアップデートが含まれるフィーチャー ドロップ、12L のデベロッパー プレビューです。12L では、大画面向けにシステム UI を最適化および洗練し、マルチタスクをさらに強力で直感的なものにするとともに、アプリがすぐに見栄えのよい状態になるように互換性サポートを向上させています。12L デベロッパー プレビュー (英語) に含まれる大画面関連の新機能は、早速本日から試してみることができます。12L の内容と、大画面向けの開発がどのように楽になるかについては、こちらからご覧ください。
多くのデベロッパーが、今年リリースされた Wear OS の最新版向けに便利なアプリを作成しました。Strava、Spotify、Calm などのように、高度で没入感のあるアプリが登場することを期待しています。Jetpack Compose のおかげで、UI の構築ははるかに早く簡単になりました。そこで、Wear OS にも Compose のサポートを追加します。現在、Compose for Wear OS はデベロッパー プレビュー です。新しいサンプルやドキュメントもあるので、始める際の参考にしてください。現在ベータ版の Tiles API は、予測可能な方法で一目で情報にアクセスしたりクイック アクションに使用したりできます。また、Samsung と連携して、ウォッチフェイスのデザインを簡単にする取り組みも進めています。Samsung が作成した Watch Face Studio (英語) を使うと、コーディングなしで独自のウォッチフェイスを作成できます。つまり、見たものが...そのままスマートウォッチから得られます。Wear OS 関連の詳しいニュースは、こちらからご覧ください。
皆さんのビジネス拡大に役立てていただくため、Google Play の機能を強化しました。ユーザーの信頼を高めるため、デベロッパーのプライバシーに関する取り組みを表明できるデータ セーフティ セクションと、本物のアプリがインストールされていることを保証する Play Integrity API を追加しました。さらに、アプリの品質向上に役立つツールや機能の導入も進めています。先日は、99% のデベロッパーでサービス手数料が 15% 以下になるように、プログラムの改定を行いました。詳しい内容は、ブログ投稿 を確認するか、こちらのセッションをご覧ください。(リンク先は英語、動画は日本語字幕あり)
先日、30 以上のテクニカル セッションを公開しました。自分のペースで視聴できるので、こちらからご覧ください (英語、動画は日本語字幕あり)。開催期間中の 2 日間で、たくさんのライブ コンテンツをお届けしましたので、どうぞお楽しみください。#AskAndroid では、最先端の Android 開発、大画面、Material You に対応した Compose などに関する皆さんからの熱い質問を受け付けました。Android を作ったチームに回答してもらうチャンスもありました。さらに当日は、Android Code-Alongs もライブ開催しました。参加者は、Android エキスパートがコードを書く様子を見たり、プログラミング チャレンジに挑戦したり、Jetpack Compose や Compose for Wear OS に関する質問への回答をライブで聞くことができました。こちらからすべてのアジェンダとスケジュールをご覧いただけます。まだの方は、#AndroidDevSummit のコンテンツをお楽しみください!
Reviewed by Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play