この記事は Nimrod Levy による Android Developers - Medium の記事 " Go Global at Ramadan " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
世界中のデベロッパーはラマダンの間、この聖なる月を祝う多くの国で、人々のアクティビティが増加することを知っています。これは、ゲームのエンゲージメントを高め、収益化を加速し、大きな成功につなげるための絶好の機会です。
ラマダンは、イスラム暦の 9 番目の月です。世界中のイスラム教徒は、この月を断食、祈り、内省、そしてコミュニティとの関わりを深める月としています。イスラム暦は太陰暦なので、西暦でのラマダンの日付は毎年変わります。2022 年のラマダンは、4 月 2 日から始まり、5 月 1 日に終わります。ラマダンの終わりである 5 月 2 日はイード・アル=フィトルと呼ばれ、19 か国で祝日となっています。
World Population Review (英語) によると、2021 年のイスラム教徒の人口は約 19 億人でした。つまり、世界の人口の約 24% がラマダンを祝っています。ほとんどのイスラム教徒は、中東か東南アジアに住んでいます。たとえばインドネシアは世界最大のイスラム教国で、全イスラム教徒の 13% が住んでいます。
ラマダンの期間中は、魂を清め、自制心と統制心を鍛えるため、夜明けから日没まで飲食を控えます。また、家にとどまって仕事を減らすので、自由な時間が増えることが多くなります。この行動によって、たくさんの国でデジタル アクティビティが増えることになります。そして多くの場合、その中心はゲームです。たとえば eMarketer によると、インドネシア人の 44% は、ラマダン最初の週のデジタル アクティビティにオンライン ゲームを選んでいます。
この市場もまた巨大です。Newzoo によると、2021 年時点で、アジアや中東のイスラム教国(インドネシア、マレーシア、パキスタン、バングラデシュ、サウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連邦、エジプト)には約 3 億人のモバイル プレーヤーがおり、43 億 2,000 万ドルのモバイル収益を生んでいます。
Google Play では、中東、アフリカ、東南アジアでゲームに支出した人は前年比 20% 増加しています。ラマダンの効果(2021 年)に目を向ければ、ラマダン前の 31 日間と比べて、ラマダン中のゲームの実績は次のようになっています。
過去 2 年間の地区別のラマダンの効果にも注目してみました。2020 年の方が大きく増加しているのは、COVID-19 によるロックダウンの影響だと考えられます。
インドネシア、マレーシア、バングラデシュ、パキスタンのラマダン期間中の実績は次のようになっています。
トルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールのラマダン期間中の実績は次のようになっています。
つまり、ラマダンの期間中にイスラム世界のプレーヤーとエンゲージする方法を探すことで、大きな成果を得られる可能性があるのです。
ラマダンの期間中にプレーヤーのエンゲージメントを最適化する取り組みは、基礎を正しく理解するところから始まります。次に、プレーヤーに特典を与える方法を探し、皆さんが提供するものをプレーヤーに知ってもらうためのプロモーションをします。
ラマダン中の実績を上げる前に、プレーヤーが確実にゲームを見つけ、すべての機能を利用できるようにする必要があります。具体的には、次のようにします。
ラマダンの期間中にプレーヤーのエンゲージメントを高める最高の方法は、この月に特典を与えることです。以下に例を示します。
ラマダンの間に何か特別なことをする場合は、ユーザーにそれを知ってもらうようにします。そのため、ゲーム内プロモーションに加えて、以下を行うことを検討します。
ヒント : こういった活動においては、プレーヤーがラマダンの期間中に断食していることを意識してください。食べものや飲みものを見せることは避ける必要があります。
Tamatem Inc. (英語) は、エンゲージメントと収入を高めるため、2020 年のラマダンに合わせて Fashion Queen (アラビア語) の環境やプロモーションを調整し、ゲームのアイコン、Play Store のプレビュー、読み込み画面、BGM、衣装、周囲の装飾をラマダンを祝うものに変更しました。さらに、この月には、ラマダンをテーマにした限定の衣装やイベントを含めた LiveOps をしました。
こういった取り組みによって、ラマダン期間中のユーザー当たりの平均セッション時間が 20%、サブスクリプションによる収益が 12% 増加しました。
「ラマダンは 1 年で最も期待できる季節です。この月の LiveOps プロモーションやオファーでは、通常 50% の収益増加と、ユーザー エンゲージメントの増加を期待できます。私たちは、この特別な月に最高のエクスペリエンスを提供できるように、何か月も前から計画を立てています」と Tamatem のプロダクト マネージャーである Dina Rashdan 氏は語っています。
2020 年、LilithGames が「Rise of Kingdoms (英語) 」で作成した特別なラマダンのギフトバンドルは、プレーヤーの間で好評でした。
2020 年の成功を受け、2021 年には、Stars and Moons というラマダンをテーマにしたパッケージを作成しました。このテーマパックには、Islam Theme Frame、Tome of Knowledge、Dazzling Starlight Sculpture などのアイテムが含まれていました。パッケージの名前とアイテムは、ラマダンを連想するものです。たとえば、三日月と星はイスラムの重要なシンボルで、新月の三日月はラマダン期間中の断食の始まりと終わりを表します。
「ラマダンは、私たちの重要な季節のオファーの 1 つです。2020 年のラマダンをテーマにした IAP パッケージでは、東南アジアで 7 日間の平均課金額が 40% 増加しました。」LilithGames のオペレーション チームはそう述べています。
Moonton は、「モバイル·レジェンド: Bang Bang (英語) 」に登場する多くのゲーム内素材をローカライズし、ラマダン期間中にゲームと中東のコミュニティとのつながりを強めました。更新したゲームの要素は、以下のようなものです。
2021 年にこのような変更をした結果、初回ダウンロードが 15%、日々のアクティブ ユーザー数が 6% 増加しました。
「プレーヤーがゲーム内文化要素に満足することで、ロイヤルティが高まってより楽しんでもらえるようになります。その結果、長期にわたって健全に「モバイル·レジェンド: Bang Bang」を楽しんでもらえるようになります。」— Moonton オペレーション チーム
MENA LiveOps にとって、この聖なるラマダンの月は 1 年で最も重要なイベントのため、Babil Games は入念に準備を進めます。同社のゲーム「Nida Harb 3: Alliance War (アラビア語) 」では次のような計画に至りました。
こういった取り組みの結果、2021 年のラマダン期間中に、IAP による収益が 48%、日々のアクティブ ユーザー数が 6% 増加しました。
「私たちは常に、MENA のプレーヤーにローカライズされた最高のコンテンツを提供することに集中しています。聖なる月にふさわしいすばらしいテーマやカラーパレットによって、ラマダンは私達がステップアップするチャンスを与えてくれます。」Babil Games の統括マネージャー、Hisham Haddad 氏
ラマダンは、イスラム世界でゲームを大きく成功させる絶好の機会です。このガイドのベスト プラクティスに従えば、ユーザーを増やし、エンゲージメントを高めることができるはずです。
さらに詳しく知りたい方は、ゲームを成功に導く一般的な方法を紹介した投稿、中東と北アフリカでアプリやゲームを成功させる (英語) をご覧ください。
Reviewed by Mari Kawanishi - Developer Marketing Manager, Google Play
この記事は Greg Hartrell による Android Developers Blog の記事 " Things to know from the 2022 Google for Games Developer Summit " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
私たちはこの数年間、アプリやゲームは単なるエクスペリエンスではなく、皆さんのような才能のある人々が主導するビジネスであることを実感しています。そのため、私たちの目的は、皆さんがさらなる高みへ到達できるように、ビジネスを支え続けることです。Google のさまざまなチームは高品質なエクスペリエンスから収益化できるように次世代のサービス、ツール、機能を作ったり、皆さんのニーズに合ったプログラムやベスト プラクティスが記載された教育リソースなどの作成を続けています。先日開催された Google for Games Developer Summit では、その内容についてお知らせしました。基調講演、各セッション動画はこちら (英語) から日本語字幕付きでご覧いただけます。
私たちは、高品質なゲームを簡単に開発できるようにし、すばらしいエクスペリエンスをますます多くのユーザーやデバイスに提供できるようにすることで、ゲーム開発ライフサイクル全体にわたって皆さんをサポートしたいと考えています。
私たちは、ゲームを新しい画面やデバイスに対応させて、プレーヤーがどこにいてもゲームをプレイできるようにしたいと考えています。
私たちは、高品質な Android ゲームの開発をサポートすることに尽力しています。自前のネイティブ C/C++ エンジンを含むゲームエンジンとも連携しつつ、開発を簡単にするツールや SDK への注力、ゲームについての知見の提供を続けています。昨年は、Android ゲーム開発の効率を上げるために役立つツールとライブラリを集めた Android Game Development Kit(AGDK)をリリースし、デベロッパーの皆さんからのフィードバックに基づいて継続的なアップデートも行いました。 注: 以下、リンク全て英語。
Google Play Console は、ゲームのライフサイクルに役立つ貴重なリソースで、リリースの前後に利用できるさまざまなツールや知見が提供されます。
Google for Games Developer Summit (英語) でお知らせしたすべての内容を知りたい方は、g.co/android/games からその他のリソースやドキュメントをご覧ください。私たちは今後も、デベロッパー エコシステムをサポートすることに尽力します。皆さんからの恒常的なフィードバックと、世界中のプレーヤーのために高品質なゲーム エクスペリエンスを作成しようとする取り組みに深く感謝します。
この記事は Arjun Dayal による Android Developers Blog の記事 " Google Play Games beta launches on PC in Korea, Taiwan, and Hong Kong" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
12 月に、Google Play Games が PC に対応することをお知らせしました。プロダクトとサービスの連携を強化するという幅広い目標の一環として、Google Play Games では、プレーヤーがどこにいても、できる限り多くのデバイスでゲームを楽しんでもらえるように取り組みを続けています。2022 年 1 月 20 日、韓国、台湾、香港でGoogle Play Games のベータ版への登録 (注: 現時点で日本は対象外) を開始したことをお知らせします。
ベータ版に参加するユーザーは、Windows PC で Google が開発したスタンドアロン アプリケーションを使って対象の Google Play ゲームをプレイできます。世界で特に人気が高いいくつかのモバイルゲームも、開始と同時に利用できるようになります。たとえば、「モバイル·レジェンド: Bang Bang」、「サマナーズウォー」、「State of Survival: The Joker Collaboration」、「Three Kingdoms Tactics」などです。毎月数億人のプレーヤーが、世界中でこういったゲームを楽しんでいます。
今回の対応で、Google Play の最高のゲームを楽しめるノートパソコンやデスクトップ パソコンが増え、スマートフォン、タブレット、Chromebook、そして Windows PC でシームレスにゲームのセッションに没入できるようになります。プレーヤーは、お気に入りのモバイルゲームを PC で簡単にブラウジング、ダウンロード、プレイできるだけでなく、大画面、マウスやキーボードによる入力といったメリットも活用できます。Google Play Games のユーザプロファイルと連動するので、デバイスを切り替えて進捗や実績が失われることがなくなります。また、Google Play Points は、PC での Google Play Games のアクティビティにも付与されます。
プラットフォームを拡張し、プレーヤーの皆さんがお気に入りの Android ゲームをさらに楽しめるようにできるのは、私たちにとって最大の喜びです。g.co/googleplaygames から登録すると、今後のお知らせを受け取ったり、韓国、台湾、香港ではベータ版にアクセス頂くことができます。 (注: 現時点で日本は対象外) Google Play Games について詳しく知りたい Android デベロッパーの皆さんは、デベロッパー サイトから申請をお願いします。今後のベータ版のリリースや利用可能地域については、近日中にお知らせします。
Windows は、Microsoft のグループ会社による商標です。
ゲームのタイトルは、地域によって異なる場合があります。
この記事は Android Team による Android Developers Blog の記事 " Helping Users Discover Quality Apps on Large Screens " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
大画面デバイスの普及が進んでおり、現在アクティブな Android タブレット、折りたたみ式デバイス、ChromeOS デバイスの数は、2 億 5,000 万台を超えています。需要が加速し続ける中で、ユーザーはソーシャルやゲーム、マルチタスクや仕事に至るまで、さまざまなことを大画面で行うようになっています。そこで私たちは、大画面デバイスを最大限に活用してもらうため、Google Play を大きく変更して、ユーザーが高品質なアプリやゲームを探して活用できるようにしたいと考えています。
Google Play ストアは、主に 3 つのアップデートをします。その 3 つとは、ランキングとプロモーションの変更、低品質のアプリへのアラート、デバイス固有の評価とレビューです。
先日、大画面で優れたユーザー エクスペリエンスを作成するためのガイドとして、アプリの中核品質ガイドラインに加えて、大画面アプリ品質ガイドライン (英語) を公開しました。このガイドでは、縦向きと横向きのサポートといった基本的な互換性要件から、キーボードやタッチペンの機能といった細かな差別化要件まで、幅広い機能を網羅しています。今後数か月の間に、大画面デバイスにおける Google Play ストアのおすすめやランキングのロジックを更新し、アプリの品質ガイドラインに基づいて、高品質なアプリやゲームを優先するようにします。具体的には、ユーザーが自分のデバイス向けに最適化されたアプリを見つけやすくなるように、検索結果でのアプリの表示順やホームページでのおすすめを変更します。また、Google Play ストア内の記事コンテンツについても、大画面に最適化されたアプリを紹介できるように、力を入れていく予定です。
基本的な互換性要件 (英語) を満たさないアプリに対しては、インストール後のアプリがどのような画面や機能か想定できるように、現在大画面ユーザーに表示されているアラートを更新します。これによってアプリが大画面デバイスではうまく動作しない可能性があることをユーザーに通知できます。この変更に関しては、改めて追加情報をお伝えしようと考えておりますので、今年の最新情報にご注目ください。
最後は以前お知らせした通り、ユーザーがデバイスタイプ(タブレット、折りたたみ式、Chrome OS、Wear、Auto など)ごとの評価とレビューを確認できるようになります。これにより、自分に合ったアプリはどれかを判断しやすくなります。ユーザーが使用するデバイスでのアプリのエクスペリエンスを把握しやすくなるように、可能な場合は、デフォルトでその種類のデバイスにおける評価が Google Play ストアに表示されます。Google Play Console でデバイスタイプごとの内訳を確認すると、デバイスごとの評価とレビューをプレビューできます。
デバイスタイプごとの内訳で評価とレビューを分析し、大画面向けの最適化を計画する
大画面向けの最適化をしているデベロッパーは、ユーザーのエンゲージメントや維持率が向上するというプラスな効果を感じています。ここでは、アプリを大画面向けに最適化するにあたってのヒントやリソースを紹介します。
[リーチとデバイス] のデバイスタイプのフィルタで、1 つまたは複数のデバイスタイプを選択して分析する
デバイスタイプの内訳で、ユーザーと問題の分布を確認し、現在のタイトルの最適化や次のタイトルの計画に役立てる
Google Play ストアの機能は、今後数か月間で徐々にロールアウトされます。変更が行われる前に大画面アプリの品質改善計画を立て、一歩先にスタートすることをおすすめします。今後も、大画面の最適化を最大限にサポートしてユーザー エクスペリエンスを改善できるように、フィードバックを集めて、優れたアプリを開発するデベロッパーの皆さんをサポートし続けたいと考えています。
この記事は Lidia Gaymond、Vicki Amin による Android Developers Blog の記事 " Freeing up 60% of storage for apps" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
ユーザーがアプリをアンインストールする主な理由の 1 つが、容量を空けるためです。そこで、不要なアンインストールを防ぎ、ユーザーがデバイスでできることを増やすために、アプリをアーカイブできるようにする新機能の開発を始めています。
アーカイブとは、アプリを完全にアンインストールするのではなく、その一部を削除することで、ユーザーがアプリのストレージの最大 60% を一時的に取り戻せるようにする新機能です。アーカイブしたアプリはデバイスに残り、互換性のある最新バージョンを簡単に復元できます。ユーザーのデータは保持されます。
まもなく迎える Bundletool バージョン 1.10 のリリースは、すべてのデベロッパーが App Bundle を使ってアーカイブを利用できるようにするための第一歩になります。私たちは、Android Gradle プラグイン 7.3 でビルドしたアプリ用に、新しいタイプの APK である「アーカイブ APK」の生成を開始します。アーカイブ APK は、アプリが復元されるまでユーザーのデータを保持しておくための非常に小さな APK です。なお、今回私たちはアーカイブ APK の作成を開始しますが、今年後半にアーカイブ機能が一般向けにリリースされるまでは動作しません。
アーカイブ機能がリリースされると、ユーザーとデベロッパーの双方にとって、大きなメリットをもたらします。ユーザーは、アプリをアンインストールするのではなく、「アーカイブ」できるようになります。すると、一時的に容量を空けつつ、すばやく簡単にアプリを復元できます。デベロッパーには、アンインストール数が減り、お気に入りのアプリを取り戻してもらう際の手間が大幅に減るというメリットがあります。
これまでと同様に、生成されたすべての APK は、生成済み APK API や Google Play Console の App Bundle エクスプローラからダウンロードや調査できます。この機能はオープンソースなので、デベロッパーはコードを調べることができます。また、他のアプリストアもこの機能を利用できます。
アーカイブ APK の生成をオプトアウトしたい場合は、プロジェクトの build.gradle ファイルを次のように変更します。
android { bundle { storeArchive { enable = false } }}
android {
bundle {
storeArchive {
enable = false
}
または Gradle を使わずにアプリをビルドしている場合は、BundleConfig の新オプションを使ってオプトアウトできます。
{ "optimizations": { "storeArchive": { "enabled": false } }}
{
"optimizations": {
"storeArchive": {
"enabled": false
アプリのアーカイブに関する情報は今後も Android Developers Blog でお伝えしますので、ご注目ください。
2022 年 3 月 9 日にマンガアプリ カテゴリに特化した Google Play のカテゴリ イベント、マンガアプリ DAY を開催いたしました。近年マンガアプリを取り巻く環境は変化を続け、マンガアプリ自体も大きな進化を遂げています。 その中で、業界の活性化に貢献できるイベントをご提供できないかと考え、「コンテンツ戦略」をテーマの軸としイベントを実施しました。
この記事では、Google Play 担当者がイベント内で解説した「ゲーム手法から考えるコンテンツ戦略」というセッションの内容を一部ご紹介いたします。
一見マンガアプリとはあまり関係のなさそうなゲームですが、実はコンテンツ流通の最大化を目指す点などマンガアプリでも参考にできるような共通点があります。イベントでは、ゲームアプリで使われるコンテンツ戦略の考え方や手法を Google Play 担当者よりご紹介いたしました。
こういった形で、ゲームアプリは、コンテンツの需要を高めたり、それにまつわる通貨資産の管理を行っています。ゲームアプリとマンガアプリには類似点があることから、マンガアプリにも活用できるようなポイントがあるのではないでしょうか。
“ゲームの成功体験やメカニズムから、隣接であるマンガアプリの発展に結びつけようという企画が良かった”
“他のサービスにも展開しやすい形に噛み砕いていただいたので、各アプリでどう組み込んでいくかが考えやすいものになっていたと思いました”
このように、デベロッパーの皆さまが持続可能なビジネスを構築できるよう支援することは Google Play のミッションです。業界に特化したイベントを開催することで、業界の活性化や、デベロッパーの皆さまのビジネスをサポートすることを引き続き目指してまいります。
この記事は Rachel Cheung による Android Developers - Medium の記事 " Part 1: Learnings from game publishers in APAC " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
ゲームの公開モデルは、ゲーム業界の人々にとって新しい概念ではありません。しかし、絶えず変化する複雑な政府の規制、ローカライズされたコンテンツに対するユーザーの期待の高まり、外部環境の複雑さ(パンデミックによる旅行の自粛など)を踏まえて言うなら、モバイルゲーム パブリッシャーの重要性はますます高まっています。
外国のデベロッパーがパブリッシャーを通さなければ参入できない市場がある場合もあります。そのため、モバイル エコシステムでは、地域の市場でデベロッパーを十全にサポートできるパブリッシャーが不可欠です。私たちは、成功につながるパートナーシップを築くトップトレンドやベスト プラクティスについて深く理解するため、アジア太平洋地域に拠点を置くパブリッシャーと、サードパーティ パブリッシャーと連携しているデベロッパーに対してアンケートとインタビュー調査を実施しました。
なお、定義を明確にしておきます。
この記事では、パブリッシャーから学んだことについて注目します。パート 2 の記事では、デベロッパーの視点によるサードパーティ パブリッシングに関する知見についてお伝えします。
まずは、ゲームのパブリッシャーがどのように作業を進めているかについて、基本的なところから見ていきましょう。
アンケートに応じたアジア太平洋地域の 28 のパブリッシャーにとっての最大の優先事項と課題は、ライセンスと配信ができる高品質なタイトルを見つけることです。
通常、パブリッシャーがゲームを探すときは、既存の人脈やさまざまなゲームイベントを通じて、直接デベロッパーにアプローチします。そのうえで、市場への適性やプレイ内容、指標に基づいてゲームを選択します。パンデミック以降、このプロセスのスピードは低下しています。興味のあるゲームを見つけた場合、ライセンス期間は通常 2 年から 3 年です。多くの場合、収益の分配、最低保証額(パブリッシャーは、実際の収入とは別に、一定の額をデベロッパーに支払う必要がある)、前払いの年間ライセンス料を組み合わせた契約になります。
パートナーシップ面について言えば、技術的な最適化やトラブルシューティングはデベロッパーに任せるパブリッシャーがほとんどです。中には、ゲームデザインについてのガイドラインを提供したり、将来のプロジェクトに向けた合弁企業を設立したりして、デベロッパーと戦略的パートナーシップを結ぶ選択肢を提供するパブリッシャーもあります。
今後の業界を展望すると、パブリッシング ビジネスは、完全なサードパーティ パブリッシング サービスではなく、コミュニティ管理、カスタマー サービス、マーケティングといったモジュール型サービスを提供するようになるかもしれません。
パンデミックの影響で、地域にオフィスを持たないデベロッパーにとっては、リモート パブリッシングが唯一のソリューションになる可能性もあります。ただし、それはますます難しくなるでしょう。ゲーマーの目は肥え、地域の規制も変化し続けているからです。また、デベロッパーがすべての主要な市場でエキスパートとなるのは、すでにある規模に到達していない限り、ほぼ不可能だと言えます。そのため、デベロッパーがグローバル リリースの初期段階であったり、特定の市場を綿密に監視して最適化する余力がなかったりする場合、地域のパブリッシャーは考慮すべき重要なパートナーとなります。
パート 2 では、同僚の Gaby Hien が、アンケートとインタビュー調査の結果をデベロッパーの視点で振り返りますので、お楽しみに。今回学んだことに基づいたベスト プラクティスのチェックリストも掲載する予定です。このチェックリストを使って、高品質なタイトルやパートナーを見つけ、スムーズなゲームのリリースを実現して、問題が起きる可能性を減らしましょう。
この記事の一部は、ココネ株式会社に寄稿いただいたゲスト記事です。
ココネ株式会社より「長年ユーザーに愛されるコンテンツやプロダクトに必要なサービス設計とは」をテーマに、お客様が愛着を持てる「世界設定」などサービス戦略についてお話しいただきました。この記事では、ココネ株式会社 冨田様・井出様より寄稿いただいたプレゼンテーションサマリーをご紹介します。
※ココネ株式会社
複数のアバターサービスを運営。アバターを武器に日本発のメタバースへ挑戦中の企業。『ポケコロ』は2021年で10周年、『リヴリーアイランド』はブラウザ版も含めると2022年で20周年など、長期間お客様に愛されるサービス運営に強みがあります。
はじめにココネが考えるサービス設計(思想)について。
次にサービス作りで大切にしている、世界設定・体験・つながりの 3要素について、『リヴリーアイランド』の事例を元に、お話しました。
アプリ内表現の例
実際のお買い物体験を目指したガチャ画面
“体験を変えていくことを考えるきっかけになりました”
“マンガアプリ以外での視点だったことが特に良かった。広い視野で改めてマンガアプリについて考えることができました”
この記事は Andrew Flynn & Jon Boekenoogen による Android Developers Blog の記事 " Play Time with Jetpack Compose " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
2020 年、Google Play ストアのエンジニアリング チームのリーダー陣は、ストアのショーウィンドウにあたる部分全体の技術スタックを再構築するという大きな決断を下しました。既存のコードは 10 年以上前のもので、無数の Android プラットフォーム リリースや機能アップデートを経て、大きな技術的負債を抱えていました。デベロッパーの生産性やストア自体のユーザー エクスペリエンスとパフォーマンスに悪影響を与えることなく、数百名のエンジニアが開発できるようにスケールアップできる新しいフレームワークが必要でした。
ネットワーク レイヤからピクセルのレンダリングに至るまで、ストアのあらゆるものを更新するため、複数年にわたるロードマップを作成しました。その一環として、インタラクティブ性とユーザーの快適さを目標とした最新の宣言型 UI フレームワークも採用したいと考えました。さまざまな選択肢を分析した結果、まだアルファ版にもなっていなかった Jetpack Compose を使うという、(当時としては)大胆な決断をすることになりました。
それ以来、Google の Google Play ストアチームと Jetpack Compose チームは、ストアの具体的なニーズを満たせるバージョンの Jetpack Compose を実現するため、非常に密接な連携のもと、リリースや改善を重ねてきました。この記事では、移行のアプローチやその過程で明らかになった課題や利点について説明し、多くのエンジニアが関わるアプリで Compose を採用するとはどういうことかについて共有したいと思います。
新しい UI レンダリング レイヤとして Jetpack Compose を検討するときの最優先事項は次の 2 つでした。
Google Play ストアはすでに 1 年以上 Jetpack Compose で UI のコードを記述しており、Jetpack Compose によって UI 開発がこれまで以上にシンプルになっていることを実感しています。
特にうれしいのは、UI の記述に必要なコードがかなり減ったことで、場合によってはコードが最大 50% 少なくなったことです。これが実現できたのは、Compose が宣言型 UI フレームワークであることに加え、簡潔な Kotlin を活用できるからです。カスタムの描画やレイアウトを作成する際も、ビューをサブクラス化してたくさんのメソッドをオーバーライドする必要はなく、シンプルな関数呼び出しで実現できます。
評価テーブルを例に説明しましょう。
ビューを使う場合、このテーブルは以下の要素で構成されます。
Compose を使う場合、このテーブルは以下の要素で構成されます。
@Composable
「そうは言っても、ライブラリの依存関係でビューが提供される場合どうすればいいのか」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、すべてのライブラリ所有者が Compose ベースの API を実装しているとは限りません。私たちが最初に移行をしたときは特にそうでした。しかし、Compose では ComposeView と AndroidView API によって、ビューを簡単に利用できる相互運用性が実現されています。ExoPlayer (英語) や YouTube の Player などの人気ライブラリは、この方法によって問題なく統合できました。
Google Play ストアチームと Jetpack Compose チームは、Compose がビュー フレームワークと同じくらい速くジャンクなしで動作できるようにするため、密接に連携しました。Compose は Android フレームワークの一部というよりはアプリにバンドルされるものなので、これは難しい要件でした。画面上の個々の UI コンポーネントのレンダリングは高速でしたが、アプリが Compose フレームワーク全体をメモリに読み込むために必要な時間をすべて合わせれば、かなりの時間になりました。
Google Play ストアで Compose を採用するうえで、特に大きなパフォーマンス改善に貢献したのはベースライン プロファイルの開発でした。以前から利用できたクラウド プロファイルもアプリの起動時間の短縮に役立ちますが、これが利用できるのは API 28 以降に限られ、頻繁な周期で(毎週)リリースされるアプリにとっては効果的ではありません。この問題に対応するため、Google Play ストアチームと Android チームが連携して、ベースライン プロファイルの開発にあたりました。ベースライン プロファイルは、デベロッパーが定義し、アプリの所有者が指定してバンドルできるプロファイルです。アプリに同梱され、クラウド プロファイルとは完全な互換性があり、アプリレベルに限定して定義することも、ライブラリレベルで定義することもできます(Compose を採用すると、このプロファイルもついてきます!)。ベースライン プロファイルをロールアウトすることで、Google Play ストアの検索結果ページの最初のレンダリング時間は 40% 短縮されました。これは大きな成果です。
Compose は、特にスクロールの際に効率的なレンダリングをします。その中核をなす仕組みとなっているのが、UI コンポーネントの再利用です。Compose は、スキップできることがわかっている Composable の再コンポーズをできる限りスキップしようとします(不変である場合など)。しかし、すべてのパラメータが @Stable (英語) アノテーション要件を満たしている場合は、デベロッパーが強制的に Composable をスキップ可能にすることもできます。Compose のコンパイラでも、特定の関数をスキップできない理由を説明した便利なガイドが提供されています。Google Play ストアでは、スクロールが発生する状況で頻繁に再利用される UI コンポーネントを作りましたが、不要な再コンポーズが積み重なってフレーム時間が足りなくなり、ジャンクにつながるという状況が発生しました。そこで、デバッグ設定でもそのような再コンポーズを簡単に見つけることができるように、Modifier を作成しました。この手法を UI コンポーネントに適用することで、ジャンクを 10-15% 減らすことができました。
@Stable
Modifier
Modifier による再コンポーズの視覚化の例。青(再コンポーズなし)、緑(1 回の再コンポーズ)
Google Play ストア アプリの Compose を最適化するうえで、もう 1 つの重要な要素となったのが、アプリ全体の一連の移行戦略を詳細に作成したことです。最初に組み込みの実験をしたとき、「二重スタック問題」に直面しました。これは、1 つのユーザー セッション内で Compose とビューの両方のレンダリングを実行すると、特にローエンドのデバイスにおいて、メモリに大きな負荷がかかるという問題です。これはコードを同じページに展開した場合だけでなく、異なるスタックのそれぞれに 2 つのページ(Google Play ストアのホームページと検索結果ページなど)が存在する場合にも発生しました。これに起因する起動の遅さを解消するには、ページを Compose に移行する順番やスケジュールについて、具体的な計画を立てることが重要でした。さらに、アプリが完全に移行されるまでの穴埋めとして、よく使うクラスの短期的なプリウォーミングを追加することも有用であることがわかりました。
Compose は Android フレームワークにバンドルされていないので、Google Play ストアチームが Jetpack Compose に直接的に関与する手間も少なくすみました。その結果、短い時間でデベロッパーに役立つ改善をすることができました。Jetpack Compose チームとの共同作業で、LazyList のアイテムタイプのキャッシュのような機能追加をしたり、無駄なオブジェクトの割り当てなどに関する簡単な修正をすばやくしたりすることもできました。
Google Play ストアで Compose を採用したことで、チームのデベロッパー満足度は大幅に上昇し、コードの品質と健全性も大きく向上しました。Google Play ストアの新機能は、すべてこのフレームワーク上に構築されています。Compose はアプリの速度向上や利便性に貢献しています。Compose への移行戦略の性質上、APK サイズの変化やビルド速度は細かく測定できませんでしたが、可視化できたものについてはすべて順調に進んでいます。
Compose は Android UI 開発の未来です。Google Play ストアの事例から言うと、これ以上すばらしいものはありません!
この記事は Dave Burke による Android Developers Blog の記事 " Android 13 Developer Preview 2 " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
2022 年 3 月、2 億 5,000 万台以上の大画面 Android デバイスをさらに活用してもらうための 12L フィーチャー ドロップが、Android オープンソース プロジェクト(AOSP)にアップされました。そしてその直後、今回のリリースを迎えました。Android 13 やタブレット、Jetpack Compose でのデベロッパーの生産性向上の詳細については、#TheAndroidShow の最新エピソードをご覧ください。
デベロッパー プレビュー 2 の説明に入る前に、先ほどの話をしましょう。12L フィーチャー ドロップが正式に AOSP にリリースされ、今後数週間のうちにサポート対象のすべての Pixel デバイスにロールアウトされます。12L には、アプリをドラッグ&ドロップしてすばやく分割画面モードに切り替えることができる新しいタスクバー、通知シェードとロック画面の新しい大画面レイアウト、アプリの互換性モードの改善などのアップデートが含まれ、タブレットでの Android 12 がさらに改善されています。詳細についてはこちら (英語) を参照してください。
12L は、年内行われるアップデートによって、Samsung、Lenovo、Microsoft のタブレットや折りたたみ式デバイスで利用できるようになる予定です。そのため、今のうちにアプリの準備も整えておくようにしましょう。さまざまなウィンドウ サイズの分割画面モードや異なる画面の向きでアプリをテストし、該当する場合は新しい互換性モードの変更点を確認することを強くおすすめします。デベロッパー向けの 12L の説明はこちら (英語) をご覧ください。
最も良いのは、12L の大画面機能が Android 13 の土台となっていることです。そのため、Android 12L を搭載したタブレットのベースもカバーできることを認識したうえで、Android 13 の開発やテストをすることができます。私たちは、大画面機能を Android の将来にとって重要な機能と位置付けています。そのため、皆さんがタブレットや Chromebook、折りたたみ式デバイスで優れたエクスペリエンスを構築するために必要になるツールを提供できるように、今後も注力を続けます。詳細については大画面向けの最適化を始める方法や大画面デベロッパー リソースをご覧ください。
それでは、今回の Android 13 デベロッパー プレビュー 2 の新機能の紹介に入りましょう。
ユーザーは、重要な個人情報や機密情報、リソースを安心してデバイスに預けることができる OS やアプリを求めています。プライバシーとユーザーの信頼は Android の製品理念の中核です。Android 13 では、すべての人に対して高品質で責任あるプラットフォームを構築することに引き続き重点を置いています。それを実現するため、デバイスでより安全な環境を実現し、ユーザーがより多くのことを制御できるようにします。デベロッパー プレビュー 2 の新機能は以下のとおりです。
通知権限 - ユーザーが最も重要な通知に集中できるようにするため、Android 13 にはアプリから通知を送信する新しい実行時の権限として、POST_NOTIFICATIONS (英語) が導入されます。Android 13 を対象とするアプリは、通知を送信する前に、ユーザーに対してこの通知権限をリクエストする必要があります。Android 12 以前を対象にするアプリでは、システムがアップグレード フローを処理します。このフローは、今後も微調整が続けられる予定です。ユーザーが自身でコントロールできる範囲を増やすため、できる限り早くアプリの対象を Android 13 に変更し、通知権限をリクエストすることをおすすめします。詳しくはこちら (英語)をご覧ください 。
Android 13 の通知権限 ダイアログ
デベロッパーがダウングレードできる権限 - アプリによっては、以前にユーザーが許可した特定の機能を有効にするための権限や、古い Android バージョンで取得した機密性の高い権限が不要になることがあるかもしれません。Android 13 では、以前に許可された実行時の権限をダウングレードしてユーザーのプライバシーを保護できるよう、新しい API (英語) を提供します。
コンテキスト登録されたレシーバの安全なエクスポート - Android 12 では、デベロッパーがマニフェストで宣言されたインテント レシーバをエクスポートするかどうか、明記することを義務付けました。Android 13 では、コンテキスト登録されたレシーバについても同様に求められます。つまり、システム以外のソースのレシーバを登録する際に、RECEIVER_EXPORTED (英語) フラグか RECEIVER_NOT_EXPORTED (英語) フラグを追加します。これにより、明示的に指定しない限り、他のアプリがレシーバを使ってブロードキャストを送信することはできなくなります。Android 13 では必須ではありませんが、アプリのセキュリティ強化の一環として、エクスポートするかどうかを宣言することをおすすめします。
Android 13 では、洗練されたエクスペリエンスと高いパフォーマンスをユーザーに提供していただけるよう、さらにツールを充実させる作業を続けています。ここでは、今回のリリースに含まれるアップデートの一部を紹介します。
日本語テキストの折り返しの改善 - TextView でテキストを文字ではなく、文節(自然に感じられる言葉の最小単位)やフレーズで折り返すことができるようになり、日本語のアプリで洗練性と読みやすさが向上します。TextView で android:lineBreakWordStyle="phrase" (英語) を指定すると、この折り返し設定を利用できます。
android:lineBreakWordStyle="phrase"
phrase スタイルを有効にして折り返した日本語テキスト(下)と、有効にしていない日本語テキスト(上)
非ラテン文字の行の高さの改善 - Android 13 では、非ラテン文字(タミル文字、ビルマ文字、テルグ文字、チベット文字など)の表示が改善され、各言語に応じた行の高さが利用されます。新しい行の高さになることで、文字が欠けることがなくなり、文字の位置も改善されます。この改善は、アプリの対象を Android 13 にするだけで反映されます。この変更は非ラテン言語の UI に影響する可能性があるため、新しい行間を使う場合は、必ずアプリのテストをするようにしてください。
Android 13 をターゲットにしたアプリでの非ラテン文字の行の高さの改善(下)
テキスト変換 API - 日本語や中国語などを話す人は、ふりがなで入力します。そのため、検索やオートコンプリートなどの機能をすばやく使用できないことがあります。Android 13 では、新しいテキスト変換 API (英語) を呼び出すことで、ユーザーが探しているものをすばやく簡単に見つけられるようになります。たとえば、日本語ユーザーが検索をする場合、これまでは(1)検索語句(場所やアプリ名など)の発音をひらがなで入力する(2)キーボードを使ってひらがなを漢字に変換する(3)漢字を使って再検索する(4)検索結果を取得する という手順を踏む必要がありました。新しいテキスト変換 API を使うと、日本語ユーザーがひらがなを直接入力するだけで、漢字の検索結果が直接表示され、手順 2 と 3 を省くことができます。
カラー ベクター フォント - Android 13 では、COLR バージョン 1(仕様 (英語) 、紹介動画 (英語) )フォントのレンダリングがサポートされ、システムの絵文字が COLRv1 形式にアップデートされます。COLRv1 は、非常にコンパクトな新しいフォント形式で、サイズを問わず高速にくっきりと表示できます。システムがすべての処理をしてくれるので、ほとんどのアプリでは何もしなくても動作します。デベロッパー プレビュー 2 より、アプリで COLRv1 をオプトインできるようになります。アプリでシステム フォントを使って独自にテキストをレンダリングしている場合は、オプトインして絵文字のレンダリングをテストすることをおすすめします。COLRv1 の詳細は、Chrome でのお知らせ (英語) をご覧ください。
COLRv1 ベクター絵文字(左)とビットマップの絵文字
Bluetooth LE Audio - LE(低電力)Audio は、従来の Bluetooth に代わる次世代ワイヤレス オーディオで、新しい使用例や接続トポロジーを実現します。これにより、オーディオを共有して友だちや家族にブロードキャストしたり、情報や娯楽、ユーザー補助を目的として一般公開されているブロードキャストを登録したりできるようになります。また、電池寿命を犠牲にすることなく、非常に再現性の高いオーディオを受信し、従来の Bluetooth では不可能だったユースケース間でシームレスな切り替えができるように設計されています。Android 13 は LE Audio をビルトインでサポートするので、デベロッパーは互換デバイスで新機能を無料で利用できます。
MIDI 2.0 - Android 13 は、新しい MIDI 2.0 標準をサポートします。これには、USB 経由で MIDI 2.0 ハードウェアに接続する機能も含まれます。この最新の標準では、コントローラの分解能の増加、西洋以外のイントネーションのサポート強化、音符単位のコントローラによる演奏の表現力向上などの機能が提供されます。
新しいバージョンのプラットフォームをリリースするたびに、アプリの互換性を優先し、迅速かつスムーズにアップデートできるように作業をしています。皆さんが時間に余裕を持てるよう、Android 13 ではアプリに関連する変更がオプトイン方式になっています。また、短時間で対応できるように、ツールやプロセスをアップデートしています。
リリースに一歩近づいたデベロッパー プレビュー 2 では、全般的な安定性を改善する作業を続けています。そのため、新機能や変更点を試してフィードバックを送るには、今が絶好のタイミングです。特に、API に関するご意見や、プラットフォームの変更点がアプリに与える影響に関して詳しい情報をお待ちしています。フィードバック ページ (英語) にアクセスし、感想の共有または問題の報告をお願いします。
また、今は互換性テストをして必要な作業を洗い出し始めるべきタイミングでもあります。Android 13 ベータ版 1 までに互換性のあるアップデートをリリースできるように、早めにこの作業をすることをおすすめします。現時点では、アプリの targetSdkVersion を変更する必要はありませんが、開発者向けオプションの動作変更切り替えを使うことをおすすめします。Android 13 の変更点をオプトインすることで、アプリがどのような影響を受ける可能性があるかについての予備知識を得ることができます。
2022 年 7 月に プラットフォームの安定版に到達すると、アプリに関連するすべてのシステム動作、SDK/NDK API、非 SDK リストが確定します。このタイミングで最終的な互換性テストを終え、完全に互換性があるバージョンのアプリ、SDK、ライブラリをリリースできます。デベロッパー向けのタイムラインの詳細はこちらをご覧ください。
開発者向けオプションでのアプリの互換性切り替え
デベロッパー プレビューには、Android 13 の機能を試し、アプリをテストしてフィードバック (英語) を提供するために必要なすべてのものが含まれています。Pixel 6 Pro、Pixel 6、Pixel 5a 5G、Pixel 5、Pixel 4a(5G)、Pixel 4a、Pixel 4 XL、Pixel 4 のいずれかにデバイス システム イメージを書き込むと、すぐに始めることができます。Pixel デバイスをお持ちでない方は、Android Studio Dolphin で 64 ビット システム イメージと Android Emulator を使うことができます。さらに幅広くテストできるように、GSI イメージも公開しています。すでにプレビュー ビルドを Pixel デバイスにインストールしている方は、今回のアップデートや、今後のプレビューやベータ版をすべて無線(OTA)で自動的に受け取ります。Android 13 を入手する方法はこちらをご覧ください。
その他、詳しい情報はAndroid 13 デベロッパー サイト (英語) でご覧いただけます。
この記事は Krish Vitaldevara による Android Developers Blog の記事 " Keeping Google Play safe with our key 2022 initiatives " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
ユーザーとデベロッパーの皆さんのために、 Google Play の安全性を維持することは、私たちにとって、最優先事項です。ここ数年、デベロッパーの皆さんと連携して、アプリの安全性の確保に務めてきました。私たちは、デベロッパーの皆さんがアプリを保護(英語)し、データ セーフティ関連の情報をユーザーと共有する準備を整え、プライバシー保護をより優先する新しい広告ソリューションの提供などを実現させるサポートをしました。また、不正なコンテンツや悪意のあるコンテンツを含むアプリをインストール前に遮断 (英語) できるように、機械学習による検知や、アプリの審査の強化の取り組みも続けています。
また、私たちは、デベロッパーの皆さんが、この進化するプライバシーとセキュリティの状況の変化のペースについて行くことが大変だということも理解しています。Google Play Console の 受信トレイ メッセージやウェビナー、教育リソースの追加などの施策を通じて、より分かりやすいアップデート、変更に対応するための時間、そして有益な情報を提供できるよう努めております。このブログ記事で、2022 年に予定されていることを共有することで、皆さんが準備をするための充分な時間を用意できればと考えています。
デベロッパーの皆さんから、ご自身のアプリのデータの安全性について、わかりやすくシンプルな形でユーザーに説明したいと伺いました。そこで、アプリの Google Play ストア上の掲載情報には、データ セーフティ セクション が表示される予定です。このセクションでは、、デベロッパーの皆さんが、アプリがユーザーのデータをどのように収集、共有、保護するかを説明することができます。すでにユーザーからは、この情報に基づいて、アプリが自分に適したものであるかどうかを判断できるようになるというお声をいただいています。2022 年 4 月後半には、Google Play ストアにデータ セーフティ セクションの表示が開始される予定なので、お早めにデータ セーフティ フォームを送信してください。2022 年 7 月 20 日より、すべてのアプリで、アップデートの際にデータ セーフティ フォームの入力が必須になります。
先日、プライバシー サンドボックス (英語) の取り組みを Android に展開することをお知らせしました。私たちは、ユーザーのプライバシーを向上させる革新的なソリューションに取り組む一方で、デベロッパーの皆さんにとって、ビジネスを構築し、誰もが無料でアプリにアクセスできるようにするための重要なメカニズムをサポートするため、デベロッパーの皆さんと緊密に連携し、この取り組みを進めていきます。最新情報を受け取りたい方は、ニュースレター (英語) にご登録ください。
デベロッパーの皆さんがゲームやアプリを保護することをサポートするとともに、デベロッパーの皆さんが設計した通りの体験をユーザーが確実に得られるようにするために、新しい Play Integrity API (英語) の展開を開始しました。現在、デベロッパーの皆さん全員が、この新しい API にアクセスできるようになっており、疑わしいトラフィックを簡単に検知し、チートや不正行為などの問題にすばやく応答可能となりました。アップグレードに必要なビルド時間をほとんどかけずに、簡単に新機能を手に入れられるよう、将来を見据えた方法で構築しています。皆さんのアプリにこの機能を設定する方法は、こちらをご覧ください。
デベロッパーの皆さんより、SDK プロバイダからの重要なアップデート情報をより迅速に受け取りたいという声が寄せられています。そこで 2021 年、SDK プロバイダが Google Play Console で緊急の問題について通知 できる仕組みを導入しました。また、ビルド時間を無駄にしたり、ユーザーの安全性が損なわれたりすることがないように、SDK の安全性や信頼性について詳しく知りたいという声もありました。今後数か月のうちに、SDK の採用レベル、維持率、使われたランタイム権限の数などの情報を共有し、貴社ビジネスやユーザーに適した SDK を選択できるようにサポートする予定です。
2021 年は、広告と子供向けアプリに関する大人の事前承認の要件を見直す作業を続け、子どものプライバシーや安全性をさらに強化しました。対象となるデベロッパーは、近日中に追加されるデータ セーフティ セクションにバッジを追加して、ファミリー ポリシーへの準拠を宣言していることを明示できます。2022 年も引き続き、子どもの安全やプライバシー保護のためのポリシーを更新していく予定です。最新情報は、ポリシー関連のウェビナーや PolicyBytes でご確認ください。
デベロッパーの皆さんは、アプリの機能や改善に必要なデータのみを収集、利用する必要があります。この点に関する実践的なヒントは、ベスト プラクティス (英語) ガイドに掲載されています。2022 年も、権限を調整して適切なユースケースに近づける作業を継続しています。さらに、古いバージョンの Android OS の API を利用するアプリから生じるリスクを軽減する方法について、デベロッパーの皆さんと積極的に話し合っています。近日中に詳細をお知らせしますので、ポリシー更新関連のメールをお待ちください。
Google Play が誰にとっても信頼できるアプリとゲームの提供元であり続けるためご協力いただきますよう、お願いいたします。
Reviewed by Konosuke Ogura - Trust & Safety - Play & Android, Global Content Operations Lead, Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play
この記事は Phalene Gowling による Android Developers Blog の記事 " Grow your game’s revenue with Google Play Console’s new strategic guidance " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
2021 年のモバイルゲームへの消費者支出は7.3% 増の 932 億ドル (英語) に達し、勢いが衰える気配はありません。競争が激しいこの成長市場で、効率的に収益を上げることはこれまでになく重要になってきています。しかし、戦略コンサルタントを利用しない限り、どのように自社の収益化戦略を強化すべきか判断することが難しいのではないでしょうか。
このような課題を支援するため、Google Play は Play Console の一連のツールを拡張し続けています。2021 年には、皆さんのビジネス拡大に役立てていただくため、統計情報のページに新しいエンゲージメントと収益化の指標をリリースしました。そして今回、収益化の成功に役立つ新たな戦略的ガイダンス ツールを発表しました。
ゲームの収益化の向上を支援するため、指標に基づいたガイダンスが表示されたことで以下が可能になります。
戦略的ガイダンス指標の階層(詳細は Google Play アカデミーの KPI のモニタリング もしくはこちらのブログ (英語) をご確認下さい)
Google はこの数年間、一部のパートナーとともにダッシュボードをテストし、このガイダンスを完成に近づける作業をしてきました。この戦略的ガイダンスに対するフィードバックは好意的なものでした。皆さんも、ぜひご活用ください。
「この機能は本当に便利です!このような種類のインサイトは、まさに私たちが Google に期待していたものです。なぜなら、これらは私たちのビジネスを拡大するために非常に役立つものだからです。」
- Gameloft のプロダクト マネージャー
戦略的ガイダンスは、Google Play Console の売上レポートから確認できます。モバイルゲームの成長に関するエキスパートの協力のもと、簡単に類似アプリとパフォーマンス比較ができるよう、主要な収益化指標(新しい指標を含む)とその相関関係を追加しました。すべての指標は ヘルプセンターの記事 で確認できます。
この指標階層は、ゲームのどの下位指標(購入者のコンバージョンなど)を改善すると全体の収益増加に最も効果的かを理解するうえで役立つツールです。 類似アプリグループのベンチマークや国別の内訳を利用すると、どの市場では不調で、どの市場ではマーケット リーダーであるかなどの成長機会をすばやく特定することができます。
指標を選択して詳細を確認し、時系列でパフォーマンスを追跡してみましょう。戦略的ガイダンスでは、選択した指標の地域別の内訳が表示されるので、ゲームをグローバルに展開する機会を見出すのに役立ちます。また、詳細な指標分析を活用することにより、小さな投資で大きな効果を得られるところを特定できます。
一日あたりの購入者比率を改善するための戦略的ガイダンスの指標提案例
カジュアル ゲームから RPG まで、各指標個別の推奨事項は、さまざまなゲーム デベロッパーの皆さんに役立つ多くのインサイトを得られるように設計されています。プロモーション コンテンツの多様化、ゲームの仕組みの改善、購買力平価を実現するための新しい価格帯のテストなどにご活用ください。
広告のみのマネタイズからアプリ内購入 (IAP)へとビジネスモデルをシフトするデベロッパーが増える中、Google は、 IAP による収益化を全体の戦略の中に組み込んでいるデベロッパーの皆さんのために戦略的ガイダンスを開発しました 。今回のローンチにより、このようなゲーム デベロッパーの皆さんに、グロース コンサルティングの機会を幅広く提供できることを嬉しく思います。2022 年も皆さんの収益拡大を支援するために、さまざまなローンチを予定しておりますので、ご期待ください。